下鴨アンティーク 回転木馬とレモンパイ (集英社オレンジ文庫)

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  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086800242

作品紹介・あらすじ

京都、下鴨。高校生の鹿乃は、ぐうたらな兄と近くの大学で准教授をしている下宿人の慧と三人暮らし。亡き祖母からアンティーク着物を譲り受け、同時に蔵にある“いわくつき"の着物の管理も引き継ぐが…?

感想・レビュー・書評

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  • レモンパイめっちゃ食べたくなった。京都のあちこちを動くので、知ってるところが多くて楽しい。
    嵐山や宇治、東寺も行く。新たな登場人物、弥生さんに真帆ちゃんも出てきて人間関係に深みが出てきた。すぐ恋愛に繋げるのは少し疲れる。

  • 下鴨アンティーク、2作目。
    高校生の鹿乃が古い着物にまつわる謎に導かれる‥
    はんなりと綺麗で切ない世界です。

    京都の下鴨の古い屋敷で、兄と暮らす野々宮鹿乃。
    離れには、兄の唯一の友人で、近くの大学で教えている慧も。
    骨董商だが家ではぐうたらなだけの兄と、鹿乃を子供扱いするがいたって紳士的に見守る慧はどっちもイケメン。

    趣味で着物を着る鹿乃は、季節ごとにテーマを決めた着こなしを楽しむという今どき珍しい高校生。(今と言っても全体に古風な雰囲気なので、正確にはナン年なのか?という気もしますが‥)
    旧華族の家柄の祖母から受け継いだ美しい着物が、土蔵には詰まっています。
    その着物には、それぞれ秘めた由来があり、出してみると不思議な出来事が起こるのです。
    遠い悲しみや無念を解きほぐしていく優しい展開。
    杜若少年の話がかわいくて、好きです。

    金髪の美少女の突然の登場に始まり、鹿乃の友達と家庭教師、兄の良鷹の仕事先の元気な娘さんやら、まだまだ恋愛未満だけど~ちょっとニヤニヤしちゃうような、ほのかに甘い気配が漂います。
    互いを内心で思い合う、ほっこりした空気感。
    美味しい食事や趣のある品々の登場する物語にこのあたたかさが加わって、なんとも居心地良い世界になっています。

    だいぶ前に読んだので‥レビューはどうしようかと思いましたが、やや似た系統のシリーズが色々ある中で~これが一番好みかと思うので、プッシュしておきます☆

  • 祖母の遺した曰くつきの古い着物を巡って、様々な人生模様が映し出される
    ファンタジックでちょっぴりホラーな「下鴨アンティーク」2作目です。

    こちらの鹿乃ちゃんはちょっぴり頼りない....?う~ん...そうね..
    周りのみんなからはいろいろと心配されているみたいだけれど
    とっても高校生らしいなって印象の普通の女の子。それよりも
    むしろ、今どききちんと和服の着付けが出来て知識もあって
    コーディネートのセンスも良くて、偉いなぁ...すごいなぁ..見習わなくちゃと
    尊敬してしまうくらいのしっかりものさんに感じられます。

    今回も、鹿乃はおばあちゃんから管理を譲り受けた蔵に眠る着物を取り出して
    風を当ててあげますが

    どんな着物なのか見てみたいなと思ったのは
    「ペルセフォネと秘密の花園」

    「亡き王女のためのパヴァーヌ」は
    とてロマンチックなお話でした。

    そして
    「回転木馬とレモンパイ」では
    なんと鹿乃ちゃんの兄・良鷹が....!

    こういう展開もありなんですね♪

  • 下鴨アンティーク第2弾。

    あっ、鹿乃が携帯使ってる。
    あるけど、無精で使わない設定なのね。

    今回の文学は詩やクラシックがテーマかな。
    アンティークとヴィンテージの違いに目から鱗。
    なるほど。

    前回慧をざわつかせた春野さんはあんまり出番がなかった。代わりに、鹿乃の友人の奈緒と、慧の後輩の加茂との意外なエピソードが。
    他にも大学生の真帆や依頼人のプリシラ、彼女に着物を譲った誓一など、レギュラー入りしそうなメンバーが続々。

