- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087203189
感想・レビュー・書評
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自分の持つ「欲望」は幻想かもしれない。
不要な物を必要と感じさせ、欲望を喚起させることが果たして本当に求められているのか?
消費活動によってしか自己を表現できないような生き方はしたくない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
20170131読了。今後5才の息子に「我慢しなさい」と言うときに、引用した箇所を思い出すことになるのか。読み終わって数日経って、強く記憶に残っているのは「我慢」の箇所。
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「勝ち組」「負け組」という二分法が、経済的な勝利だけを唯一の指標とする考え方を前提としていると著者は指摘し、その前提の外側の世界があるということを疑うことさえしない怠惰な知性を批判しています。
著者は、「経済」という語が「経世斉民」に由来することを指摘して、「生きることが幸福でありたいという感情。これこそが経済という人間行為の本質ではなかろうか」と述べています。とはいえ、竹中平蔵でさえ「エコノミー」がギリシア語の「オイコノミア」に由来する語だということに触れつつ、経済学がほんらい人びとの幸福の実現をめざす学問だということを語っており、著者の指摘にそれほど目新しいものはないように思います。
もし、現在の経済より理想的な状況を描き出すことができるのだとすれば、じっさいにその方向へと舵を切ってソフト・ランディングを実現するための具体的な方法を見いだすことが、本当の問題なのではないかと思うのですが。 -
著者は何が書きたいかわからないまま書きはじめたらしい。正直、著者は頭が良すぎるのか言いたいことがよくわからないことも多々ある。ひとつ、歴史は繰り返すのでなくシステムを作り変えることでここまで来た。「正➡反➡合」であり経済も社会も同じシステムがずっとうまく行くようなことはない、というのはためになった。
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誰向けに、何のために書いたのだろうか。そういうことを考えさせられる一冊。
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[ 内容 ]
従うべき理論がなくなって、どう生きて行けばいいか分からなくなった日本人は、「勝ったか、負けたか」の結果で判断するしかなくなった―本書は、こんな “腑に落ちる”話から始まります。
そして、「生きることが幸福でありたいという感情。
これこそが経済という人間行為の本質ではなかろうか」と、一筋の光明に向かって、力強く語り始めます。
乱世の時代に対する、著者からの「解」がぎっしり詰まってます。
[ 目次 ]
第1章 乱世と勝ち組(「勝ち組・負け組」の原理 「乱世」を考える)
第2章 たった一つの価値観に抗する(隠されたトリック 「勝ち組」という基準を持ち出した人達 ほか)
第3章 悲しき経済(経済とはなにか 誰かが考えてくれる経済 ほか)
第4章 どう生きてったらいいんだろう?(なんにも出来ない構造 どう生きてったらいいんだろう? ほか)
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
実際に読んでみると、掴み所のない本だった。
何しろ、著者自身がまともな構想もないままに
書き始め、思いのままにわずか2週間で書き上げてしまった本なのだ。
しかも、著者は東大の文学部卒のバリバリの文型人間。
著書は何度も大学の入試問題に出題されてたりする。
そんな人が『勝ち組負け組』を論じるから、
全く一筋縄ではいかない。
一つ一つの文章は平易なんだけど、
結論ありきでなく、著者自身が考えながら書いているような文章なので、
話は二転三転し、結局この人はどういう立場で何を一番言いたかったのか
と言うのがよくわからなかった。
とはいえ、『わからない』を連発するには、
経済の本質的な部分をよく洞察しているし、
全く数字を使わない(使えなかったのかもしれないが)説明の割には、
説得力もあった。
経済とは何か。今の経済を動かしているのは何か。
恐らく、この人のようなアプローチは他にはあるまい。 -
桃尻語訳の人ってゆうイメージが強かったけど、
意外とマルチな知識人やったんやね。
賢い人です。 -
橋本治はレトリックで攻めてくる人だと思う。レトリックの展開から本質をえぐる。意外と誰でもが気づきそうで、なかなか気づかないことをさらっと述べる。で、驚く。頷く。理解する。そうだったのか、と。(06/8/11)
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わかったような、わかんないような。