いのちを守るドングリの森 (集英社新書)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 71
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087202779

作品紹介・あらすじ

環境保全のために欠かせない樹木や植物。誰もがその大切さを知っているが、ただ植林をすれば良いというものではない。その土地本来の樹木(潜在自然植生)を見分け、それを主木として森を作ってこそ、地震や風水害に耐え、人命を守る防災・水源林の機能が備わるのだ。日本においてはいわゆるドングリと呼ばれる実をつけるカシ、ナラ、シイ、またタブノキなどの樹種がそれにあたる。なぜ土地本来の樹木からなる森が重要なのか、そしてそれはどう作ったらよいのか。日本、国際的にも植物生態学の第一人者である著者が自身の研究成果、経験をふまえて語る。

感想・レビュー・書評

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  • 昨年秋、宮脇先生の講演を聴いた後に、この本を読みました。いのちを守る森つくりは、その土地の木を植えればよいこと。その木を選ぶことが専門家の自分の仕事だと。理論的なとてもすっきりした話。東北のガレキの活用も実現すればと願う。もう一度、話を聴きたい・・・(R)

  • 東北の震災復興支援活動の一端として、
    いのちを守るドングリを我が家で植えてから1ヶ月。
    このドングリがいつか北の地で植樹されて、その後どうなるのか知りたくて、この本を手に取ってみた。

    人も森も宇宙の自然の法則の中で共存している生物なのだということ。
    これから先、何億年も美しい地球であるために
    人類は環境を破壊することなく共に優しい存在であるべきなのだと感じた。

    うちのドングリが30cmまで育てば、岩手県沿岸部に植樹される。
    まだ芽を出していないけれど、その日まで大切に育てます。

  • 自然植生に合った植樹、環境教育へのステップ

  • [ 内容 ]
    環境保全のために欠かせない樹木や植物。誰もがその大切さを知っているが、ただ植林をすれば良いというものではない。
    その土地本来の樹木(潜在自然植生)を見分け、それを主木として森を作ってこそ、地震や風水害に耐え、人命を守る防災・水源林の機能が備わるのだ。
    日本においてはいわゆるドングリと呼ばれる実をつけるカシ、ナラ、シイ、またタブノキなどの樹種がそれにあたる。
    なぜ土地本来の樹木からなる森が重要なのか、そしてそれはどう作ったらよいのか。
    日本、国際的にも植物生態学の第一人者である著者が自身の研究成果、経験をふまえて語る。

    [ 目次 ]
    序章 ドングリ苗を植える(植樹祭;木を植える目的 ほか)
    第1章 森と人間生活(森と私のかかわり合い;命を守る鎮守の森)
    第2章 植生の研究(生物圏と植生;生物圏における人間の位置 ほか)
    第3章 ふるさとの森づくり(斜面の森;都市・産業立地の森づくり ほか)
    第4章 世界の森づくり(東南アジア;ブラジル・アマゾン ほか)

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • ドングリ

  • 著者が今まで行った森づくりの実例や、植生についての説明が記されている。
    森づくりを行ううえで、本来その土地に生えるべきであった「潜在自然植生」を見極める事が大切との事。ちなみにドングリとはカシやナラの果実の総称で、ドングリという名の木は存在しない。
    植物の世界では環境の変化に一番弱いのは高木層であるらしい。動物の世界では食物連鎖の頂点にいる人間が、高木層に相当するという事もおぼえておきたい。

  • 著者は横浜国立大学名誉教授の植物生態学者(?)です。
    潜在自然植生という、その土地本来の樹種によって構成される森林を作る活動をされているようです。
    鎮守の森に代表されるような、潜在自然植生の森こそが継続性があり、防災や水源保全に役立つ、ということのようです。

    潜在自然植生という言葉は初めて聞きました。
    スギやヒノキの人工林はもちろん、里山の森や雑木林も人が利用するために手を加えた森であり、潜在自然植生とは限らないそうです。

    そして、その土地本来の植生を構成する樹種を選んで植林することによって、自然に任せれば何百年とかかる森の再生をもっと早く行うことが出来る、という事を実践されています。
    日本だけで無く、世界各地で森の再生を成功させているとのこと。
    すごいと思います。

    ただ、本としてはちょっと物足りなかったです。
    植生の話はなんだかいまいちぴんと来なかったですし、森の再生の事例についての話も、植えて成功した、というような羅列になってる感じ。
    もちろん、いろいろ苦労をされたと思います。たくさんの事例を次々挙げられるよりも、いくつかに絞って詳しく聞いてみたいなぁ、と思いました。
    ・・なんだか自慢話のように思えてしまったんですよね^^;。

    ちょっと期待と違った感じです・・。

  • 五郎助山にもドングリの樹がたくさんあります。

  • 2007年65冊目

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著者プロフィール

1928年岡山生。広島文理科大学生物学科卒業。理学博士。ドイツ国立植生図研究所研究員、横浜国立大学教授、国際生態学会会長等を経て、現在、横浜国立大学名誉教授、公益財団法人地球環境戦略研究機関国際生態学センター名誉センター長。独ゲッティンゲン大学名誉理学博士、独ザールランド大学名誉哲学博士、タイ国立メージョウ農工大学名誉農学博士、独ハノーバー大学名誉理学博士、マレーシア農科大学名誉林学博士。紫綬褒章、勲二等瑞宝章、第15回ブループラネット賞(地球環境国際賞)、1990年度朝日賞、日経地球環境技術大賞、ゴールデンブルーメ賞(ドイツ)、チュクセン賞(ドイツ)、後藤新平賞(2015年)等を受賞。第5回「KYOTO地球環境の殿堂」入り(2013年)。
著書に『日本植生誌』全10巻(至文堂)『植物と人間――生物社会のバランス』(NHKブックス、毎日出版文化賞)『瓦礫を活かす「森の防波堤」が命を守る』(学研新書)『「森の長城」が日本を救う!』(河出書房新社)『森の力』(講談社現代新書)『見えないものを見る力』『人類最後の日』『東京に「いのちの森」を!』(藤原書店)他多数。

「2019年 『いのちの森づくり 宮脇昭自伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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