    慧のことがほっとけない鹿乃と、年頃の娘をもつ父のような態度の慧。
    奈緒と加茂も…。
    「あの人が何に思いわずらうこともなく、幸せでいてくれたらいい。あの人には苦しいことやつらいことは、似合わない。」とか!
    もうそれは恋どころじゃ…。
    あぁ、もうこの無自覚!とじれじれに歯噛みしつつ、着物の謎というか、文学の知識とお料理が間にはさまってアクセントになる。

    ペルセフォネと秘密の花園…ペルセフォネって春の女神だったんだ。デメテルの娘でハデスの妻…。へぇぇ面白い。
    島崎藤村「佐保姫」
    フランシス「秘密の花園」

    読んでみようかな。

  • 昨日に読んだ桑原水菜氏といい、なんだかコバルトづいてますな~。(*´ω`)

    (無量のシリーズは集英社ではないけど)


    さて、前作を読んだときに、面白かったけれど続きが気になってどうしようもない!! と、いうほどではないけど、続きがあるなら読みたい・・・。

    ちゅうことで、図書館に(ダメ元で)購買のリクエストをした結果、買うてもらえました~!! スゲエ。
    それが手元にきました。
    最近ちょくちょく言うてるけど、正真正銘の新刊文庫・・・! フンガー!! 香り楽しみ中


    ほんで、私の元へ回ってきた瞬間、次の方のリクエストが入っております。
    普段ならリクエストをかけられていると延長できないため、
    「おお・・・。あせるな・・・」
    などと思いつつ読むんだけど、今回はそんなプレッシャー以上に

    私以外にも読むという人がいてはって、よかった!!

    ちゅう安堵感がすごい。

    (自分のためだけに買うてもらったとか、怖くて思えない)

    ちゅうわけで、締め切りに追われつつ読みます。
    ちゅうてもライトノベルなので、数時間で読めるんやけども!!


    でも、ライトノベル侮るなかれ・・・。
    最近は「ライトノベルが好き」と、いう嗜好も認められつつあるので堂々といえるけれども、正直
    「勇気を出して購買リクエストをしてよかった!」
    と、思えるほど、面白かった。

    ほんま、コバルトの世界。
    コバルトの世界って何って、80年代の少女まんがの世界だよね!?

    着物と古書という違いはあれど、古いものからさらに古い人たちの気持ちを読み取る、と、いう展開はビブリアと似てる。
    でも、あっちはメディアワークス文庫。こっちはコバルト。

    全然、違うのよ~!!


    だって、休日は着物で過ごす・・・のは、テーマが着物やからありとはいえ、まず主人公ちゃんが華族の末裔。
    ご両親は早くに他界しており、年の離れたイケメン兄がいる。
    さらにイケメン兄の友人(もちろんイケメン)も同居している(イケメン兄のイケメン友人もいわくつき)。

    イケメン兄のイケメン友人と主人公ちゃんは憎からず思う一歩手前くらいの距離感。

    なのに、ガッツガツしていない!! ←超重要

    もう何やろ~。少女まんが要素をこれでもか! と、てんこもりにしてくださったと思います・・・!


    イケメンイケメンうるさいて。だってイケメンやねんからしゃあない・・・


    今回は鹿乃ちゃんと慧だけでなしに、奈緒と加茂の間でもそうやったけれど、自分よりも大切な相手に、幸せが訪れますようにと祈るほどなのに、どうしてそんなにも相手の幸せを願うのかという自分の気持ちの意味は取り上げない。

    そこを敢えてどうのこうの言わなくてもそこにはとても眩しい思いがあるのだとわかるけども。
    わかるけどもね。
    惚れたはれたばっかりじゃないこの「もどかし感」(もう、もどかしくもすらないかもしれへんけど・・・)ですら、乙女やわ!!

    お友だちを家に招いて(しかも古びた洋館のテラスね)(どんなんかわからんけど、そういう建物なのよ)、それぞれが手製のスイーツを持ち寄ってお茶会を開くとかいう世界(の妄想)があることを、知らんやろう平成のワカモノは!!

    ほんで、そんなお茶会が「うらやましいな・・・」と、思ってしまう年代もいてることを、知らんやろう平成のワカモノは!! 笑

    そこに同居しているイケメン兄のイケメン友人がお代わりのポットを持ってやってきてくれるなんて妄想が
    「キャー!!」
    と、思ってしまうなんて、信じられへんやろう!!


