炎の蜃気楼シリーズ(7) 覇者の魔鏡(中編) (コバルト文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086116657

感想・レビュー・書評

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  • すっごくおもしろい。
    鏡に捕らえられてしまった高耶(景虎)を救出に来た直江。

    直江が、重い。思いが重い。非常に粘着質で執念深い。あと、ネガティブ。

    ああああああああもおおおおおおおめんどくさいな、いいからお前らさっさと二人で話し合えよと思った。

    炎の蜃気楼にいまいち萌えないと思って読んできたが、ここにきて萌えのツボが分かった。

    直江に感情移入すればいいんだ!

    直江を、主君への愛をこじらせた痛い奴(変態)と思って読むと、萌えない(←今までこれだった)。

    直江を、主君への報われない愛で苦しむ薄幸の美青年と思って読むと、萌える(←イマこれ)。

  • 綾子は直江の代わりに日光へ。そこで麻衣子と出逢う。綾子も美人とされているのだなあと今更思いました。
    小田原にきて北条氏に捉えられた直江は犭恙鏡に魂を奪われた高耶の身体に引き合わせられ、寝返る証に身体を殺すように命ぜられる。
    鏡の中から景虎はかつての裏切りの部下・遠山に犭恙鏡盗出を命じる。
    千秋は成田を目指し日光へ行き、綾子と合流する。成田譲奪還のため北条の屋敷へ奇襲をかける彼らだが、『六道界の驚異』は目を覚ましてしまった。
    高耶の纏っていた『命もたせの法』を直江が解き、翌日『矢立ての杉』に景虎の霊魂を封じ込める儀式が始まる。けれど直江は裏切ってはいなかった。命からがら氏照を調伏し、犭恙鏡と高耶の身体を奪還したところで雄の犭恙鏡を持つ風魔小太郎に、鏡の中で永遠に景虎と過ごすか彼をよみがえらせるか二択を迫られる。

  • 前編を読んだときには、ここからどうやって巻き返せば良いのかと
    中々に絶望的な気持ちになったのだが、そこは景虎様。
    㺊鏡の中から姿を投じ、思念派を送りして大将としての底力を見せてくる。
    この辺り、読んでいてわくわくした。
    冷酷、裏切り、など戦国時代とはこんな感じだったのだろうかと思いもした。

    氏照の兄としての思いが、この巻も非常に切ない。

  • 魔境に捕らわれピンチかと思われた高耶が、鏡を介していろいろ画策し始めた(笑) 夜叉衆に指示を出したり過去の裏切り者を脅迫して従わせたりするんだけど、なんか…「これが『女王・景虎』なんだろうな」っていうか、相手によって態度違いすぎて。高耶が本当に可愛く、懐かしくすら感じた巻だったわ…。

    晴家に対しては毅然とした態度で指示を与え、直江にはしおらしい姿をみせ、裏切り者・遠山に対しては最大限の冷酷さで過去の傷をえぐり従わせる。いままでは片鱗しか見えなかった高耶の中の景虎が、高耶という肉体を封じられた事により景虎としての意識が目覚めた印象。
    冷静で計算高く緻密、だからかな…直江に2人の行く末を委ねても、直江が絶対「景虎を殺せない」という確信の上で、狭間で揺れ動き苦悩する直江の姿をみて喜んでいるようにしか思えなかった(笑) これはリアルタイムで読んでいた時にも感じたから、私の景虎に対する見方の問題かと思ったけど、どうなんでしょう( ̄^ ̄)

    しかし氏康パパ、やっぱりカッコイイな!ダイナミック過ぎる(笑) 北条一族の登場で、景虎はたくさん苦労しただろうけどいろんな人にちゃんと愛されていたんだなぁ…と感じられて、少し幸せを感じたよね。養子に出さねばならなかったパパや氏照兄の決断や苦悩は、読んでいてやっぱり切ない。
    その償いのような選択肢を直江に委ねちゃうのはいかがなものかと思うけど(笑) この展開で後編待機はツラかったですよ…(`;ω;´)

  • 高耶を助けるのはやっぱり直江。
    高耶は囚われの身だけど、鏡の中から登場。この存在感たらないわ~。
    いいな、兄弟愛。

  • 高耶さんは鏡に囚われたままなのに、やたら暗躍してて存在感ありまくり。カリスマ性が光る。かっこいい。遠山さんを脅迫するとこなんて怖すぎましたし。

    登場人物は沢山出てくるけど、それぞれがそれぞれの事情を抱えてて裏切り裏切られの連続。戦国っぽい!調略に次ぐ調略!

    そして……問題の直江さん。
    最初で最後の理想郷を目の前に、葛藤葛藤葛藤…。
    ヤケクソになった直江は高耶さんにあんなことしたいこんなことしたいと氏照兄にぶちまけ、この男が弟にとって本当に必要なのかどうか悩む兄上。直江の妄執は他者をも巻き込み始めましたよ…怖い。直江怖い。
    人は400年も生きるとこんなにも複雑な感情を抱くんでしょうか…(苦笑)
    もう好きなら好きでいいじゃーーーん!!…って言いたくなるけど、ぐるぐる回るのが直江なので仕方ないのかな。
     
    究極の選択を迫られっぱなしの直江、どこまでも苦悩の人。どうする?どっちを選ぶの、直江ー!

  • 箱根。

    直江のリビドーが怖すぎて最早笑ってしまうレベル。

  • 高耶さんというか景虎様が超暗躍してる中編。
    直江さんが色んな葛藤でわけわかめになってます。なんでこんなややこしい感情を抱いているのか、2人の過去に何があったのか、別の意味で恐怖にかられる巻です。
    てか実兄の前で超セクハラ発言してるし。殴られて当然だ!
    眠ってる高耶さん儚すぎてお姫様のようですが、後編で起きて活躍してくれるかな~

  • 2011年1月19日読了。2011年12冊目。

  • 氏照兄さんは良い人だ。
    高耶さん鏡の中で暗躍の巻。

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著者プロフィール

千葉県生まれ、東京都在住。中央大学文学部史学科卒業。「風駆ける日」で1989年下期コバルト・ノベル大賞読者大賞を受賞後、90年『炎の蜃気楼』でデビュー。同シリーズは累計680万部を超える大ヒットとなる。他の著書に、今作を含む「西原無量」シリーズ、『カサンドラ』、「赤の神紋」シリーズ、「シュバルツ・ヘルツ」シリーズなど多数。

「2023年 『遺跡発掘師は笑わない 災払鬼の爪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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