人体常在菌のはなし ―美人は菌でつくられる (集英社新書)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087202571

作品紹介・あらすじ

見えないイコールいない、ではない!菌=バイ菌=悪い汚いヤツ、というのは過去の常識。さらに菌は腸内のみならず皮膚にも棲みついていることを知ってほしい。周知となった腸内細菌における善玉菌と悪玉菌の理論は、そのまま人体表面の皮膚常在菌にもあてはまり、常在菌との共生こそが健康で快い生活の鍵である。本書は「菌」を真中に置いて生活スタイルを見直し、善玉常在菌を育てよう、免疫もアレルギーもその観点から考え直そうと提案する、わかりやすい医科学的実用読み物。

感想・レビュー・書評

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  • 書き方が面白いので読み進むのがサクサク。自分と、自分にくっついている菌について考えるところが…

  • 自分の体が細胞と常在菌で出来ていることがよく理解出来た
    コロナのおかげで色々な書籍を読むようになった、ウイルスも共に細胞の中で生きていることも、人体の不思議に改めて
    感銘を受けた。

  • 菌と仲良くする話。

  • 現代では見過ごされたり嫌われ者として誤解されている微生物の世界が,ヒトの健康,肌の美容,健全な内臓,正常な免疫系システムに深く携わっているお話.ヒトに有益な微生物を育む「育菌」の視点を育む一冊.

  • 人間はその体の中や皮膚の上に自分の細胞の数よりも多い
    「菌」を持っている。それは決して人に害を及ぼすものでは
    ない。それどころかそれらと共生して「菌を飼う」「菌を
    育てる」という意識を持たなければならないというお話。
    けだしごもっとも。抗菌と名の付いた商品に対する違和感が
    見事に説明されていてスッとする思い。子どもは泥んこに
    なって育つべし。もちろん不潔にしていいというわけでは
    ない。そこはバランスが大切。人体からして動的なバランス
    の上に成り立っているものなのだから。

  • ◆漫画「もやしもん」作者も勧める本書は、「菌」への愛に溢れた科学啓蒙書。美容と健康を実現したいなら、化粧やサプリメント服用ではなく、密着している菌を「育菌」すべし◆

    2004年刊行。
    著者は大阪女子学園短期大学非常勤講師の医学博士(元東京大学医学部研究員、同総合研究博物館客員研究員)。


     副題の正しさを具体的に、かつ細胞生物学、生物生態学的メカニズムを踏まえて叙述する。
     そして、所々、菌を擬人化した愛溢れる表現が微笑ましく読める一書である。

     さて、ビフィズス菌が腸内細菌として重視され、また腸内フローラが健康にとって重要ということは、科学番組でも取り上げられてきている。刊行時を見ると、本書は一般普及書という観点で、その嚆矢とも言うべき書ではなかろうか。


     本書の内容を列挙すると、
    ① 腸内常在菌。
    ② 皮膚常在菌に触れ、
    ③ 善玉菌や無害菌を「育菌」することの意味。
    ④ その方法論
    とに区分できる。

     ①は腸内フローラの必要性、すなわちそれらがアレルギーや病源菌撃退に関わっており、つまり免疫機構の活性化、健康維持増進にも係る事実を開陳していく。

     ②は美容と大きく関連しているが、異様な清潔志向、殺菌志向の愚と無害菌としての表皮ブドウ球菌の意義を、菌コロニー形成のメカニズムと共に開陳する。

     この①②を受けて③④。「育菌」の必要性=無闇な殺菌の愚は、皮膚においては保湿・皮膚防御の観点から、適度な皮脂の必要性と皮脂が齎す無害菌・表皮ブドウ球菌。この繁殖コロニーが、有害菌の大量繁殖、日和見菌の有害化を阻止する様を叙述。

     この基本メカニズムを踏まえ、腸内に関し、バランス良き食事、発酵食品の重視(味噌、醤油、納豆やチーズ)、中でもオリゴ糖とセットにビフィズス菌(ヨーグルト)摂取の重要性を説く。
     また皮膚表層菌の無害化の点で、過度の洗剤利用の手洗いの防止(ただし手洗いを一切しないのもNG。また、状況や職業では、通常以上に徹底した手洗いが必要な場面も多々ある)と、入浴時には蒸れる部分限定の洗剤洗い。ストレス回避のための良き睡眠とバランスよき食事、汗をかくことを忌避しない等、納得の指摘が数多。

     なぜこうなったのか社会科学的・人文科学的な分析も必要な、現代日本の過度の清潔志向。これに対する警鐘であっても、清潔志向の目的の一である、美容の観点から議論されれば、受け手の納得感は高いに違いない。

     ところで、帯にはマンガ、そしてアニメーション化もされた「もやしもん」原作者、石川雅之氏の推薦文と挿絵があり、彼の作品のファンの方なら本書の内容的にも充分楽しめるだろう。

  • 常在菌叢をいかに保持するかで人の健康が左右される。清潔過多でかえって悪玉菌が増えることもある。オリゴ糖は有名だが、表皮を守るためにキシリトールと一緒にアロマオイルなどに入っているファルネソールを使うと良いらしい。

  • 新書文庫

  • 本を読み始めたときは、菌が身体中にいることを想像して、ちょっと寒気を感じてしまった。菌がいることが自然なことということを忘れていた。
    宇津木式スキンケアの本と同時に読んだため内容がごっちゃになってしまった。
    理解のために、時間をおいて、読み直した方がよさそう。


    環境汚染は自分の身体を汚すこと/手軽に食べれるものは、発酵食品であっても、思うほどの効果は得られない/皮膚や唾液、胃酸はバリア/経口免疫寛容:口から食べるものに免疫反応を起こさないこと →アレルギー抑制作用に腸内常在菌が関係?/菌に多少の病原性があっても、一概に排除とはならない不思議/乳酸で腸内を酸性に保つ/働きが状況で変わる「日和見菌」/ビフィズス菌などの有益な菌を育てれば問題が起きない/消化のあとに残る食物繊維が菌や腸によい/いいウンチは水に浮き、黄金色/十色食のバランスがおすすめ(赤橙黄緑青白紫茶黒ピンク)/菌のテリトリーがうまくいけばこちらも安泰/表皮は28日で生まれ変わる/黄色と表皮ブドウ菌は病原性の有無が違う。黄色~が傷口や食品につくとよくない+アトピー性皮膚炎にも関係ありそう/紫外線は菌にもよくない/菌やヒトの動物としての面で、高温多湿がよい→汗を嫌わない/香水+体臭=その人独自の香り/全体を洗いすぎず、アポクリン腺を清潔に保つ心がけ/身体一部の冷えも熱も全体に拡がる/常在菌は汚れとして落とすべきものではない

  • 人間と仲良しの菌なので、消化器内の乳酸菌なんかの話を想像していたけど、主役は体表面にいる菌たちだった。表皮ブドウ球菌と黄色ブドウ球菌ってのがあって悪者は後者のみ、両者は勢力争いしてるってことを覚えた。行き過ぎた清潔志向や何でも抗菌主義に疑問をいだく態度は、その通りだと思う。サブタイトルの「美人は菌でつくられる」かどうかの話は、ほとんど触れられていないので注意 :p

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