炎の蜃気楼シリーズ断章/番外編 最愛のあなたへ (コバルト文庫)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086116176

感想・レビュー・書評

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  • 『まほろば~』と『覇者の〜』を続けて読んだら、いきなり2人が険悪になってるのでびっくり。
    あとがきにも「これは本編です」っていってるぐらいなので、巻号で5.5くらいうっててほしかったです。

    『最愛のあなたへ』
    直江さんがどんどん変態になってる…
    前巻まではまあまあ隠してた本性が徐々にほころびでているというか。ミラージュって多分、直江さんの葛藤がなかったら、ふつうのサイキックアクションモノで終わってた気がします。この話からなんだかお話の色が変わったような…だから断章なのか??
    これから2人の愛憎どろどろが深まっていくかとおもうと怖いような~

    『凍てついた翼』
    なんだか時代を感じるヤンキーものですな(笑)尾崎豊の歌の世界のような…
    譲と高耶さんの出会いの物語。こうみると譲って稀有な存在。2人の友情は片方だけではあり得なかったのだと感じます。
    それにしてもやっぱり高耶さんは孤独で誰かに甘えたかったんだなーとおもいました。それを直江さんに求めたのが、そもそもの間違いだったのか

  • 【最愛のあなたへ】早百合姫の怨霊を受けて佐々政成は死ぬ。納得いかない高耶に直江は口付ける。佐々の遺体処理後、離れようとする直江は高耶の涙を見てまた口付けるが、己の想いを嘘と告げ、泣いて彼の元を去る。
    【凍てついた翼】中2。シンナーでラリって父を殺そうとした晩、譲に自分の弱みであるナイフを見られ高耶は困惑する。先輩格の三井にクスリを打たれてガレージで寝た朝、譲が迎えに来てラーメンを奢られる。譲を追い払うも付いてくる道すがら家裁の調査官の葛西と会った後、三井が高耶を絞めた先輩達に焼き入れたと知る。荒れていた父が落ち着きだした頃、麻薬所持密売容疑で高耶はむりやり署へ引き立てられ否定すると暴行を受ける。釈放されたのは三井の自白と譲が焼き入れされた先輩の嘘のタレコミを吐かせたためだった。

    劣悪な家庭環境で誰にも甘えられないでナイフみたいに尖ってた高校生の高耶が、10個も年上の自分を主人だとするしっかりして見える人が側にいたら甘えて当然じゃないか。頼れる兄ができたと思うのが普通じゃないのか。彼のひどい生い立ちを知っているのにそれに性欲を感じたり高耶が悪いみたいに言う直江はマジキチだと思う。そこで理性が働かない此奴はやばいと思う。そういうヤンホモならそれはそれでいいんだけどやっと信頼できた大人に性対象と見られてたことを知る高耶が可哀相で痛々しくてもう‥‥とにかく直江のクズっぷりに引いて仕方ないので少し休む。
    その落差のような譲の仏っぷりでした。ぐう聖‥‥

  • 断章と銘打たれつつも歴とした本編。
    自分はこの辺りから、徐々についていけないかもと思いだしてきた巻である。
    直江が好きな人には逆にここから、という感じだろうと思う。

    歴史部分では佐々成政が再登場し、小百合姫に対し生前犯した罪を
    今生で償うことになる。
    転生した今生ではなく換生であるが故、罪の記憶も確かであり
    だからこそ逃げずに向かっていく佐々と、愛しているからこそ憎く、それでいて愛しているという
    小百合姫の複雑な気持ちの描写がとても切なかった。

    中学時代の高耶が主人公の短編『凍てついた翼』も、他の話とは一風変わっており
    それでいて高校生の高耶を知る上で非常に大切な一編。
    譲との友情がこうして育まれていったのかと思うと微笑ましくもある。

    だからこそ、『最愛のあなたへ』で高耶が置かれている立場が気の毒にも感じてしまう。

  • ヤバいとは聞いていた番外編「最愛のあなたへ」。
    マジで直江氏が辛抱たまらんくなって暴走してしまっていた…。
    わ、私は一般向けコバルト文庫を読んでいたはずなのだが…めちゃめちゃ真面目なBL小説始まってた…。
    思っていた以上に欲望を持った視線で景虎様を見ていたんだな、直江氏…。そんな…。

  • 炎の蜃気楼5.5

    富山編。小百合という生首の怨霊が、宿敵成政を倒す話。または、直江が犬を告白する話。短い。あまったページは、高耶が譲と会う話。

    直江がどんどん変態化していく。いいのか、それで?

