女神の花嫁〈前編〉―流血女神伝 (コバルト文庫)

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著者 : 須賀しのぶ
制作 : 船戸 明里 
  • 集英社 (2003年4月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086002585

女神の花嫁〈前編〉―流血女神伝 (コバルト文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 2013年2月5日~同日

  • やっと流血の意味がわかった。サルベーンの闇も。
    宿命はいやだなあ、

  • ラクリゼを主役とした流血女神伝シリーズ外伝。
    ザカールの長老の子は代々男児が生まれるはずであるが、999番目のラクリゼは女児であった。
    呪われた子として父から疎まれて、男児として育てられたラクリゼ。
    そんななか、12歳のとき村の結界の外よりやってきた少年サルベーンとの出会いが彼女の運命を変える…

    私としては早く本編のカリエ(+エド)の話が読みたいところだったのですが、読み始めたら面白い。
    本編のラクリゼとサルベーンからは想像できないなぁ…
    まだ子供の二人がこれからどんな青年期を迎えるのか楽しみ。

  • ラクリゼとサルベージの過去話。ザカールの様子がわかっていろいろ興味深かった

  • シリーズ12作目。ラクリゼとサルベーンの外伝。

  • 女神ザカリアを信仰するザカール人の長老(クナム)と、その妻となるべく外の世界から連れてこられる女神の娘(ザカルエフィ)の間に生まれる子どもは、必ず「男」であった。
    しかし999番目の子ラクリゼは「女」として生まれた。そのためずっと男として育てられたラクリゼと、ザカール人とルトヴィア人の間に生まれたことで蔑まれるサルベーンの出会いと旅立ちの物語。

    もう一人の主人公・ラクリゼの生い立ちがついに明らかに。
    男の子として違和感がないのがすごい(笑)強いよ!
    サルベーンも好きだけど、レイザンも好きでした。
    ラクリゼは自分が女だと受け入れると同時に、過去を断ち切れたけど、サルベーンが心の中に抱えてるものは、本編にも繋がるんじゃないかと思うとじゃっかん不安です。むしろ伏線か。

    相変わらず一度読み始めると一気に読ませてしまう、すごい筆力本でした。

  • <後編までのネタバレを含みます>

    ひょっとするとシリーズ中では一番好きな作品かもしれない。初めは(一応物語の流れとして読んでおかないといけないタイトルに指定されてはいるものの)前作で脇役だったラクリゼとサルベーンの過去の話かー、個人的には早く次の『暗き神の鎖』に行きたいんだけどなぁ、と若干気乗りしないまま読み始めたのが嘘のように引き込まれてしまった。どうしてだろう、大勢の登場人物が入れ替わり立ち替わりピンチに遭って、悲しむ間もなく次の試練があって……という感じで、どうしてもせわしい印象の抜けなかった前の二作品と比べ、この『女神の花嫁』はラクリゼとサルベーンというたった二人の男女に焦点を当てているからだろうか。その分二人の半生をじっくりと3冊かけて描いているという余裕があって、読む側としてもキャラクターの中に入っていきやすかった。何より、相変わらずの須賀節(ようやく幸せになったと思ったらすぐに次の残酷な運命がやってくるという……)の中に、ようやくコバルトレーベルらしいロマンティックな少女小説の要素が見て取れた作品でもあったので、これを思春期に読むことができた少女たちは、おそらく今まで以上に夢中になって読み進めたのではないかと思う。もちろん、大抵の場合期待はこっぴどく裏切られて、結局はまたきりきりと胸を痛めることになってしまうのだけれど。

