ロルカ――スペインの魂 (集英社新書)

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  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087200539

感想・レビュー・書評

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  • スペイン内戦により38歳の若さで命を落とした詩人フェデリコ・ガルシア・ロルカの生涯をえがいた評伝です。

    客観的なロルカのすがたと彼の生きた時代を説明するよりも、著者自身に強い感銘をあたえたロルカという人物の印象をつづることをめざした本といえるように思います。

    親しみやすい文章で書かれてはいるのですが、ところどころに著者の感想がさしはさまれているのですが、ときおり余計だと感じてしまいました。

  • アンダルシア(アンダルシィーア)が、なぜに私の心を捉えて離さないのか、どうにもよくわかりません。単に「グラナダ」とか「カルタヘーナ」とかいう地名の「音」に惹かれるだけかもしれませんが、それにしてもどうしてなのだろう……(このへんから、俄然、「私の血には…」というような妄想が暴走を始める)なんとなく、な個人的印象の積み重ねではありますが、まずはイベリア半島、そしてスペイン、そして就中アンダルシア、と思ってしまうのです。「プロローグ」で、「いずれにしろ、ロルカは殺されたのである。」という文章を2度繰り返す、この著。詩人「フェデリコ・ガルシア・ロルカ」、だけでなく、スペインとかフラメンコとかグラナダとかフランコとか、そのようなものに些かでも興味をお持ちの方にはお薦めします。新書という体裁としては、最良の構成と内容なのではないか、と。詩の引用には、必ず原文が並んでいます、これは、ほんとうに素晴らしい!このような詩(あるいは音楽)に、胸でも心でもなく「血が」騒ぐ! 時々、鮮烈に感じます。「私の身体にはイベリアの血も流れているのよ!」…半分は冗談ですが、半分本気でそう考える所以のひとつ、です。

  • ロルカを通じて近代から現代スペイン史をなぞらえ、ロルカという詩人がいかに世界に影響を与え、そしてなぜ殺されなければならなかったかのかといういことを解説。
    その一方観光立国として注目を浴びるスペインだが、その現代史にまで踏み込むことなかなかない。トラファルガー以降没落したスペイン王朝が現代にいたるまでいかなる足取りをたどったか、ジプシー民謡:フラメンコがスペインを代表する踊りのひとつとなった背景、ピカソで有名なゲルニカ空爆の背景までも言及されており、ロルカがいかにスペイン的な物のエッセンスであるかということが、うかがい知れる。

  • 2008.09.08読了

    【目次】
    第1章 グラナダー1492年~1898年
    第2章 スペインー1898年~1926年
    第3章 詩人の誕生
    第4章 青春の日々・苦悩・創作
    第5章 内乱への予感
    第6章 死の高い足音
    第7章 ヴィスナルに死す

    (「BOOK」データベースより)
    内戦勃発直後に、三十八歳で銃殺された、スペインの伝説の詩人・劇作家フェデリコ・ガルシア・ロルカ。なぜ彼は殺されたのか?日本でもスペインに関心のある人でロルカの名を知らない人はいないが、スペイン国内でも禁句となっていたその名は、生誕百年後にやっと、国民詩人として再評価され復活した。アンダルシアの風物を詠いながら、人間の本質をみつめた詩人の魂を、スペインを第二の故郷とした著者が甦らせる。スペインの激動の歴史の流れに、ダリやブニュエルら芸術家たちとの魂の交流を生き生きとえがく、新しい視点からの評伝。

  • ガウディの生きた時代のスペインとロルカのスペインはちょうど入れ違いになりますが、その当時の思想が2重奏で楽しめます。中丸さんの文章は、説明しすぎるきらいがあり、途中で大枠を忘れがちになるところがありますが、文章温度は高いので自分が冷静なら情報量は多いのではないかと思います。ダリとも友達だったロルカ。おぼちゃまならではの、生き様を感じます。

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