新釈 グリム童話 -めでたし、めでたし?- (集英社オレンジ文庫)

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  • 集英社 (2016年3月18日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086800723

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新釈 グリム童話 -めでたし、めでたし?- (集英社オレンジ文庫)の感想・レビュー・書評

  • 人間の本質はいつも同じ?

    グリム童話を題材にした短編集。初めて読んだ作家さんもいたが,これがその人のスタイルなのか,グリム童話が元だからこうなったのか,考えるところはありつつ。

    谷瑞恵「ルンペルシュティルツヒェン なくしものの名前」就活が上手くいかない亜美に,不思議なメールが届く。それは小学生のときに出会ったカメに関するものかもしれない。亜美は少しずつ当時のことを思い出していくが。金の布を紡ぐ,名前を思い出す,童話のキーワードを元にささやかな恋愛モノになっている。ルンペルシュティルツヒェンは少しマイナーで,モチーフとしては弱かったかも。

    白川紺子「白雪姫 白雪姫戦争」一番好きな話かも。文化祭で“白雪姫”に選ばれるのを目指す小雪。その本性はナルシスト,でも読み進めていくうちに可愛げが感じられる。ライバルの夕妃。こちらもなかなか強烈なキャラクターだが,にくめない。

    響野夏菜「かえるの王様 二十年」ある意味,ホラー。オチが怖い。いや,女も男も怖い。かえるの王様にある,ちょっとグロテスクな,ちょっと怖い部分がよく出ている。奈々央はとあることから生理的に気に入らない根木と行動を共にすることになる。苛立つ奈々央に対して根木が言ったことは……。

    松田志乃ぶ「眠り姫 のばらノスタルジア」古くからの西洋ホテルの娘・寧々は,ホテルの再建のため,有力なリゾート会社の御曹司・直人と婚約することになる。年も離れた直人だったが,寧々には簡単に突き放せない人で……。茨に囲まれ眠っていたのは誰だったのか。鮮やかなどんでん返しだった。

    希多美咲「ヘンゼルとグレーテル お菓子の家と廃屋の魔女」霊力を持った白石月也と,探偵の桜鳥岳がこの作家のレギュラーキャラクターなのか。ケーキ屋を営む奥川愛美が持ち込んだ依頼は,廃屋にお菓子の家を注文する人を探してほしいというもの。そこには兄と妹の秘密があって……。二組の兄妹の関わり合いが,そうか,ヘンゼルとグレーテルだなぁと。

    一原みう「シンデレラ A Cinderella Story」女優の娘・クレアは,母亡き後,映画監督の父の後妻に入った女優で芸能オフィス社長のイザベラが気に食わない。彼女は私を不当に扱っている。ある日,クレアはオーディションを受けるチャンスを与えられるが……。面白かったけど,この短編集で言うと,白雪姫での継母との関係が,眠り姫とはオチが,重なっていて残念。継母って物語の鍵になるので,特に童話では悪役でよく出てくるからかもしれないが,後ろになったこの話はちょっと損だったかもしれない。

  • ・谷瑞恵「なくしたものの名前」
    ・白川紺子「白雪姫戦争」
    ・響野夏菜「二十年」
    ・松田志乃ぶ「のばらノスタルジア」
    ・希多美咲「お菓子の家と廃屋の魔女」
    ・一原みう「A Cinderella Story」
    6話収録。

  • 【収録作品】「なくしものの名前-ルンペルシュティルツヒェン-」 谷 瑞恵/「白雪姫戦争-白雪姫-」 白川 紺子/「二十年-かえるの王様-」 響野 夏菜/「のばらノスタルジア-眠り姫-」 松田 志乃ぶ/「お菓子の家と廃屋の魔女-ヘンゼルとグレーテル-」 希多 美咲/「A Cinderella Story -シンデレラ-」 一原 みう

  • 売れっ子コバルト作家による珠玉の短編集。
    もとの物語のあらすじを一ページにまとめて紹介してから、現代風にオマージュした作品が始まります。元の作品のどの辺りの要素に作者がひねりを加えたのか理解しやすく、読みごたえのあるアンソロジーです。
    「めでたし、めでたし?」という副題のとおり、能天気なハッピーエンドの恋物語ばかりを集めているわけではなく、恋に友情に、中にはゾッとするものもあったり…(響野さんの!)、大人乙女が楽しめる構成となっております。
    http://books117117.blog110.fc2.com/blog-entry-5150.html

