超ジャズ入門 (集英社新書)

著者 :
  • 集英社
3.22
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本棚登録 : 257
感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087201062

作品紹介・あらすじ

ジャズを聴きたい全ての人におくる、画期的な入門書。どこから始めて、どこまでいけばいいのか。何から聴いて、何を集めればいいのか-。蘊蓄にあふれるこの世界で、ジャズに「お勉強」は必要ないことを断言。深い知識と豊富な体験に基づきながら、ジャズを織り・聴き・集めるプロセスを具体的に提示し、ジャズの魅力とその本質をダイレクトに伝えていく。身体にジャズがしみ込んだプロが、痛快に論じる「超」入門。自分の聴き方を発見できる書。

感想・レビュー・書評

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  • ジャズは全く聞かないし正直興味も無いのだけど、だからこそ逆に気になって買ってみた一冊。筆者はひたすら「ジャズは難しい」「ジャズ好きな人は蘊蓄ばかりでめんどくさい」「ジャズの入門書は逆にジャズへの道を閉ざしている」というこれまでの問題点を指摘しているが、中盤以降筆者自身が「CDはレンタルせず、買わねばならない」「音楽を聴くというのは本来それほど真剣で疲れるもの」「この演奏を聴いて衝撃を受けない人は今すぐ本を閉じてジャズとは無縁の人生を歩んだ方が良い」という、異様にめんどくさいジャズマニア化しているのが何とも(笑)
    でも、CD一枚への想いを読むにつれ、高校~大学時代に毎日聴いていた洋楽(いわゆるHR/HMだが)への気持ちを思いだした。作者の言う名盤のリマスターに無神経につけるボーナストラックがその名盤自体の価値を大きく毀損するという意見、確かにJeff Beckの『Blow by blow』に"哀しみの恋人達 2012バージョン"とかが着いた新盤が出たら、逆に価値半減だよな。
    で、この本を読み終えて、Youtubeでマイルス・デイビスを聴いてみたけど、やっぱり難しそうでした(笑)

  • タイトルを見ると、門外漢あるいは初心者向けの本かと思うが、そういう人たちよりは、ある程度ジャズを聴いてきた人たちの方が楽しめる本になっている。入門書は理路整然とまとまっているのが理想的な姿だが、本書は違う。

    ジャズに関する世間話の様な感じで、既に入門している人たちが思わずニヤリと笑ってしまうようなネタが多く含まれている。

    終始ユーモアあふれる文章で、最終的には「マイルスとブルーノート1500番台と4000番台を聴け!」というところが落とし所になっている。

    中山氏の本は、「ジャズの名盤入門」、「JAZZ聴きかた入門!」、「挫折し続ける初心者のための最後のジャズ入門」、「読んでから聴け!ジャズ100名盤」など、10冊くらいは読んでいるが、面白さという観点から見れば本書が一番であった。

    本書は使える本、役に立つ本と言うよりは、楽しめる本に分類される。

  • ジャズを全然聞かない私からすると、ジャズ入門書というよりもかなり面白いエッセイという感じです。言っていることは結構矛盾もあるのですが、まあ全体を通して笑える話がちりばめられています。少なくとも私はこの本を読んで、じゃあ試しにブルーノートレーベルのアルバム買ってみようかな、という気になりましたのでポジティブに評価したいと思います。結局本書を読んで思うのは、評論家の言っていることは軽く流して、「ジャズは勉強」と思わず気楽に聴けばいいのね、ということでした。

    一方で、この本は業界関係者やジャズファンが読んだらさぞ怒るんだろうなと思いましたが、こういう本が一冊くらいあってもいいんじゃないでしょうか。本書は著者の本音がちゃんと記載されているという点で私は評価できます。音楽CDのライナーノーツは本当に退屈だし信用できないし、なくてもいいと思っている私にとっては本書のほうがよっぽど好印象を受けます。

    ただし本書は全般を通して口語口調で記述されていて、知性の低さを感じるのと、ちゃんと商品価値を考えてじっくり推敲した本には見えなかったので評価は3つ星にしました(著者が本書内で、ジャズのアルバムは商品価値を考えてじっくりつくりこんだものが少ない、と嘆いていたのが皮肉的です)。

  • 私は色んなジャンルの音楽を聴いて行きたいと思っている。
    クラシック、プログレロックといった難解な音楽を聴いてきたが、ジャズはやはりよく分からない。
    ということで超入門だというのだから読んでみた。

