伯爵と妖精 祝福の子か夜の使者か (コバルト文庫)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 29
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086016629

作品紹介・あらすじ

記憶をなくしたエドガーに改めてプロポーズされたリディア。嬉しく思いながらも、お腹の子のことを知られないよう神経を尖らせていた。そんな時、プリンスの組織に捕われたフランシスから助けを求める手紙が来る。文中に暗号が隠されていることに気づいたエドガーは、ニコとレイヴンを調査に向かわせた。一方、パトリックの依頼を受けてアウローラの故郷に向かったカールトンが見たものは…。

感想・レビュー・書評

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  • 記憶を失ったエドガーに改めてプロポーズされたリディアだが、未婚だと思われている自分のお腹に子供がいると知られては……そんな中、プリンスの組織に囚われているフランシスから手紙が。手紙の暗号をもとに調査に向かうニコとレイヴン。その一方で、リディアの母・アウローラの故郷に向かったリディアの父・カールトン教授が見たものとは…

    祝リディア懐妊確定!! いやはやほんと嬉しいけどそう喜んでもいられない事態。でもリディアがお腹の子を守るためにもう母親!って感じなのがとてもかっこいい。
    前にここで書いた仮説に、本当の青騎士伯爵とはシーリーコート・アンシーリーコートつまり善悪両方に通じる必要があるのではないのか、だからリディアとエドガーが一緒になるのがむしろふさわしい形なのだ、というのがありましたが、もうまんまビンゴでしたね。というか大方の読者さまがそう読んでるだろうけど…そう、光があれば闇があり、闇があれば光があるように、何かが独立して存在していることはないわけですから。
    リディアが妊娠してることにショックを受けるエドガーと、それ以降の二人のやりとりは読んでて実につらかった……いや最終的には見せられないよ的なことをやってるんですけど。こらこら妊娠中だぞ。はあはやくエドガーに元の記憶が戻ればいいなあと思う。戻らないまま終わるのなんてやだなあ。
    エドガーがポールの絵を見ていろんな記憶を取り戻しかけるところはすごい鳥肌きました。それとクライマックス、燃える列車の中カールトン教授を救うところで過去のシルヴァンフォードの最後の記憶がフラッシュバックして重なるところとか本当に巧みな演出で思い出しても鳥肌。よくある手法だといわれればそれまでですが、どうか失敗しないで! エドガー、今のあなたならお父さんを、もう一人のお父さんであるカールトン教授を助けられるよ! がんばって! 負けないで! と読みながら必死に応援していました。ここらへんは流れるように食い入るように読んでましたね。すごい入り込みました。もしかしたらはくよー読書中今までで一番のめり込んだかも。
    リディアが無事に出産出来るといいな。伯爵家のみんながいれば悪魔の子なんかうまれないよっ! 続きが楽しみです。

  • やっと今頃読み終わりました、既にシリーズは完結しているので
    待ち遠しい感じではありません。

    リディアの妊娠を知って、前巻で改めて求婚したエドガーは
    衝撃を受けて身を引こうとします。
    しかし、女王陛下からの依頼でリディアを守っている以上
    彼女を放り出すことはしません。

    折々に戻りかける記憶と、自分の中の愛情に反するような
    不可解なリディアの妊娠に悩みながらも、しっかりと事態に
    対処するエドガーはなかなか立派でした。

    むしろシリーズ中で一番彼が誠実にリディアを愛してくれた
    巻ではないかなと私は思っています。
    どんな障害があっても愛するなんて、
    口で言うのは綺麗ですがなかなか出来ません。

    だから彼にはちゃんと悩んで欲しかったので、
    納得の展開です。

    そもそもお腹の子供はエドガーの子なのですから
    ふたりの間がしっくりいくほうが、正直自然な流れで
    いつまでもプリンスを恐れて、記憶を無くしたままより
    しっかり乗り越えて記憶を取り戻して欲しいと思いましたから。