    思 う の だ よ !! どーん


    スイマセンネェ、ばりばりコバルト世代で。
    でもって、
    「いつか私もこんなふうに・・・!」
    なんてことはケほども思ってない(はずな)のに、小説として読んだらやっぱり
    「キャー!!」
    と、思ってしまう40才で、ほんま大丈夫なんスかね。ハハハ・・・。←乾いた笑い


    しかし、今回は鹿乃を客観的に見た描写がすごい多くて、良かった!!
    まさか表題作ですら良鷹の話やったとはー!! 
    「顔と頭だけはいい」良鷹、イヤもう何、顔と頭がよかったらほかに何もいらんやろ(そこそこ家事もできてるし)。


    ほんで、今更やけど、アンティークとヴィンテージの違いも明記されてたー。
    アンティークは百年を超す品、ヴィンテージは百年未満かつ1960年から70年代以前なんだそうだ。
    ヴィンテージもそうとう古そうやけど、こうやって訊くとそうでもないね。

    でもってこの作品に登場する「アンティーク着物」は、なんじゃいなと思ってたけど、ようは昭和初期ごろまでのものなんだそうだ。
    華族というのもあるんやろうけど、昭和初期でこんなにお洒落な着物があってんねえ・・・。


    相変わらず装丁がすっごいきれい(そこまた心をくすぐるのね・・・)。

    鹿乃にしろ、良鷹にしろ、「陽」の人なのかな。
    今回は奈緒ちゃんが「梅雨が好きな理由」に、ハッとしたよ。
    霞んだ世界が、ヴェールがかかってるようで好きなのだそうだ。抜けるような青空には、うしろめたさを感じるんやって。
    ・・・なるほどなあ・・・。

    (まあ、洗濯ものが乾かない・・・! とか、そういう庶民的なことはまったく抜きにすると、確かに雨の日も悪くない)


    (引用を読んで)もしかして、「受け付けない人」と、大丈夫な人との境目って、そういうことなんかも。

    好きなもの、きれいなものを共有したいと思うってことは、「好き」と軽々しく唱えることよりもっと深い告白なのかもしれへんなあ。男女問わず。


    ああ、面白かった!!

    では、次巻も読むよ!! (なんと二冊も購買リクエストをしました)


    ■■■■

    ■様子がいい

    よう‐す〔ヤウ‐|ヨウ‐〕【様子/容子】

    《「す(子)」は唐音》

    2 身なり。なりふり。「―のいい人」


    ■堆朱(ついしゅ)

    彫漆の一。朱漆を何回も塗り重ねて厚い層を作り、これに文様を彫刻したもの。特に宋代以降盛行し、日本には鎌倉時代に伝来し、室町時代以降に制作が始まった。中国では剔紅 (てきこう) という。


    ■篠突く雨(しのつくあめ)

    雨が、篠竹の竹林のように、強く細かく高密度で降るさま。激しい雨の様子。


    ■秋波(しゅうは)

    1 美人の涼しい目もと。また、女性のこびを含んだ目つき。流し目。色目。「―を送る」
    2 秋のころの澄んだ波。

    秋波を送る
    異性の関心をひこうとして色目を使う。こびを送る。「向かい側の男性に―・る」

    (2016.07.03)

  • 読みやすく、心にしみる物語がある。
    「亡き乙女のためのパヴァーヌ」が良かった。
    戦時中の悲恋の恋人同士も、鹿乃とそれを取り巻く人々も、お互いを切ないほど大切にしていることが感じられる。

  • 一つずつ謎を解き明かしていって、全てはハッピーエンドではないのは当然だろうけど、そういう話もあるから、幸せって何か感じられるんだろうな、と思いました。
    あと、カバーイラストが大好きです!