    まず本書ではなぜ皆ジャズを聴けないかというと、「怖いから」と言っている。
    それはそうだなと思う。
    なんだか敷居が高い。
    そして、その敷居を高くしているのがジャズファン、マニアだったりするということを辛辣にかかれて面白いと思った。
    確かに「自分は知っている」「俺のほうがわかってる」とマウント取る人はジャズに限らずどこにでもいるのでとても共感でき、その言い回しも面白いと思った。

    ただ、最終的には「ベストアルバムは駄目だ!」とか、毎月3枚アルバムを買っていって聴いてく方法はやはりちょっと怖いと感じた(笑)

    と言うことで、この本にはジャズの歴史は一切書いていないし、ジャズの聴き方は著者なりのやり方は書いているが、ちょっとレベル高いと感じる。
    なので入門にはちょっと「?」かもしれない。

    ただ、ジャズマニアの高い鼻を折るような言い回しを楽しむには良いと思う。

  • 面白く読めた。入門ではなく、あくまでも超入門。

    読み物として面白かったが、これを読んでも、いわゆるジャズの知識は身に着かないと思う。そもとも身につける必要がない、というスタンスだし。

    一番の収穫?は、ビートルズがもう終わってしまったものだというのと同様に、ジャズももう終わってしまったものだという表現。現役のミュージシャンには失礼な話だと思うが、これから門戸を叩こうという人には、ちょっとホッとさせてくれるものがあった。(105)

    [more]
    (目次)
    第1章 ジャズを「織る」(不思議の音楽ジャズ
    ジャズ入門書のなぜ ほか)
    第2章 ジャズを「聴く」(ジャズと恋愛は似ている?
    なにから聴くか ほか)
    第3章 ジャズを「集める」(「集める」ことと「聴く」こと
    「音楽を聴く」とは ほか)
    第4章 超CDコレクション術(「一〇〇人の一〇〇枚」より「ひとりの一〇〇枚」
    ジャズを解くふたつのキーワード ほか)

  • 最近喫茶行ったり映画観たりで触れる機会多かったので。ジャズ史というよりレコードの集め方聴き方選び方とか、こんな感じのあるよ的な体で良き。ちなマイルスは別格。

  • とにかく聞いてみるところから、マイルス・デイビスを、ブルーノートを。結果としてはそんな本であった。
    いろんな楽しみ方のあるジャズを紹介していたが、文章に前置きが長くて読みにくい部分も多かったと感じた。文章内で行ってたことと、結論にズレがある気がしたが、最終的には上に書いたようなありふれた結論が、ジャズの楽しみ方の入り口なのかもしれない。

  • やっぱし、ジャズリスナーの選民思想はどうにもならんわな。

  • なんか、ジャズに対するネガティブなイメージを生み出してる人たちを批判してるけど、著者のあんたも同じだし、ぐだぐだ言ってねぇで黙って音楽聴いてろ、って感じですね。

  •  40歳にもなったことだし、そろそろクラシックでも聴くかなあと思いつつ、いや、退屈するのが目に見えてるし、じゃあってことで、ジャズなんぞいかがかなと思い、お気軽そうな入門書を読んでみました。

     前半はとってもお気軽で、読んでて楽しくなります。CDショップに行って、今かかってる曲を買ってこい、こんなノリです。そのまま突っ走るのかと思ったら、最後の方は結構コイですね。著者の趣味炸裂といった感じです。

     月2枚ずつくらい、買ってみるかなあ。

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著者プロフィール

1952年大阪生まれ。『スイングジャーナル』編集長を経て音楽評論家。ロックにも造詣が深くビートルズ系の本の中でも『ビートルズを笑え!』は辛口でありながら面白く書かれている。オノ・ヨーコに批判的で日本語が読めるオノに対して批判する評論家としては希有な存在。主な著書に『マイルスを聴け』(双葉社)『エヴァンスを聴け』(ロコモーションパブリッシング)『超ブルーノート入門』(集英社)『Jazz名曲入門』『Jazz名盤入門』(宝島社)『ジャズを聴くバカ、聴かぬバカ』(KKベストセラ-ズ)『スイングジャ-ナル青春録』(径書房)『ビートルズ アメリカ盤のすべて』(集英社)『ビートルズ全曲制覇』(エイ出版)『ビートルズを笑え!』(廣済堂)『ディランを聴け』(講談社)『音楽中心生活』(径書房)『超ビートルズ入門』(音楽之友社)『クワタを聴け!』(集英社新書)『ジャズ・ヒップホップ・マイルス』(NTT出版)等がある。

「2012年 『かんちがい音楽評論[JAZZ編]』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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