炎の蜃気楼シリーズ(8) 覇者の魔鏡(後編) (コバルト文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086116855

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  • 炎の蜃気楼8

    日光編完結。アクション多め、直江と高耶の関係は進展なし。

    続きを早く読みたい。

  • 高耶を生き返した直江だが、高耶に「オレにどうしろっていうんだ」と問われるとひどい言葉を使い「あなたには何の期待もかけていない」と言う直江。
    犭恙の子供に監視されている千秋と小十郎だが、千秋は犭恙を傀儡術にかける。
    犭恙鏡の中で犭恙に同調した高耶と千秋の犭恙で日光に攻め込み、東照大権現を前にも高耶は軍神・義父の謙信を擁して説得する。
    小太郎VS直江で雄の犭恙鏡破壊。氏政VS景虎で雌の犭恙鏡破壊。
    叔父さんに助けられて高耶は一命をとりとめる。
    しかし譲は織田の生まれ変わりと成ってしまった印を額につけられていた。
    直江は「甘えないでください」「仕事ですから。これからもあなたの補佐は続けます。部下としてそばにいることはあるかもしれませんが、プライベートまでは関わりません」と告げる。

    少しだけ直江のスタンスが分かったような気もした巻でした。色欲のある目で自分は見ている、という前提を伝え、それを受け入れるのでなければ甘えることも許さない、ビジネスライクに《闇戦国》を戦うときだけの関係、と線引きしているわけですね。いやこれもすんげーわがままだと思うけど、きちんとした一姿勢ではあるので、それを提示されていて、少しもやもやが解消してスッキリしました。

    ところで権現思想や本地など、神仏習合思想を自然と扱っているなあとこの前それをテーマの本を読んだので箱根神社の護界法あたり興味深く読みました。戦国時代は廃仏毀釈令の前でしたから神仏混淆が自然だったのだなあ。戦国武将がどこまで神仏に帰依していたか、調べると面白そうです。

    他の方も書かれていますが、ともかく読ませる勢いはある文章。この勢いに乗って突っ走りたい。

  • 理想郷だと思ったものを手放して一緒に生きていたいと思ったはずなのに
    どうしても直江が今生で踏み出してしまう前の関係には戻れない。
    もどかしく感じる。

    こちらの味方として動いてくる㺊が可愛らしい。
    眠り猫など霊獣の活躍が楽しく、日光東照宮やいろは坂へ観光へ行くと
    いろんな邪念が出てきてしまう。(笑)

    帰りたいという気持ちを抱いていながら、北条と敵対し
    兄と戦うことになる景虎が気の毒でならない。
    氏照との対比のせいか、氏政がかなりシビアな人として描写されている中
    氏康の父としての包容力ある優しさが救い。

  • 高耶、直江のラブラブ攻撃に逃げ場なくなる。
    こんなに追い詰めちゃ、ダメでしょ。
    続きが楽しみ。

  • 理想郷を手にしながらも最後にはやっぱり「このひとと生きていたい」と願ってしまった直江が切ない…。
    高耶さんの「ありがとう…」に涙したのに、直後にはまたいつものいがみ合い。なんなの。直高ってなんなの。

    あいつを失いたくない、景虎に戻ればあいつのことを考える資格が得られるんだろうか…とそんなことを思うまで高耶さんを追い詰めた直江。
    でも高耶さんはそんなこと口にしないから!
    もっと素直になって本音をぶつけ合えば少しは分かり合えるはずなのに、それをしないのが高耶さんと直江。
    お互いこんなに愛し合ってるのに!求め合ってるのに!
    なんでこじれるの。
    もどかしい。もどかしいよっ!

    中編とは打って変わってあちらこちらで派手なバトルが繰り広げられた後編。
    やっぱり一致団結して敵に立ち向かう夜叉衆、かっこよすぎです。
    景虎様の統率力、半端ない…!

    氏政兄も本当は三郎が可愛いんだと思うんだけどね、なんだか一人だけ野心剥き出しで空回ってる感があった。
    だからこそ余計に、氏照兄の弟愛には泣かされた。

    景虎様の「かえりたい…」がとても心にしみました。

    織田も高坂も謎だし。
    譲も大変だし。

    受難の日々は続く…

  • 日光。

    千秋と恙ちゃんに萌える章。高耶の「かえりたい…」には思わず泣いたが、最低すぎる直江から目が離せない。

  • 後編終了~
    景虎様の力もほぼ戻り、譲の正体のネタバレ?もあった今巻。
    景虎様とお兄様の対決が辛いです…氏照兄…。
    終章の高耶さんの独白や直江さに対する感情はすごくわかるな~。高耶さんがいままで生きてきて無条件の愛情をくれたり頼れる人っていなかったんだろうな~と、とっても切ない。

  • 2011年1月22日読了。2011年13冊目。

  • 図書館員がちょっと引いていたような表紙。借りにくいじゃないか。

  • 氏政兄さんがまるっきり小悪党でワロス。
    しかし一番可哀相なのは名前しかでずにお亡くなりになった氏規兄さんでしょうかね。

    N氏の葛藤ここに極まれり。
    この時の気持ちのままに「生きていてくれるだけで良い」みたいな大きな愛に発展は…しなさそうだな。

    東照宮で大暴れ。
    眠り猫が大活躍(敵方ですが)したのは猫スキーとしてはうれしいポイント。

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著者プロフィール

千葉県生まれ、東京都在住。中央大学文学部史学科卒業。「風駆ける日」で1989年下期コバルト・ノベル大賞読者大賞を受賞後、90年『炎の蜃気楼』でデビュー。同シリーズは累計680万部を超える大ヒットとなる。他の著書に、今作を含む「西原無量」シリーズ、『カサンドラ』、「赤の神紋」シリーズ、「シュバルツ・ヘルツ」シリーズなど多数。

「2023年 『遺跡発掘師は笑わない 災払鬼の爪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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