  • 3話目で少し泣きそうになった。今回は着物以外のアンティークの謎もあり、面白かった。この先、着物以外は兄担当になるのだろうか。あっちにもこっちにもカップリング予備軍がいて楽しみでもある。

  • シリーズ二作目。

    白川紺子さんの他のシリーズも、設定は魅力的なんだけど…。本シリーズ1作目の、あっさりした地の文の感じがなんだかもう一つ面白くなくて、素材は好きだし道具立ては好きなのに、長らく放置していた。で、なんで読む気になったのか。簡単なの。副題に『レモンパイ』ってあったから。私、レモンパイ、大好物。着物の優しい手触りと、お紅茶とレモンパイ。そんなイメージを持って、久しぶりに読んでみることにしたのだ。

    旧華族の令嬢、鹿乃は、兄と、兄の友人との3人ぐらし。彼女は祖母から譲り受けた着物が大好き。でもこの着物たちには、不思議ないわくがあって…。鹿乃が着物にまつわる過去の物語を謎解きしていくと、あら不思議。着物たちは本来の美しい姿と、それに関わる人々の幸福を取り戻す…というのが概要のシリーズ。

    結果、やっぱり小説って、書きこなれていくと化けるんだな、という典型のような感じ。鹿乃ちゃん、ただお兄さんとイケメンの兄友に守られてる箱庭姫じゃなくて、今回随分、着物にまつわる謎解きがうまくなっている。そのおかげで、内容がすんなり入ってくるし、旧華族の人々や素封家の人々が依頼人ということで、雰囲気も上品。そのわりにしっかり物語が動くので面白い。

    兄、良鷹と、兄友の八島慧の鹿乃ちゃんへの立ち位置も、似ているようで違うし、1巻目みたいに、ただべったり甘やかして、過保護な感じがないので好感が持てたのだと思う。そこが削がれた分、持ち込まれた着物や骨董の謎解きを丁寧に描いているのが、多分勝因。

    この作者様は、女性の好きなモノ、作品の雰囲気づくりをする小道具の選定がすごくうまいのもいい。レモンパイしかり、オルゴールしかり。ピアノの名曲然り…。そして、着物のことも結構勉強なさったのだろう。文章だけで登場する装いがちゃんと想像できる。堪能できる。これはとっても強いことだ。こういう道具立てを鮮やかに味わうことも、私達読者にとって、大きな楽しみなのだから。

    次の巻も読むかどうか?うん。もちろん継続決定。ベッドの中で読むには、とてもいいのですもの。

  • シリーズ第二弾。

    鹿乃と慧だけでなく、各話に登場する男女キャラのやり取りが、表題の“レモンパイ”の如し甘酸っぱさで、ついニヤニヤしてしまいます。
    アンティーク着物にまつわる謎は(第四話は着物ではなく、オルゴールを巡る話ですが)、今回もどれも切なく、そして人を想う心の美しさが伝わってきます。
    鹿乃の着物コーディネートが素敵なのも、この作品の魅力なのですが、第四話で鹿乃が真帆さんに、ちゃっちゃと着付けしていく姿はプロですか!という感じ(良鷹兄さんの見立てもさすがです)。料理も上手だし、若いのに大したもんです。
    因みに、前作で消えてしまったと思っていた猫の“白露”がまた登場してくれているのが、何気に嬉しいです。

  • 蝶の着物、音符のついた帯、木馬のオルゴール。
    結婚を約束していたけれども、事故で婚約者が亡くなってしまう。
    戦争によって告白が実らなかった。。
    切なくて思わず泣けてしまった。

    木馬のオルゴールでは、鹿乃の兄 良鷹が主人公。
    新キャラクターの真帆も出てきて、おっとこれは…?と思ってしまう点が笑
    次の展開も楽しみだなぁ。

  • 恋になりそうでならない、胸がもやもやした感じの描写が良い。着物の他にも、文学や骨董や美味しそうなお菓子や料理が出て来て、もうたまりません。

  • 着物にまつわる謎を解き明かし、ファンタジー要素も織り成す話。前作よりは着物の要素は少ない感じがするが、京都弁や街並みなどからはんなり感がでているのは前作と同様に、優しめな雰囲気を出していると感じる。今作は佐保姫にまつわる話から、シェイクスピアの話など、バラエティーに富んだ話と謎解きがうまく合わさっていて物語に華を添える感じで面白みがあって良い。鹿乃と春野との関わりのこと、慧と鹿乃の関わりはどうなるかなど気になるところであり、上手い方向へ転がって欲しいと思いつつ、進路も気になる。レモンパイが美味しそう。

  • シリーズ2作目。安定の面白さです。
    和服好きな英国美女プリシラと気難しい研究者黒塚誓一、慧の後輩加茂と鹿乃の親友奈緒、良鷹と(もしかしたら)骨董屋娘の真帆。
    主人公鹿乃&慧の悶々ペアだけでなく、さりげなく周囲に色恋の香りが漂っていて春の陽気。
    でもオカルトミステリーである物語の内容は、そこはかとなく悲しい雰囲気をまとっています。