    話がホモホモしてくるのは望むところなんだが、いまいち萌えない。

  • とうとう狂犬が覚醒した今作!断章としながらも5巻と6巻を繋ぐ立派な本筋の番外編。

    『最愛のあなたへ』
    5巻で登場した織田方の武将・佐々成政と、その昔彼が手に書けた側室・小百合姫の愛憎劇。に絡めた、直江の景虎に向けた名前の付けられない想いを吐露する重要な話。初読の当時は、純粋にサイキックアクションとして読み始めた作品が徐々に腐っていく過程を、恐ろしくも「この展開を無意識にかぎ分けた自分の嗅覚が恐ろしい!」と戦慄を覚えたこの話。
    あの頃は、直江のこの苦しみが本当の意味で理解出来ていなかった気がする。もしかしたらいまも『理解したつもり』なのかもしれないけれど。愛しさと憎しみの背中合わせな存在感はわかる。いっそ狂えていたら楽になっていただろう事も。
    まだ直江に振り回されるだけの高耶が可哀想なんだけど、ここで一向宗と対面した事により『女王・景虎』も目を醒ましたよ(笑) 2人の精神的なバトルが幕を開けてしまった、記念すべき話…( ;∀;)
    佐々成政と小百合姫の話は、涙なしには読めなかった。悲しすぎる史実だけど、蜃気楼で『その後』が書かれた事で少しでも2人が救われたら良いな…とか、都合良くも思ってしまった。

    『凍てつく夜に』
    高耶が一番荒れていた、中学時代の話。いま読むと一昔前のヤンキー色が微笑ましいと感じるけれど(笑) 高耶が誰も信じられず、でも一番ぬくもりを求めていた頃のアンバランスさがいとおしい。
    譲とのなれ初めの話しでもあり、『最後の~』で高耶が語る「なりたい職業」にまつわる話でもある。ここから考えると、随分遠いところへ来てしまったんだね高耶…(涙)

    蜃気楼ファンを叫ばせ萌えさせ涙させた、その後の展開への大きな分岐点になった1冊。

  • 直江の変態ぶりが開花。ずっと見守ってゆきたいです。

  • 佐々成政と小百合姫の哀しいお話。
    成政の姿に自分を重ねてしまう直江が切なくて…。

    成政の愛に涙しながらも、覚醒してしまった直江があまりにもあれでちょっとどうしようこの人ほんとに本物だったの?って驚愕した初見当時(高校生)。

    記憶なくした景虎から発せられる言葉の数々に直江の我慢も限界。
    無知って罪。
    知らないって本当に恐ろしい。
    どうやら自分の存在自体が直江を苦しめてる現実に打ちひしがれるけど、あんなことされちゃって高耶さんますます大混乱。
    それぞれ涙する2人が痛々しい…。

    かの名台詞、やっぱいつ目にしても名言すぎて!笑

  • 間違いなく人生に大きな影響を与えた1冊です。

  • とりあえずここまで一気に読んだ。高耶さん素敵だよ高耶さんんんんんんん!!!(中学時代の高耶と三井のお話が好きすぎて、薄い本を探してしまいそうな勢い)

    でも、直江は…いったいなんなの…。400年の時間を生き、換生してもなお解かれることのない直江の妄執がこわいです。

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著者プロフィール

千葉県生まれ、東京都在住。中央大学文学部史学科卒業。「風駆ける日」で1989年下期コバルト・ノベル大賞読者大賞を受賞後、90年『炎の蜃気楼』でデビュー。同シリーズは累計680万部を超える大ヒットとなる。他の著書に、今作を含む「西原無量」シリーズ、『カサンドラ』、「赤の神紋」シリーズ、「シュバルツ・ヘルツ」シリーズなど多数。

「2023年 『遺跡発掘師は笑わない 災払鬼の爪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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