田舎暮らしができる人 できない人 (集英社新書)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087203882

作品紹介・あらすじ

今、定年を迎える団塊世代を中心に、田舎暮らしへの関心が高まっているのはなぜだろう。軽井沢の別荘地のはずれでソフトな田舎暮らしを八年、その後農村地域の里山に居を移し荒地を耕して農園を拓くハードな田舎暮らしを一六年、さまざまなアスペクトを知る東京生まれの著者による実体験から、時代の変化が必然的に生み出した最新のライフスタイルの意味を探る。組織から解放され、社会への責任を果たして自由になった大人が、みずからの意志で選択する悔いのない終の棲処とは?田舎暮らしができる人にも、できない人にも、これからの三〇年を幸福に生きるためのヒントを与えてくれる一冊です。

感想・レビュー・書評

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  • 東京→軽井沢→長野県東御市と、年月をかけ田舎の暮らしに入り込んでいった1945年生まれの著者が、田舎で暮らしたい団塊リタイア世代向けに田舎暮らしの良し悪しを紹介した本。
    もちろん田舎暮らしの素晴らしさについて書かれているが、負の側面についても様々な角度から触れてあり、極端な礼賛や脅しに走っていないところに好感を持った。

  • 玉村豊男 著「田舎暮らしができる人できない人」、2007.4発行。真っ先に、イソップ物語の「いなかのねずみとまちのねずみ」が浮かんできましたw。まさにこの本の骨子だと思います。田舎は空気がきれいで自然の魅力に溢れている。一方で車がなければ不便だし娯楽や刺激は乏しい。私は海外3回を含めて、物心ついてから23回転居してますが、生き延びてきましたw。人間は順応性があり、ある期間が過ぎれば慣れることができるし、日本ほど暮らしやすいところはないのではないかと思っています(^-^)田舎と都会、両方あればベストですね。

  • 玉村豊男が田舎暮らしを二十年以上してきた経験から語る本
    田舎暮らしはスローライフではあるがやることはたくさんある。
    田舎暮らしに向いている人は、クリエイタータイプの人。一人遊びができるタイプ
    逆にスペクタータイプの何かを享受するタイプの人には向かないそう

  • 体験談がリアリティがあって良い。アンチ田舎暮らしの人らとおそらく似たような経験をしているが、それをおおらかに受容している。つまり結局は当人の問題だとは分かるのだが、自分がこの方のようになれるかというと自信はないな。。。

  • わたしの今住んでいるところはたぶん正確には田舎ではない。むかし流行った(今も人気はある?)保養地、別荘地のはずれに位置するというところ。

     だから「田舎に住む」と言う感覚はおかしいと思う。けれども庭を畑(菜園)にしているし、都会は行くところになったのだから、田舎暮らしになったと思っている。

     この著者玉村氏はほんとの田舎暮らし、長野県は東御(とうみ)市、標高850メートルの里山に1991年から住みついているという。

     あら、状況は違うじゃないのと思ったけれど、新聞のコラムでもお見かけするし、何かの参考にはなるべえと読んだ。

     田舎に住んでいるという優越感 (わたしは魅力は半々だと思う)
     手触りのある暮らしを求めて (生産地は畑だもの)
     自然の魅力がわかる年齢 (そう、それは先祖がえりした気分)
     スローライフは忙しい (ほんとに畑はやる事が多い)
     インターネットと宅配便 (そんな時代にめぐりあえて感謝)
     ひとりあそびができますか? (もちろん読書はひとりで)
     経験がなくても農業はできる (わたしさえ出来たのだから)
     ジムの代わりに畑へ行く (わたし夜はぐっすり)

     こんな内容でうなずく事大いにありだったのだが、わたしのテーマ「終の棲家となるか?」「病気の時は?」の具体的な指南は読み取れなかったのが物足りない。まあ、自分で見つけていくしかないことなのだけれども。

  • 好きで、やりたいと思うモチベーションがあり、それをやることで誰かの役に立てる、あるいは誰かが喜んでくれる、つまり自分の存在が他人にとって必要なのだということを認識できる、なんらかの行為を、人間は死ぬまで続けるべぎだと思うのです。

  • 妻が田舎暮らしに反対するのは、田舎の方が手間が増えるから。スローライフとは、ファストライフの反対で、手間のかかる生活。
    一人遊びができるかが田舎暮らしに向いているかを決める。

  • "ブドウ園、野菜・ハーブの栽培、ワイナリーまで作った著者から、田舎暮らしへのお誘い本。
    田舎暮らしにあこがれているだけでは、やっぱりうまくいかない場合もある。
    著者も何年もかけて、現地を回って、体験してということをしながら田舎暮らしを実践している。
    定年からでは、ちと遅い。体力あるうちから田舎暮らしになじんでいく必要がある。

    後4~5年でという計画を立てて実践したいと本気で思った。"

  • 成功例。田舎暮らしに向いている人かどうかの項は納得。自然と共に過ごす。時には戦いながら。

  • 昭和24年生まれの団塊の世代の私にとっては、昭和20年生まれの著者の時代感覚はとっても共有できるところがあり、すらすらと読めてしまいました。
    東大仏文科卒で、インテリゲンチャ―だ。
    自然な流れで、軽井沢から終の棲家と決めた現在の住まいまでのプロセスがさらっと、少々ユーモアも入れ、経済学者の感性での書きぶり。おしゃれです。
    内容は
    第1章 田舎暮らしの魅力
    第2章 いまなぜ田舎暮らしなのか
    第3章 バリアが低くなった田舎暮らし
    第4章 スローライフは忙しい
    第5章 田舎暮らしの意味するもの
    第6章 田舎暮らしができる人できない人
    第7章 田舎暮らしの心配こと
    第8章 農業をやりたい人へ
    あとがきーーー新しい人生に漕ぎ出す友へ

    です。

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著者プロフィール

1945年東京都杉並区に生まれる。都立西高を経て東京大学フランス文学
科卒。在学中にサンケイスカラシップによりパリ大学言語学研究所に留学す
るも紛争による休講を利用して貧乏旅行に明け暮れ、ワインは毎日飲むもの
だということだけを学んで1970年に帰国。インバウンドツアーガイド、
海外旅行添乗員、通訳、翻訳を経て文筆業。1983年軽井沢に移住、
1991年から現在の地で農業をはじめる。1992年シャルドネとメル
ローを定植。2003年ヴィラデストワイナリーを立ち上げ果実酒製造免許
を取得、翌2004年より一般営業を開始する。2007年箱根に「玉村豊
男ライフアートミュージアム」開館。著書は『パリ 旅の雑学ノート』、『料
理の四面体』、『田園の快楽』など多数。近著に『隠居志願』、『旅の流儀』。
『千曲川ワインバレー| |新しい農業への視点』刊行以来、長野県と東御市
のワイン振興の仕事に専念してきたが、古稀になった今年からは、少しスタ
ンスを変えてワインバレーの未来を見渡していきたいと思っている。

「2016年 『ワインバレーを見渡して』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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