- Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087203967
作品紹介・あらすじ
女性は女らしく、男性は男らしいのだろうか。もともと、女性はおしゃべりで、男性は権威的なのだろうか。巷では、男女の知的能力や行動、感性の違いを、脳の生来的な違いに求めようとする言説があふれている。それらは、どこまで根拠のあるものなのだろう?さまざまな例を挙げながら、性差や能力と脳の関係について、神経生物学者と科学ジャーナリストがわかりやすく解説する。
感想・レビュー・書評
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脳に男女差があるのかどうかについてのお話
いろんな書籍もあるけどと過去にすごい売れたものの
記述もあったけど結局のところ差はなさそう
環境の影響などが大きく環境による能力の向上などは
見られるようでした
まぁでもまだわからないことがおおそうな世界です
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この本は、男女で脳の構造や身体的能力に関して、生まれながらの生物学的な違いがあるのかという検証を目的としている。
この著者の意図としては、その違いがあると主張する論説に対し、その科学的根拠のないことを指摘している。
そして、男女の生物学的決定論としての差があるという主張をことごとく論破している。
また、そのような根拠のない理論が出現する過程として、安易な現状肯定や政治的意図も存在することを伝えている。
男女の性差に関する、現状の根拠のない理論の論破の他に、この著者は、もう一つの主張を後半でしている。
それは、生物学や脳科学という学問の分野が、理論や技術に走り人間の苦悩や感情を、その技術で解決できるという安易な万能感に浸ってしまう傾向が見られることへの警鐘である。
本来人間の悲しみや喜び、幸福、絶望などの人間の生き方に関することは、哲学、倫理学などの人文学の分野が担当してきた。
しかし、脳を自在にコントロールできる技術があれば、それらは必要はなくなるといった考えである。
悲しくなったら、この薬を飲めば良いなどで、人間の感情や情動がコントロールでき、誰もが幸福になれるというような考えであろう。
そのような、主張の安易さと不可能性を訴え、人類が長年で築き上げた人文学の必要性を訴えてむすんでいる。 -
男性の方が孤独感を感じやすく自殺しやすい。
同性愛は生物学的原因に由来するもので、ホルモンや脳や遺伝子の問題だと主張する説に、科学的なものは一つもない。 -
[ 内容 ]
女性は〈生まれつき〉女らしく、男性は〈生まれつき〉男らしいのだろうか。
もともと、女性はおしゃべりで、男性は権威的なのだろうか。
巷では、男女の知的能力や行動、感性の違いを、脳の生来的な違いに求めようとする言説があふれている。
それらは、どこまで根拠のあるものなのだろう?
さまざまな例を挙げながら、性差や能力と脳の関係について、神経生物学者と科学ジャーナリストがわかりやすく解説する。
[ 目次 ]
第1章 男女間の争いにおける脳
第2章 違いを探せ-性によって、頭のなかにどんな差があるのか?
第3章 経験が頭脳をつくるとき
第4章 遺伝子とホルモンと性別
第5章 情動と知性はホルモンの支配下に?
第6章 行動にどのような進化の刻印が押されているのか?
第7章 性の混乱
第8章 「神経社会学」へ?
エピローグ
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
男と女は後天的に性格が生じるのであって、脳そのものに男女の性差はない。
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男の脳、女の脳、というステレオタイプな見方に異議を唱える内容。要約すると、男女の脳の差というものはあるが、脳には可塑性があるので生まれた時点で男脳、女脳、というものが決まるわけれはない、という。しかし、生まれた時点での男女差に比べて生後の変化の方が大きいという証拠は一切提示しておらず、論として成り立っていない。胎児期にアンドロゲンに曝露されることが男女脳を作るという昔の実験の批判についても著者らの指摘の通り、古い実験の精度はよくないが、この分野は相当な数の研究結果が蓄積されており、2-3の特殊な反例をあげてこれを否定するのにも無理がある。アインシュタインの脳は1215gで平均(1350g)よりも小さかった音楽の訓練が及ぼす影響が最大になるのは脳の可塑性が一番大きい5歳から10歳の間Brain 127, 1845-52, 2004女性の言語野が男性よりも両側性だという説は確かめられなかった、というメタアナリシス(が、内容を見ると微妙)
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生物学的要因に安易に流れないようにとの喚起だね。
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性差や能力と脳の関係について、神経生物学者と科学ジャーナリストがわかりやすく解説する。