なんて素敵にジャパネスク 2 ―新装版― なんて素敵にジャパネスク シリーズ(2) (なんて素敵にジャパネスク シリーズ) (コバルト文庫)
- 集英社 (1999年4月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784086145695
作品紹介・あらすじ
『入道の変』の解決のために瑠璃姫と一緒に活躍した鷹男の東宮が、即位して新しい帝となった。だが、浮気グセは相変わらずのようで(?)、熱心に手紙や使者を送ってくる。それなのに許嫁の高彬は煮えきらない態度で、まったく頼りにならない。とうとうキレた瑠璃姫は、出家するために縁の尼寺に駆け込むが、その夜、実家の三条邸が炎上した。瑠璃姫を恨む何者かが放火したらしいのだが。
感想・レビュー・書評
-
再読
瑠璃姫が少女小説主人公として完璧
1、2巻を並べた時の美しさはただことではない詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
続きもので1巻より2巻の方が面白いと思える本にそうそう出会ったことがないので驚きました。
全体的に破天荒な主人公による全体のわちゃわちゃ感はありますが、1巻に比べどこか陰鬱で雅で美しい印象です。やはり最後の章は泣いてしまいました。
ーーーあそんでたもれー、瑠璃だよー -
久しぶりに読んだけど、マジで好きだわ。
漫画版が家にあり、それを幾度となく読んできたのですが、本が図書館にあったので再読がてら借りてきました(最近の図書館には氷室作品がいもうと物語しかない笑)。
なんででてしょうね、コメディを本にするのって滅茶苦茶難しいはずなのに、本のほうが漫画版よりも好きなんですよね、ジャパネスクに関しては。(勿論、漫画版も本の良さが残されつつ山内先生の個性が出てて好きなんですけど)。
氷室先生の力なんだろうなぁ。本当に本当に今の若い人にも読んでいただきたい。
ジャパネスク吉野の君編、題名が好きなので勝手に書き記しておきます。
一の巻 太秦へ
二の巻 初めての夜に燃えて
三の巻 あれは妖しき 美しき鬼
四の巻 暗闇に 鬼は妖しく囁く
五の巻 鬼は荷葉の女を喰らう
六の巻 人を愛する眼は青く 人を憎む眼は赤い
七の巻 高彬、鬼を斬る!
八の巻 み吉野に 雪は振りつつ
あ~~~~好き。
-
続き、続き。
-
こころがすかすかっとするお話…❁.*
はまりすぎて怖いよ。笑
悲しいくて、あたたかくてほんとに吉野君かっこよすぎて、(´・_・`)惚れ直したの♡
最初、鷹男のふぁんだったけど今は吉野君のふぁんだな〜(ෆ❛ั◡❛ัෆ)笑
続きがよみたいよーーー -
再読です
やっぱりこの巻は好きだなあ。
かいていばんはあとがきがちゃんと新たにかかれていてそれを読むのも楽しいです。 -
BOOKLIVE版にて。
この2巻が一冊の物語として、シリーズ中一番まとまりがあると聞いて。読み返し。
怒涛のロマンと活劇の連続で、胸を打たれました。
350枚程度だそう。いろいろ参考にしなくては。 -
東宮(とうぐう)廃立陰謀事件を解決した瑠璃姫(るり)。
東宮が帝に即位して政権交代と言わんばかりに騒がしい京の街。
新しい帝の浮気癖は相変わらずのようで、しつこく瑠璃姫に恋文が届く。
なのに、高彬(たかあきら)は煮え切らない態度で全く頼りにならない。
ついにキレた瑠璃姫は、出家するために尼寺に駆け込む。
だが、その夜、実家が炎上した。
瑠璃姫を憎む何者かが放火したらしいが…!
この巻は、瑠璃姫の初恋の君が登場するわけですが壮絶です!
とても残酷で救えない運命です。
初恋の君を救うために、自らも省みず奮闘する瑠璃姫がとっても健気。
どんなに想っても結ばれない運命ほど悲しいものはないですね。
高彬は序盤へたれ全快でホント頼りねぇ…と思わせるんだけど、最後は漢を見せてくれます。
高彬の株が上がる巻といっても過言ではありません!
やっぱ瑠璃姫には高彬が一番合ってるんだなーと思えるのも、この巻!
最後の高彬の台詞が最高です。
思わずほろりときます!
2巻は涙なくして読めない内容ですね。
ほんと切ない! -
“「右近少将、高彬さまに申し上げます。三条の内大臣のお邸、すべて焼失いたしました。三条の内大臣さま、御子息の融さま、御子女の瑠璃姫さまの行方は、まだわかっておりません。ただお一人、北の方さまは御無事ですが、煙で目を痛められた由」
「他には」
「不信な点が二、三あります。どうも放火らしいと専らの噂。そして、唯一焼け残った門柱に、呪詛状と覚しき札が打ちつけられていたとか」
あたしは息をのんだ。
呪詛状って、なによ。なんで、うちが呪詛されるのよ!
「何と書いてあった」
「焼け残ったところだけで、よくはわからぬながら――」
使いの者の声が、一瞬、怯んだ。
「『瑠璃姫 怨』と読めると……」
その瞬間、ゆっくりとあたしの意識が遠のいていった。
「少将さま、ただちに右大臣邸に戻られて、参内の御用意を!宮中より、急ぎ参内するようにとの御内意がありました。一刻も早く」
薄れていく意識の向こうで、使いの者の声、高彬の鋭い声、真剣な顔、二の姫のすすり泣きがこちゃごちゃになって、やがて静かに、何もわからなくなった……。”
吉野君、意外と出番が早かった。
今回はちょっと涙目。
“あたしは不安に襲われて、叫んだ。
「吉野君、約束して。吉野まで、必ず生き延びるって!」
「来てくださってありがとう、瑠璃姫。あなたはいつも、思ったことは必ずやり通す人だった。逃げてみます、逃げられるところまで。あなたも無事に、ここを抜けてください」
吉野君はそう言うやいなや、渾身の力をこめて馬の脇腹をこぶしで突いた。
馬は狂ったようにいななき、走り出した。
「吉野君!吉野で会うのよ。生きていて。きっと生き延びて!」
叫びながら振り返ると、萩の袿は煙の中、あたしを見届けるように動かなかった。
「ばかーっ、見送ってる場合じゃないでしょ。逃げるのよーっ。早くっっ」
あとはもう、煙が喉にからみついて、叫ぶこともできなかった。”