英国マザーグース物語 哀しみのロイヤル・ウエディング (英国マザーグース物語シリーズ) (コバルト文庫)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086016759

作品紹介・あらすじ

19世紀末、ロンドン。殺人床屋に関する有名な都市伝説を記事にすることになったセシル。取材を続けるうち、床屋は実在するのではという疑惑を抱いて…!?また、アッシュフォード家に一大イベントが訪れた。皇太子妃のアレクサンドラからお茶会に招かれたのだ!あたたかい人柄と、絶世の美貌に恵まれた皇太子妃。だが、彼女の結婚生活は決して幸せではないことを知ってしまったセシルは…。

感想・レビュー・書評

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  • 取材で女装(?)する事になったセシルを見たジュリアンの反応は要必見です!このシーンから先に進めず何度も読み返してしまいました(笑)。
    モールス信号のヒントはアルファベットです。この意味が分かると、ジュリアンが既にセシルに抱いてる気持ちが分かって感動もひとしおです。

  • 歴史小説の上に少女小説のレイヤーが重なるようなバランスが面白いと思う。あやしげなキャラが新たに登場し、不穏な気配が忍び寄ってきている感じ。

  • ミステリとしての道具立てを
    少女向けの部分と時代背景の描写で
    うまく調立しているのが読み味
    お互いをひきたてあうつくりに感心

  • 女の子であることを隠して、記者の仕事を続ける令嬢のセシル。その相棒は、実は兄に決められた婚約者だが、彼もその身分を隠していた。やー、面白いっ!このシリーズいいわ~。最近コバルトでいまいちよいシリーズがなくなってしまった感があったのだけれど、これはおすすめシリーズになりそうです。ラブコメもいいけど、ミステリ(日常の謎)もありで、かつ「いま」がもうすぐ終わってしまうことが保証付きなのが、スリリングさ+刹那のこのときの大切さ、さみしさを増長してよいです。

  • 19世紀末、ロンドン。
    見習い記者セシルはパートナー絵師ジュリアンとともに殺人床屋に関する有名な都市伝説の取材を続けるうち、床屋は実在するのではという疑惑を抱き…
    また、アッシュフォード家に一大イベントが舞い込んだ!
    皇太子妃アレクサンドラからお茶会に招かれたのだ。あたたかい人柄と、絶世の美貌に恵まれた皇太子妃。だが、彼女の結婚生活が決して幸せではないことを知ってしまったセシルは…
    シリーズ第3巻。

    第1話 都市伝説はお好きですか?
    スウィーニー・トッドとミート・パイ。生き別れ母子の再会。
    第2話 海を越えた姫君たち
    皇太子妃とのお茶会と降霊会に潜入取材。
    第3話 哀しみのロイヤル・ウエディング
    もうひとつの政略結婚と遊覧船事故の真実。

    殺人床屋ってもう少し近い時代だと思ってた-
    パイが美味しそう!

    第2話と第3話は実質ひとつながりのお話。
    降霊会だ-これもヒストリカルでよく見る題材だ-
    政略とはいえあまりにも母国に心置きすぎではなかろうか…とも感じる…
    女性の行動がかなり制限されてた時代だから、逃げ場もないしね…
    趣味や社交に生きるにしても金銭面でも女性には厳しい時代だしね…

    ライトノベルとはいえ、あとがきにもあるけど風俗や時代背景が、当時の結構悲惨な状況(前巻の貧窮院とか死体の処理、今巻の政略結婚)も描かれていてしんみりしちゃう…
    義眼、というと、あの彼なのかな?まぁ絡み方からして再登場しそうだったしな-