    少女小説らしい要素が含まれていると言いながら、それでも核となるラクリゼとサルベーンを巡る関係性はひどく複雑で、あれほど愛し合っていたはずの二人が結局は憎み合う(と言っても、ラクリゼから一方的にという感じではある)ことになるという結末は、一筋縄ではいかない愛の難しさを読者に教えるものとなったことだろう。孤独の中に生まれ、それでもようやく魂の伴侶を見つけ、授かった子どもを失うという不幸に見舞われても共に生きていこうと誓い合った二人が、終いには互いへの愛に縛られるがあまり病み疲れるまでに疲弊しきっていく様は本当に悲惨としか言いようがない。お互いを愛しているからこそ離れなければならない、それこそ「愛」という輝かしいイメージがまるで呪詛のように二人を追い詰めて行く描写は見事だ。そこで別れいく明と暗も。前者に属するラクリゼは、「女神の花嫁」としてカリエを守る人生を選び、後者を選んだサルベーンは、愛しい人の憎悪を引き受けてまで流血女神の意思を全うする運命を取った。女神の祝福を受けられたものと、受けられなかった者、女と男、憐れみと嫉妬のあらゆる分岐点が二人の愛を完膚なきまでに叩きのめしてしまったことが悲しい。どちらが悪いとも言えない。どちらがうまくやったとも言えない。相手をも自分をも許すことができないために消えないしこりを抱えたまま、けれども女神の見る未来のために永遠に平行線をたどらざるを得なくなってしまった二人のことを思うと、作者はどこまでキャラクターを苛めれば気が済むのか、と気の毒に思ってしまうと同時に、これだけ複雑な絆のあり方を描き切った作者の技量に感服してしまった。もしラクリゼとサルベーンの背後にこれだけの感情のうねりがあることを、それこそ『帝国の娘』を書く前からはっきりと意図してシリーズを進めていたのだとしたら本当にすごい。これまではルトヴィア帝国を中心に、東のエティカヤ、北のユリ=スカナと平面上にすそ野を広げていった流血女神の世界が、今回初めて過去にさかのぼって「時間」という垂直の軸を得たことで、一気にその立体性を増した厚みのあるものになったと思う。結末は悲劇的だけれど、これがあると思えばまた以前の2作品が違った角度から見える。『帝国の娘』と『砂の覇王』を読み終わった時点で理解できたと思っていた物語空間に、実は読者もまだ知らなかったより深い領域があることの発見、また作品を読むことを通じてどんどんその奥に引きずり込まれて行くような感覚は快感だ。私が思っていた以上に流血女神伝の世界が奥深いことを思い知って、長丁場に疲れ始めていた心が一気に次タイトルへと向いた。なお早く次を読みたいと焦る気持ちから、私は『女神の花嫁 前・中・後』→『暗き神の鎖 前・中・後』と読み進めなければいけないところを、『女神の花嫁 前編』を読んだ後には『暗き神の鎖 前編』という風にそれぞれ交代交代に読み進めていったので、残すところはあと『暗き神の鎖 後編』の1冊のみなのだけれど、個人的にこれからこの2タイトルを読まれるという方には同じ読み方を強くお勧めしたい。二つの作品を横断する秘密や謎が、それぞれ1冊ずつ読み進めていくことでまるで追いかけっこするようにゆっくりと姿を現していく様子がリアルに体感できるからだ。

    正直なことを言ってしまえば、まだ「女神の花嫁」というキーワードの真意を理解できていないような気もするけれど、でも前作ではサポーターとして終始脇に引き下がっていたラクリゼやサルベーンが、どのような決意や苦悩を抱えて行動しているかということが分かるだけでも、一読の価値がある3冊だと思う。なんとなく苦手だなぁと感じていたサルベーンも、これを読んで好きになるという人はあまりいないだろうが(笑)ラクリゼに対する信仰と挫折を思いやるにつけても、彼の数奇な人生を理解しようという心は生まれるかもしれない。そうして、忘れちゃならないキーパーソン、アデルカは本当に良い奴だ。良い奴すぎて、何の報いも得られないまま孤独な死を迎えてしまったけれど、彼の犠牲が後の女神の復活を巡る凄惨な運命に一筋の光明を灯したのだと思えば、人が生きること・死ぬことの意味とは一体どのようにして決まるのだろうと感慨深い気持ちにさせられる。それでも、彼が満足を得て死ねたことだけが救いだった。それが正しいかそうでないかは別にしても、自分の人生を丸ごと誰かのために捧げた人間の死に様というのは、それだけで神々しい何かを感じさせるものだ。

  • まぁなんですか。
    もちろんいろいろときめきました。男装に。ラクリゼの苦悩とかに沿わんといかんな、と思いつつ。

    いや、だってレイザンがー。<なんだというのか

  • もう一人のヒロイン、ラクリゼの少女(つーか少年?)期からギウタ皇国滅亡に至る日まで。

  • 女神によってザカールの長老(クナム)の子どもは男と決められていた。しかし、九九九番目に生まれた子どもは女だった。
     女ということを隠し男として育てられたラクリゼは、父親に認められようと必死だった。ある日、村に外からの者がやって来た。村には結界が張られ、それを通れるのは限られた者のみ。結界を通って来たのは、ザカール人の琥珀を持つ、ラクリゼと同じくらいの少年サルベーンだった。
     外を知らないラクリゼと、外の世界から来たサルベーンの、出会いから旅立ちまでの話。

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