小説家という職業 (集英社新書)

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著者 : 森博嗣
  • 集英社 (2010年6月17日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087205480

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小説家という職業 (集英社新書)の感想・レビュー・書評

  • 最初の章が面白い。
    研究者から、小説家へのなる過程が、普通の小説家の小説への思い入れと全く違う。だからこそ、小説への独特な距離感がでていて、客観的な意見がいえるのだろう。
    小説家になることよりも、小説家でいつづけるための努力が必要だというところは、小説家を扱う本に書いてある共通項。

  • 小説家になるには、とにかく「書く」こと。それだけで、小説家にはなれる。それが多くのニーズを勝ちとり、食っていけるだけの商品になるかはまた別の話。ただ、なろうと思えばいつでも、誰でも、1冊書いてしまえばなれるということ。

  • 面白かった。とにかく、書く。メモしなければ忘れてしまうものは大したネタじゃない。
    森博嗣氏の小説を読まずに新書ばかり読んでいるけれど、そろそろ小説も読んでみたいなあ。

  • 恥ずかしながら、この本を読むまで作者のことは、知りませんでした。タイトルから少し離れるのかもしれませんが、小説の正体は、何かを文章として簡潔に表現されていると思います。
    第2章の中で、「小説は、家庭用品などの実用品ではない。人間の感性を売りものにした芸術的な商品」とあり「新しさ」と述べられています。その点から、「さらに生産する理由」を考える必要があると著者は、言ってますが、素晴らしい古典が多々あるなか、重要な点だと思います。
    第4章の中で、世界の中で小説がない国があるが、「どの文化にも、物語の伝承はある。」とし、人間は、「物語に耳を傾ける好奇心と、そこに美しさ、勇気、優しさ、醜さを見出だす感性は、人間という種の優れた機能の一つである。」と述べているのですが、簡潔にして明瞭な一文だと思います。
    「なにも混ざっていない小説の美しさは、読んでいるときに素晴らしく酔えて、本を閉じたときにすべてたちまち消えるものである。」にハッとしました。谷崎潤一郎『細雪』がこれだと感じたからです。『細雪』をどう表現したらよいのか、考えていたのでスッキリしました。テーマがどうこうではないですよね。
    第1章の中で、「多くの人は、ただ本をひたすら読むだけで満足しているようだ。中略 僕の場合、一冊読めば、一週間はそれについてあれこれ考えたくなる。」とありますが、とても反省させらました。

  • とりあえず、書いてみるべし。

  •  森先生は、「オリジナリティのあるものを生み出すことが最重要」と仰る。これは、小説家を目指すことに限らず、ビジネスも同じだと思います。この本は、すべてのビジネスパーソンの参考になるのではないでしょうか。

     森博嗣先生のこの手の本を読むのは『作家の収支』に続いて2冊目です。森先生にとって小説を書くことは、作家になるためだったわけではなく、趣味に使うためのお金を稼ぐための手段だったわけですけれども、「いざ小説を書き始めると、次から次へと発想が生まれ。書いている物語はもちろん、次のこと、その次のこと、別のシリーズのことなど、どんどん発想される。そういう発想が、執筆の邪魔になるくらいだ。」と書かれているように、やはり非凡な人なのだと思います。その森先生からのアドバイスは、「とにかく、書くこと、これに尽きる」でした。

     「大事なのは、“自分はこれを仕事にする”という“姿勢”である。」小説家に限らず、創造的であることが求められる仕事を自分の仕事にしようとすれば、そこには、具体的なノウハウを知っただけでは越えられない壁が立ちふさがっているはずだ。もしかしたら、この本には、その目に見えない壁の存在を思い知らされる事実が描かれているのかもしれません('◇')ゞ

  • 森博嗣の新書は安定して面白い。こりゃ小説も面白いだろう、と思わされる。まさに作者の思うつぼだ。

    小説家になりたい人はとにかく書け!というのが一貫した方法論。他には、創作物(ドラマ、映画、漫画)を見て創作するのは駄目。そこにはすでに他者の視点が入っているので、広くて自由な視野が阻害される、という。これは大変納得の意見だ。引っかかってくる作家は結構いると思う。