  • ひとつのこらずたべちゃった
    ペニイローフ ペニイローフ
    ひとつのこらずたいらげた
    そのこのなまえはウィリー・ウッド
    And he ate up all the pennyloaves,
    Pennyloaves, pennyloaves,
    And he ate up all the pennyloaves
    And his name was Willy Wood.
    *
    三びきのちいさなこねこ
    てぶくろなくして なきだした
    どうしよう おかあさん
    ぼくたち てぶくろなくしちゃった
    Three little kittens,
    They lost their mittens,
    And they began to cry,
    Oh, mother dear, we sadly fear
    Our mittens we have lost.
    おや! てぶくろなくしたのかい?
    なんてわるいこねこたち!
    それならパイはあげません
    にゃあ にゃあ にゃあ
    ないても パイは あげません
    What! Lost your mittens.
    You naughty kittens!
    Then you shall have no pie.
    Mee-ow, mee-ow, mee-ow,
    No, you shall have no pie.
    (The three little kittens,
    They found their mittens,
    And they began to cry,
    Oh, mother dear, see here, see here,
    Our mittens we have found.)
    *
    はいいろがんの つがいが
    つばさをそろえて やさしくはこぶ
    よきおうの むすめを
    きしがひとつの かわをこえて
    Gray goose and gander,
    Waft your wings together,
    And carry the good king's daughter
    Over the one-strandriver.
    *
    なんのゆめをみたんだろう? おもいだせない どうしても
    ゆめのかけらは もみがらみたいにとびまわる だけ
    だけどふしぎ ただただこころが くすぐったくて
    ぼくはわらいをとめられない
    What did I dream? I do not know:
    The fragments fly like chaff.
    Yet, strange, my mind was tickled so
    I cannot help but laugh.
    *
    わたしたち いつけっこんするの
    ねぇ わたしのすてきなビリー?
    それならあした けっこんしよう
    もしもきみが そうしたいなら
    もっとはやくしては いけないの
    ねぇ わたしのすてきなビリー?
    きみはこんや けっこんしたいのかい?
    このこはまったく どうかしてる
    When shall we be married,
    Billy, my pretty lad?
    We'll be married tomorrow,
    If you think it good.
    Shall we be married no sooner,
    Billy, my pretty lad?
    Would you be married tonight?
    I think the girl is mad.

  • シリーズ3巻目。
    都市伝説と皇太子妃とのお茶会とロイヤルウェディングの3つの話が収録されている。
    2話目ではこれからの話のキーマンになるであろう新キャラ登場。妖しい魅力満載(笑)セシルにもちょっかい出してきそうな感じ。どうするジュリアンww
    哀しみのロイヤルウェディングの話はレディ・ルイーゼの境遇が悲しすぎてコバルトにしては深刻な内容だよねって思う。ルイーゼに自分の母親の姿を重ねていたセシルにとっても辛い事件だった。
    重い内容だったからジェフリーとサミーの緩く軽い会話内容に和んだ(笑)

  • 仲良くなってきたけど、セシルよりジュリアンの方が素性が怪しすぎませんか?(笑)
    敵方のキャラも魅力的でいい。ジュリアンにはもっと攻めていただきたいですね。

  • 2巻よりは気持ち持ち直したような気がするのは
    セシルの心の変化が描かれているからかな?

    やはり根柢にある恋愛模様は必須なので・・・。

    引き続き謎に興味を持てないのは、
    マザーグースの話をいまいち知らないからだろうか。

    二人の関係が、進めばもう少し楽しさも
    Upするようにも思うが。

    あと、基本的に終わり方が完全なるハッピーでないのは気になる。

    ヴィクトリアンローズテーラーの絵だから気になるのだろうか。

  • これはセシルの縁談の話だけど、長兄ダニエルに浮いた話は無いんでしょうかね。彼は結構、それこそジュリアンよりはモテそうな気がするんですが。

    ジュリアン関係のことで本気で悩み始めたセシルを見ていると、何だかだんだん可哀想になってきた。これ完全に道化だし…。いつかバレた時に、蓄積した好感度がセシルのビンタと共に吹っ飛んでも文句言えない所業をしてると思う。
    まぁセシルも、クリストファー見ていきなりジュリアンと比較しだしているあたり、擦れてきている気がしないでもないのでアレだけど。

    アメリアが再登場しててよかったけど、ベスさんの出番が反比例しそうなのが何とも…登場人物紹介にデカデカといるのに今巻全然出てないし…。

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著者プロフィール

東京都出身。東京音楽大学器楽科ピアノ演奏家コース卒業。『始まりの日は空へ落ちる』で集英社ノベル大賞受賞。本書は大英帝国を舞台に若き日の小泉八雲の活躍を描いたホラーミステリー『奇譚蒐集家 小泉八雲 白衣の女』(講談社文庫)の続編にあたる。他の著作に、本シリーズの前日譚「ふりむけばそこにいる」シリーズ(講談社タイガ)、「王女の遺言」「倫敦千夜一夜物語」シリーズ(ともに集英社オレンジ文庫)、「英国マザーグース物語」シリーズ(集英社コバルト文庫)などがある。


「2022年 『奇譚蒐集家 小泉八雲 終わりなき夜に』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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