  • グリム童話の有名どころをモチーフにした、現代が舞台の短編集。元の話を知らなくても冒頭にストーリーが書いてあるので大丈夫。親切設計です。
    それぞれモチーフの使い方が見事。松田志乃ぶさんの「のばらノスタルジア」が一番気に入りました。

    ・なくしものの名前/谷瑞恵
    モチーフに使ってあるのは『ルンペルシュティルツヒェン』。小人の名前(真名)を当てて難を逃れるという話です。
    この話は、就活に躓き悩む女の子が主人公。ある日、「僕のことを思い出して」という、不思議なメールが届く。
    谷さんは『思い出のとき修理します』を以前読みましたが、あれに出てきたような少し大人しめの男女がこの話にも出てきて、その静かな感じ好きです。

    ・白雪姫戦争/白川紺子
    モチーフはもちろん『白雪姫』。
    女の子二人が、喧嘩しながら仲良くなっていく感じが良かった。
    似たもの同士だったんだなぁ。
    本音を言いあえる人ができて、毒が抜けていくという展開に納得です。

    ・二十年/響野夏菜
    響野さん、コバルト時代に読んでました。何年ぶりに読んだだろう。
    モチーフは『かえるの王様』。とてもブラックな話でした。
    元になった『かえるの王様』でも、かえるを邪険にするお姫様にちっとも感情移入できなかったんですけど、この話もそう。そのいけ好かない女の書き方がすごく上手い。
    最後は「そういうことだったのか」と少し驚く終わり方。

    ・のばらノスタルジア/松田志乃ぶ
    モチーフは『眠り姫』。
    『バラに包まれて永い眠りについた城と姫』を『老舗という名前に胡坐をかいて停滞しているホテルとそこの一人娘』に置き換えた設定がすごく良かった。
    直人の堅物具合がツボでした。三十路の堅物男、いいわぁ……。
    17歳はロリコンじゃないから大丈夫だと思うの(何が? w)。

    ・お菓子の家と廃屋の魔女/希多美咲
    『ヘンゼルとグレーテル』がモチーフ。
    対照的な二組の兄妹と、霊媒師が出てくる。
    亡くなっている方の兄妹の兄が怖い。
    この面子でシリーズ化してもおかしくないような話だと思った。

    ・A Cinderella Story/一原みう
    ブロードウェイが舞台のシンデレラストーリー。
    ……と思いきや、王子に当たる人かと思ったキャラが……。
    継母が実はいい人だった、というストーリーは、白川さんや松田さんの話でも見られたけど、この話もそうだったな。
    主人公の子が実の母だけを追いかけている描写は一途だけに少し痛々しい。けど、素直に人の才能を認められるのがいいところだと思った。

  • グリム童話のアレンジ、アンソロジー。

    「白雪姫戦争」が面白かったかな。

    童話はオリジナルのお話自体に力があるから、
    ちょっと捻ったり
    アレンジしたり、
    っていうのは意外と難しいのかもしれないな。

    という感想。

    あんまりインパクトなかった。

  • 谷瑞恵さん目当てで購入。
    とても優しくて爽やかな話でした。妖精の名前をあてる童話をもとにしてます。
    蛙の王子様を元にした話にはぞっとしました。
    これ、すごいです。タイトル!
    白雪姫の話は嫉妬とか美とかあるんですけど、いい終わりでした。
    シンデレラは「日本・現代」に囚われてなくて良かったです。雰囲気変わりました。
    いばら姫はきゅんとしました。
    お菓子の家は個人的にイマイチかな?

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新釈 グリム童話 -めでたし、めでたし?- (集英社オレンジ文庫)の作品紹介

グリム童話をベースに、舞台を現代におきかえ、ストーリーを大胆にアレンジ! ヒロインがふたりの白雪姫、老舗ホテルの一人娘として生まれた眠り姫、廃屋から届く依頼に悩むヘンゼルとグレーテル…など全6編。


新釈 グリム童話 -めでたし、めでたし?- (集英社オレンジ文庫)のKindle版

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