    地味な巻ですが、大事なお話だと思います。

    それと、列車事故で負傷したカールトン教授を救うエドガー。
    あの場面はグッときました。
    カールトン先生はなんでもない市井の幸福を象徴してる気がします。
    彼は彼で素晴らしい男性ですね。

  • エドガーの記憶は戻るのか?
    ラストスパートに入りました。

  • 泣けた!!
    よかったよーー!!忘れてても同じように一緒にいられるのね!!うれしい!なんども読み返しちゃう
    よかったなあリディア
    エドガー男を見せたなあ
    素敵すぎる
    思いだしかけてるのは気になるけど
    しかしパトリックが若くてびっくりした、、ぜったいおじさんだと思っていたよ

  • ネタバレしないように書くと、大変に焦点のぼけたレビューになってしまいますが…。
    最後に向かって、助走の段階はもう終わったのかもしれないと感じました。きっと、この本の時点で最終地点やエンディングは作者の中にあるのかなと。
    ここまで築き上げてきた各キャラクターたちの歴史が、強さと優しさを与えてくれています。ここ数冊分、似たようなことを書いていますが、全員がお互いのことを思いやって行動しているのに、毎回胸を打たれます。誰かが何かを決意してくれるたびに、「あなたならそうしてくれると信じていたよ」と感動します。長いシリーズだからこその感覚ですね。
    ケルピーが好きです。中盤からの彼は、ケルピー自身にも理解できない感情を持て余していて、良い意味で彼らしくない行動が増え、それについて違和感を感じなくなっていく彼は、最後にどんな景色を見るのでしょう。リディアに綺麗になったと口にした彼が見たのは、リディアの魂。じゃあ、アーミンの魂は?と思ってしまうのも、仕方ない。
    不穏な空気はずっと漂っているものの、きっとみんななら大丈夫、とも思える。最後まで楽しみです。

  • 【伯爵と妖精30作目
    】やっぱりエドガーの記憶は戻らないのかな~。
    戻りつつはあるみたいだけど...
    それにしても子供ができたってわかっても結婚しようとするエドガーって凄いな。
    しかもそんなに日にち経ってないのに。
    ユリシスはどうなってるんだ?

  • 久しぶりに続きを読んだので浦島太郎。
    エドガーは記憶があってもなくても役立たずですね(笑)なんかかわいそう。

  • 嘘をついてリディアをヘブリディーズへ連れ去った、いけ好かなかったパトリックだったけれど
    え、この表紙のイケメン誰ですかー!Σ(□`*)的な。
    彼がアウローラの弟だと判明したのも、わたしとしては驚いた部分。もっと若い、リディアと同年代ぐらいだって、なんだか勝手に思いこんでた。。。
    イブラゼルへの入国を果たせなかったパトリック。
    その地を踏んだ、エドガーとリディア。
    彼にとってその現実は、これまでの考え方を改めさせるほどの、とても大きな意味を持っていたんだろう。

    列車事故に遭い負傷してしまったカールトン教授を、エドガーが救出する場面はぐっと来た。
    理屈を超えた、心からのことば。
    プリンスの記憶が抜け落ちてしまっているからか、
    今までの口八丁手八丁が嘘みたいな(笑)真っ直ぐなことばだった。
    これがエドガーの本質?
    だからリディアは彼を愛したんだろう。

  • シリーズ第30巻。
    パトリックがちょっと好きになる。
    エドガーとリディアがまた結ばれることも嬉しいし、エドガーがカールトン教授を助けるシーンに感動しました。

  • レイヴンとケリーに萌えつつ、やっぱり主人公カップル強し。

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著者プロフィール

三重県出身。『パラダイスルネッサンス楽園再生』で一九九七年度ロマン大賞佳作に入選しデビュー。「伯爵と妖精」シリーズ、ベストセラーとなった「思い出のとき修理します」シリーズ、「異人館画廊」シリーズ、『がらくた屋と月の夜話』『まよなかの青空』『あかずの扉の鍵貸します』『ふれあいサンドイッチ』など著書多数。

「2023年 『神さまのいうとおり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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