武蔵野ものがたり (集英社新書)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087200355

作品紹介・あらすじ

国木田独歩が『武蔵野』を書いてから100年余、武蔵野は変貌した。畑と雑木林とカヤの原の間の細い道、それに沿って農家があり、小さな流れがあり、その間を街道が走り、商家や鍛冶屋が存在していた。もはや、それはない。青春時代を中央線沿線で過ごした著者が、懐かしい友人たちの話に光を当て、移りゆく武蔵野に思いを馳せる。

感想・レビュー・書評

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  • 武蔵境に育ち立川高校出身の筆者。多摩の土着の住民と都会人の違いに始まり多摩地区の歴史に迫る。

    筆者には「武蔵野インディアン」という作品もあるらしい。多摩に土着の人々。都市化の進展により住んだ人々の違い。この指摘は筆者ならではの独自の視点であろう。

    多摩に土着の人々のルーツは武田家の旧家臣という説もある。農民とはいえ出自は武士。そんな気概が新撰組や五日市憲法、自由民権運動につながったのだろう。

    雑木林のあった風景から軍都立川へ。その後の急速な宅地化まで、筆者の高校の同級生への取材を通じてビビッドに描かれている。

    多摩、武蔵野を知る上で、国木田独歩と同様に必読書だろう。

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著者プロフィール

三浦 朱門(みうらしゅもん)
1936年東京生まれ。教職に就くとともに作家活動に入る。1985年4月から翌年8月まで
文化庁長官を務める。99年には産経正論大賞を受賞。同年、文化功労者となり、日本文藝家協会理事長、日本芸術院院長を歴任する。著者に「箱庭」(講談社文芸文庫)、「夫婦口論」(曽野綾子共著・扶桑社)、「不老の精神―魂は衰えない」(青萌堂)、「朱に交われば・・・私の青春交遊録」(マガジンハウス)、「日本の活路―気鋭対論」(渡辺利夫共著・海竜社)など多数。2017年2月没。

「2020年 『新装版 老年の品格』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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