- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087200874
感想・レビュー・書評
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新書文庫
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『筆者はそのような日本という国家から押しつけられる国籍を拒否し、一介の生物として以下に筆をすすめる。』(p108より抜粋)
広瀬隆氏の本を読むのはこれが初めてだ。
この一文が唐突に出てきた時に、あまりにも香ばしいので何かの間違いかと思い、前後を何度か読みなおした。
そして一発でファンに成ったので以後何冊か読ませていただいた。
どういう人生を送ってそんな考え方をするようになったのか分からないし、全く共感できないが、それはそれで傍から見る分には面白い。
上の一文以外は『一介の生物』として筆を進められているようで割と冷静に書かれている。
内容としては、アメリカの軍事産業の離合集散が書かれているので、良い勉強になる。
ただ、五十年以上のレンジの軍事予算のグラフを物価変動を反映せずに載せて、どうだすごい伸びだろう、とやっているのはどうかと思う。
同氏著の『二酸化炭素温暖化説の崩壊』では温暖化のグラフについて、印象操作だ捏造だと、あんなに文句言ってたのに、自分がするというのはちょっとピュアじゃない。
完全におかしくなって陰謀論を大真面目に語る本や、本当は分かっているのに悪意が有ったり営利目的でわざとねじ曲げられたことが書かれた本はたくさんある。
純粋な強迫観念から世の中の不正や恐怖を独自のアンテナで感じ取って、膨大な資料を調べ、文章として世に出すという、絶妙なバランスを崩さずに書かれているからこそ、この本は面白いのです。
ただ香ばしいだけの本はたくさんありますからね。
それにしてもアメリカの巨大企業は天下りどころの騒ぎではない。
有力者やその妻がとっかえひっかえ節操もなくあちこちの重役を渡り歩いたり複業しているのに驚き呆れた。 -
漢字で育った日本人相手にそんな聞いたことない横文字の固有名詞をマシンガンのように提示しても理解できないでしょう、と。
かつ、表面だけの情報が多すぎて、イメージだけしか伝わらなかった。
文章もなんか主観が強いし。
意地で最後まで目を通した。
どうやら米国では政治家や財界人と軍需産業の結びつきが広いらしい。そしてそれは今に始まったことではないらしい。 -
軍需産業の起こりは独立戦争にさかのぼったり、ボーイングはライト兄弟にさかのぼることができたり。アメリカ軍需産業をざっとさかのぼるのには面白い本。アメリカでのイノベーションが軍需産業や石油産業に取り込まれる様や、軍需産業次第でアメリカの失業率が変わるという話は面白かった。第二次世界大戦以降でも続いていた白人以外の人間の価値は低く、すぐに金儲けの道具とされた歴史があったことは残念であるが、戦争が最も儲かるビジネスではなく、金融がそれ以上に儲かる商売となったことで人の血が流れなくなったことは良かったことである。国家と軍需産業は一枚岩ではなく、お互いに協力し合うところもあるが、結局はお互い欲の皮が突っ張っている者でしかない。が構造は単純ではない。ことが分かった。事実が書かれていることだろうと思うが、それぞれの事実の関わり合いは、陰謀論が出てきたり、日本が戦前は「封建国家」であり戦後民主主義がやってきたという記述でかなり冷め、信憑性を疑ってしまう。欧米が利権奪取のため東ティモールの独立を支援していたという視点が面白かっただけに残念である。
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[ 内容 ]
ベルリンの壁が崩壊し、東西対立の構図が消滅するとともに、アメリカの軍需産業は大統合に向かった。
本書は、三〇兆円もの膨大な国防予算を背景に、各企業がますますその経営を合理化していった謎を解き明かす。
九九年のNATO軍によるユーゴ空爆などの地域紛争は、従来、民族対立によるものと理解されてきたが、そこに常に介在していたアメリカ製兵器の持つ意味について言及されることはなかった。
膨大な資料を分析することによって、政治家、軍との結びつきから、CIA、NASAとの連携まで、アメリカの軍需産業の巨大な姿が浮かび上がってくる。
この危険なビジネスが世界情勢を左右する、そのメカニズムとは何なのか。
[ 目次 ]
序章 不思議な国アメリカ
第1章 ペンタゴン受注軍需産業のランキング
第2章 軍閥のホワイトハウス・コネクション
第3章 日本の防衛産業を育てた太平洋戦略
第4章 二〇世紀の戦争百年史
第5章 CIAとFBIと諜報組織の成り立ち
第6章 NASAと宇宙衛星産業
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
ベルリンの壁が崩壊し、東西対立の構図が消滅するとともに、アメリカの軍需産業は大統合に向かった。本書は、三〇兆円もの膨大な国防予算を背景に、各企業がますますその経営を合理化していった謎を解き明かす。九九年のNATO軍によるユーゴ空爆などの地域紛争は、従来、民族対立によるものと理解されてきたが、そこに常に介在していたアメリカ製兵器の持つ意味について言及されることはなかった。膨大な資料を分析することによって、政治家、軍との結びつきから、CIA、NASAとの連携まで、アメリカの軍需産業の巨大な姿が浮かび上がってくる。この危険なビジネスが世界情勢を左右する、そのメカニズムとは何なのか。
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自分が今生きてる世の中、世界は知る(識る)べき事実だ
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広瀬さんすごぃわーーー。
でも重いわー。 -
アメリカの軍需産業を詳しく書かれた本。アメリカを動かす政治家達と軍事産業の繋がりを事細かく書かれている。しかし、本として読むと、どうも読みにくい。というのは情報量が多すぎる。それは自分の頭が悪いというのもあるだろうが、話がごちゃごちゃしすぎで、論点がわかりにくい。あと、Quotationがないのも気になる。独自のリサーチで書かれたのだろうが、読み手からすると非常に判り難く、相関関係を読み取れない。もっとページ数を増やすか、シリーズにして書かれると、判り易くなるのでは、と思ってみたり。表面的な事実を理解するにはいいのではないだろうか。何回も読み直してみます。