    美しい京言葉と美しい日本の文化が描かれた、上品なミステリー。
    キャラも物語もしっかりしているので、いずれ映像化してしまいそう。
    次巻も楽しみです。

  • 今回もおもしろかった!
    なっちゃんと加茂先生の関係いいなあ
    回転木馬とレモンパイは着物の話じゃなかったけど鹿乃ちゃんじゃなく良鷹お兄ちゃんが謎解きしてるのも新鮮で素敵なお話でした

  • 2023.2.7 読了。
    下鴨アンティークシリーズ第2弾。祖母から受け継いだアンティーク着物の収められている蔵の管理を任された鹿乃は周囲の人々と共に元の持ち主たちの想いを読み取っていく。

    今作は主人公の鹿乃、兄の良鷹、下宿人の慧の他にもアンティーク着物やものに込められた想いを解決する人々の輪が広がっていくところも素敵だった。第1弾に続き美しいものがたくさん出てきて情景を想像して読むのが楽しかった。鹿乃の祖母の時代の身分格差や戦争など悲しい題材もあったが懸命に元の持ち主たちの想いを受け取ろうとし解決していく登場人物たちの姿も良く読後感はどんよりとした気持ちにならない。
    鹿乃たちの日常の食事風景や調理風景も丁寧に描かれ好ましい。続編も読みたい。

  • シリーズ第2弾。
    「ペルセフォネと秘密の花園」「杜若少年の逃亡」
    「亡き乙女のためのパヴァーヌ」「回転木馬とレモンパイ」
    の四編を収録。
    今回も色んな秘密がたくさん埋もれていて楽しいやら
    切ないやらで大満足です。
    言葉遊びのようなことから、知らなかった小ネタが
    ちょこちょこ出て来て別の意味でも楽しかったです。
    続きを読むぞぉ~

  • 下鴨アンティークシリーズの第2弾。全4話。
    全体的には主人公鹿乃の性格と京都弁もありほっこりした優しい雰囲気。話はそれぞれテイストが違って可愛らしいものもあれば、悲しい話もありました。悲惨な描写があろものも。
    鹿乃と慧ちゃんの恋の行方も気になるのですが、鹿乃の兄の良鷹と骨董屋の娘の女子大生真帆の今後がとても気になった。

  • 音符の帯のお話が切なく泣けた。良鷹お兄ちゃんが初めて大活躍だった(笑)

  • 本屋をウロウロしていて、この本を発見。
    表紙の絵がキレイだったのと、タイトルにひかれて購入しました。
    ただ、シリーズものだったらしいのですが、そるを知らずに適当に選んできたので、これはどうやら二作目だったみたいです。
    でも途中からでも全然大丈夫でした。

    なんとなく、「身近な謎を主人公の名探偵・鹿乃が解く!」みたいな、まあ昨今ありがちといえばありがちな展開を予想していましたが、ちょっとタイプが違いました。
    身近な謎には違いないけど、なんというか、マンガの「百鬼夜行抄」を連想しました。
    ファンタジー的な要素がある感じ。

    「持ち主が愛していたものには、魂が宿る」というの、私もなんとなく「そうかもなあ」と思っているので、こんなことがあってくれたらいいな、と思いました。

    ところでこの集英社オレンジ文庫、「ライト文芸レーベル」というジャンルで、コバルト文庫の流れを汲んでいるらしいです。
    娘たちのが読むのにもいいかも。

  • 一巻に引き続き、ゆったりと和やかな雰囲気。着物のあわせも素敵だけど、作中に出てくるご飯やお菓子も美味しそう。レモンパイ…作るのは難しいかなどうかな。食べたくなりました。

  • 徐々に登場人物が増えていって、面白くなってきました♪
    謎を解決するだけでなく、節々で美味しそうな手作り料理が出てきて、それを皆で食べる様子に、奇妙な三人の家族愛(?)を感じて心温まります。

