炎の蜃気楼シリーズ(39) 神鳴りの戦場 (コバルト文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086003360

作品紹介・あらすじ

熊野が炎に包まれ、大斎原が鳴動を始めた。伊勢では礼に換生した信長の手によって禁忌大法が成就し、内宮が陥落した。大混乱の中戦況は厳しくなるが、やがて純白の十二単をまとった乙女たちが戦場に降りてきた。降臨した歴代斎宮による大祓えが始まり、怨霊たちの殺気を鎮めていく。巨大な力を手中に収め、幻宮に入った信長。布都御魂を取り戻し、礼を救うため、高耶は幻宮へ。

感想・レビュー・書評

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  • タイトルの如く、一巻まるまる戦場でのお話でした。
    まず高耶さんと譲の共闘は譲の最大の望みであり願いだったのではないでしょうか。思えば一巻で高耶さんが戦うのを決めたのは譲のため。2人ともお互いのことを全力でおもいあってて、ほんと「親友」だったんだなあ、と。
    景勝と景虎としての2人だけでなく、譲と高耶さんだからこそ、育んだ友情もあったのかもしれません。
    そしてチーム夜叉衆。
    色部さんと高耶さんが和解してよかったです。千秋さんもなんやかんやで一番高耶さんの力を認めてるし、いいコンビだったなあ、と。
    もしかしてこれが最後のチーム戦になっちゃうんでしょうか。こ、怖い。
    とうとう残すところ、あと一巻。
    泣いても笑っても、あと一巻です。
    少しでも皆が笑ってられるエンディングがみたいな…!

  • 炎の蜃気楼39

    いよいよ話が終わりに近づいてきた感がある。

    信長の『国譲り』が成就したけど、突然とびこんできた徳川家康の霊獣におさえこまれてしまった。

    高耶はもう瀕死みたい。

    次回は最終巻だ。

    回収してない伏線は、那智の者についてと、高坂弾正の原名かな。

    高坂は聖徳太子かなあ?でも1200年前だと時期があわないな…。

  • これだけ大騒ぎになって、現代人が事態を無視するというのも
    現状維持バイアスだけでは説明のつかないところで、
    日光あたりから徐々に一般人との関わりも描かれてきたが
    それがここにきて大きな意味を持つようになってきた。

    怨霊を減らすには不幸な死を減らすこと。

    この言葉にははっとさせられた。
    幽霊の存在について知人と話した時、いるかいないかというよりも
    酷い殺され方をした人が化けて出るくらい出来なかったら
    可笑しいという言葉を聞いて確かに、と思ったことがある。
    そうして恨みを抱いてこの世に残った霊を無理矢理調伏するのではなく、
    そもそもそうした死を減らすこと。
    なくす、ではなく減らすという言葉にも、リアリティを感じた。
    残念ながらなくすことは難しいだろう。
    だが、少しでも減らすこと。そうすれば、怨霊の数も少しは減るかもしれない。

    「もっと早く信じることができていたなら<裏四国>なんて生まずに済んだのかもしれない」
    という言葉が響いた。


    譲の人格が残っているのかはっきりしない描写の中で
    すっと、一緒に戦えなかったことが辛かったという譲の言葉が出てきて
    ぐっときた。
    高耶の足を引っ張らない為には、力の無い自分は
    平和に平凡に日々を送っていると見せることしかないと思っていた譲。
    力があれば、共に戦えると思っていた譲。
    その気持ちが苦しく、痛かった。
    親友同志である高耶と譲が見られてほっとした。
    ふたりが共闘出来て、良かったと思う。

    共闘と言えば、千秋が「チーム夜叉衆」と嘯くところも良かった。

    しかし独眼『竜』にはちょっと驚かされた。
    氏康公の特権かと思っていたが。(笑)

  • 高耶も譲も直江も嶺次郎も、みんなみんな、悟りの境地。かっこいい。

  • 街中を戦国武将が駆け回って、空を斎王や龍が舞う世界なのに、その情景が鮮明に脳内で展開される不思議。

    高耶さんを核にしたそれぞれの繋がりの強さ、深さ、優しさに、ラスト1巻を残して既に泣いてる。

  • 斎王降臨。
    伊達さん、それは格好良すぎだよ…。
    N氏も何やらせても器用なんですね。

    役に立たなそうだな、などと失礼な感想を抱いた豊臣さん家の面々ですが、なかなかどうして活躍してらっしゃるご様子。
    長宗我部盛親に「なかなかやるな!」とか言っちゃう堂森さんがなんかかわいいぞ。

    千秋氏の「チーム夜叉衆」発言とか、譲が譲であったこととか、見どころ満載ですが、一番の見どころはタクシー代わりの氏康パパかもしれない。

  • ノーコメントで!(涙っ)

  • 炎の蜃気楼-39

  • 「――もっと早く、信じることができていたなら……<裏四国>なんて生まずに済んだのかもしれないな」
    -
    「親友だろ。おれたちは」
    -
    「戻ってきやがれ!俺ら率いられんのは、てめえしかいねえんだよ、景虎アア――!」
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    「世界を――信じようとしている……」
    -
    (……ありがとう。仰木)
    -
    汚せないものを守るためには汚れねばならない――。否定するものと闘うには否定されるべきものにまみれなければならない。その永遠のジレンマを、謙信もずっと味わってきたのだろうか。


    とうとう最終巻が目の前に……胃が痛いです。

  • 千秋〜、大好きー!!!
    「チーム夜叉衆」発言にテンション上がりました。

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著者プロフィール

千葉県生まれ、東京都在住。中央大学文学部史学科卒業。「風駆ける日」で1989年下期コバルト・ノベル大賞読者大賞を受賞後、90年『炎の蜃気楼』でデビュー。同シリーズは累計680万部を超える大ヒットとなる。他の著書に、今作を含む「西原無量」シリーズ、『カサンドラ』、「赤の神紋」シリーズ、「シュバルツ・ヘルツ」シリーズなど多数。

「2023年 『遺跡発掘師は笑わない 災払鬼の爪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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