- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087204407
作品紹介・あらすじ
北斎をはじめとする江戸の浮世絵師たちにとって、版本の挿絵は重要な仕事であり、そこには、物語作者とのコラボレーション、対決を通じての創造のあくなき追求を見ることができる。北斎・馬琴の『新編水滸画伝』『椿説弓張月』から無名の作者、絵師の作品に至るまで、幽霊や妖怪、異界のものたちが跋扈し、生首が飛び、血がしたたる、残虐とグロテスクに満ちた「奇想」のエネルギーが横溢しており、斬新な技法、表現、意匠の実験が絶えずくりかえされている。本書は、この膨大な版本の世界を渉猟し、新発見の図版などから、現代のマンガ・劇画・アニメにまで流れる日本の線画の伝統の大きな水脈をたどり、その魅力と今日性を浮き彫りにする。
感想・レビュー・書評
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マンガのルーツは江戸にあり!
・・・いえ「鳥獣戯画」は元祖だとは思いますが、
コマワリ、自然現象の表現…その他がすでに
江戸時代に始まっていたというのに驚き!
そして、やっぱり天才だよ~北斎!!
その絵を彫っちゃう職人技に驚愕!!!
図版と作品のあらすじが豊富で、楽しめました♪詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
北斎・馬琴コンビ好きは読むべし!
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北斎、豊国などが描いた合巻や読本などの挿絵集。
精密かつ趣向を凝らした挿絵は圧巻です。
出典の本のあらすじが説明してありますが、要約が下手で内容がよくわからないものも。 -
江戸後期、黄表紙や読本に描かれた挿絵を集めた本。現代
でも通用する構図や描写に驚く。北斎が素晴らしいのは当然
なのだが、百々目鬼ならぬ百々「口」鬼とでも言うべき野風
は必見。 -
200年前に描かれた、北斎、豊国らの挿絵から選りすぐった図版100点を掲載
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<目次>
はじめに 江戸後期挿絵の魅力
第1章 「異界」を描く
第2章 「生首」を描く
第3章 「幽霊」を描く
第4章 「妖怪」を描く
第5章 「自然現象」を描く
第6章 「爆発」と「光」を描く
第7章 デザインとユーモア
<内容>
江戸時代の黄表紙、読本、合巻に描かれた挿絵。いずれも有名な浮世絵作家や作家本人が書いている。その工夫を、この時代の美術の第一人者、辻惟雄先生がまとめたもの。授業では作品の紹介はしたが、その絵の部分まで分析したり、話したりしていないが、実に面白い。画家たちの創意工夫が素晴らしく、敬意を表する。
逗子市立図書館 -
2014年8月5日イオンモール鈴鹿BF
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今の漫画表現ってかなり浮世絵に影響されてるんですね!
主人公が霊界を見ている場面で、主人公たち以外を薄墨で描いて、世界の違いを表現したり、線が一本のびて行って、次のページを捲ったら犬が人の首をくわえて歩いてた血の跡だったり…。
浮世絵みたいに華やかじゃないけど、絵師が白黒の挿絵の中でいかに読み手を楽しませる演出を盛り込んでいたかがよく解るんです!
表紙にもなってる、北斎先生が描いた爆発の表現とか、もう凄いインパクト!まさにクールジャパン(使い方合ってますか?)だなぁって!!