  • 1巻より今巻のほうがおもしろかった。この手のレーベルとしては珍しい。
    着物の柄や着付けの決まりごとなどに詳しければもっと楽しめるのだろうなぁ、と残念。着物も全小物も水玉柄ってどう落ち着かせるんだろうとか想像がつかないので、挿し絵があると楽しめそう。
    この巻は、慧や鹿乃の友達、良鷹目線の話が多くて、この作品に深みを与えたと思う。鹿乃本人以外は、鹿乃のことを危なっかしい天然、と見ているのに本人は自覚していないたころがおもしろかった。

  • 亡き乙女のパヴァーヌがよかった。

  • 図書館で借りる。アンティーク着物にまつわる謎解きと、少女小説の恋愛話とが程よく混ざり合って読みやすい作品です。あまり詳しくないので想像しにくいので、各章タイトルのページにメインになる着物や帯の柄が描かれると嬉しいな、と。

  • 最初のよりずっと良かった。
    戦争の話や時代の流れに巻き込まれた人たちの悲哀が伝わってきた。
    最初こそ胡散臭いありがちな謎解き小説かよと思っていたのが、全然変わってきた。
    大事にされたものや人の思いが詰まったものには魂が宿るのは当たり前と思っていたのに、前の巻は素直に読めなかった。
    京都に空襲があったことも、教えてもらって良かった。あの時代、苦しまなかった人はいないのだということを忘れてはいけないし、気付かなくてはいけない。
    安保法案、もうちょっとじっくり考えてもらいたい。

  • ラストの話は良鷹視点で新鮮でした。

  • 着物に込められた愛情を、今解き放つ。

    表題作「回転木馬とレモンパイ」は、ぐうたらお兄ちゃん良鷹が主人公。なんかお相手も出てきて。きっとこの真帆ちゃんは磨けばかわいい系。しかしこの真帆ちゃんと良鷹だけでなく、昆虫大好き英国少女プリシラには黒塚誓一、クールビューティ奈緒には加茂輔と、きちんと相手がいるのが、少女小説だなあと思います。

    少女小説の領域を出ない、そういう意味では優しいシリーズだと思います。「亡き乙女のためのパヴァーヌ」も悲しい話であったけど、理不尽だけど、救いがあった。生きていることに絶望しない、それが少女小説の条件ではないかと思っている。

  • 祖母に託された着物の謎を解くことで、祖母を失った悲しみから癒やされつつある鹿乃。
    鹿乃にとって、蔵の着物を整理していくことは、秘密の花園を作り上げることに似ている。
    そんな鹿乃を大切に見守りつつ、気が気でない慧の愛。
    過去の物語と重なる、純粋な想いが甘く切なくてとても良いのです。
    http://books117117.blog110.fc2.com/blog-entry-4647.html

  •  白川紺子さんの作品は、これ以外に『嘘つきなレディ』と『リリー骨董店』を読んだことがあるが、筆者の持ち味がうまく生かされた作品となっている。

     帯に「アンティークミステリー」と書かれているが、それを期待して読むとがっかりするかもしれない。これは、あくまで主人公、鹿乃の祖母の残した着物をめぐるファンタジーであり、謎解きはそれの付属物にすぎない。
     「アンティークミステリー」を読みたいならば、「リリー骨董店」の方をおすすめする。

     白川さんはデヴュー当時から作中の小道具を使うのが上手い作家さんだと感じていた。事実、『下鴨アンティーク』シリーズでも、アンティーク着物や鹿乃の家の調度品、通っている学校の外観などが物語に少女趣味的深みを与えている。

     表題作の「回転木馬とレモンパイ」は鹿乃の兄である良鷹が主役。これがとても切なく、読後はレモンのように爽やかで少し苦い印象を与えてくれた。「亡き乙女のためのパヴァーヌ」は京都の歴史にも触れつつ、着物の帯に込められた想いを上手く描いており、それを受け止める主人公たちの反応が瑞々しかった。
     
     次回作も待ち遠しいシリーズだ。

     

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著者プロフィール

三重県出身。同志社大学文学部卒。雑誌「Cobalt」短編新人賞に入選の後、2012年度ロマン大賞受賞。主な著書に『下鴨アンティーク』『契約結婚始めました』「後宮の烏」シリーズ(集英社オレンジ文庫)『三日月邸花図鑑』『九重家献立暦』(講談社タイガ)などがある。

「2023年 『海神の娘』 で使われていた紹介文から引用しています。」

白川紺子の作品

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