    個人的に、漢字・ひらがな・カタカナ・送り仮名の統一表を作ったが膨大な量になり放棄した、という話にホッとした。本のレビューを書く時も悩むのだ。自分にとって自然な文章を書くのが一番だ、という。その言葉が聞きたかった!という気分だ。

    時々「ん?そうか?」というような話もあるのだが、そこは気楽に読むことにした。「悪口を言わない人は悪口を言われても怒らない」ってそりゃないだろう(笑)。

  • 20161107


    人気作家、森博嗣がこれまでどのようにして小説を書き続けてきたのか、そして出版社の本当の姿と、これから進むべき道について、包み隠さず、ストレートに表現された一冊。

    後作の、作家の収支がとても面白く、その前に書かれた本作をどうしても読めたくなり購入。

    漠然と小説家に憧れを持っていたが、本当の小説をの覚悟とか迫力のような物を強く感じさせられた。

    小説家になりたければ、とにかく書くことに尽きる。
    そして数を書く事の大事さを実感させられた。
    書いてみたい。けど、書く事で自分に才能が無い事を突きつけられる事が恐ろしい。

  • 最近、森博嗣の著作は新書の方が読みやすい。
    昔は小説も何冊か(「すべてがFになる」とか)読んだけれど、この間、久しぶりに新作「彼女は一人で歩くのか?」を読んだら、ちょっとついていけなかった。(ジャンルのせい?)

    個人的に小説家という職業に興味があって、この本も手にとった。こういう「小説家になろう」みたいな本は、以前にも別の著者のものを読んだことがあるが、それとはまったく別物な気がする。

    だいたい、こういう本は二つのパターンに分かれると思う。
    一つはまったく具体性のない、抽象的な話と精神論みたいな話が続くもの。もう一つは具体的に一から細かく説明がなされているもの。
    本作はそのどちらにも属さない。強いて言えば、どっちも半分ずつ良いとこどりをした感じ。だからすごくお得だなと読み終えた後に思った。

    目からウロコだったのは、「文体は必要ない」「メモは作らない」のところ。自分って色んなものの型にはまりすぎていたんだなと再認識した。
    その他、出版業界の話、ビジネスとしての作家になるにはといった話もとてもためになった。

    とにかく書くこと。
    おっしゃる通り。わかりやすいとは言えないけれど、その一歩を踏み出すのに大いに勇気をくれる一冊だなと思った。

  • 森博嗣の作品が好きで(と言ってもあまり読んだことはないが)、物書きという職業に憧れている自分にとって非常な好奇を持って読んだが、著者の小説に対する冷めた想いには少し引いた。小説がマイナである、という考えのもとにかなり偏った考えを披露しているが、「創作は贅沢であるべき」「とにかく一本書いてみるべき」といった考えはその通りだと思った。
    森博嗣は天才肌で、誰でも真似できるわけではないが、自分の個性を出して、何が求められているかを考えて創作していくのは結局メーカーでの開発と同じである。ごちゃごちゃいってないでやってみるべきである。

  • こういう言い方が適切かはわからないが、”共感”した気になれる本だ。出版業界の理不尽さへの不満や創作に対するスタンスは、これまで既存のもので良しとされてきたものへの反逆めいたものを感じて刺激的の一言に尽きる。

  • ともかく書け!ということか。森さんらしい視点。

  • [ 内容 ]
    小説家になるためにはどうすれば良いのか?
    小説家としてデビューするだけでなく、作品を書き続けていくためには、何が必要なのだろうか?
    プロの作家になるための心得とは?
    デビュー以来、人気作家として活躍している著者が、小説を書くということ、さらには創作をビジネスとして成立させることについて、自らの体験を踏まえつつ、わかりやすく論じる。

    [ 目次 ]
    1章 小説家になった経緯と戦略(何故、小説を書き始めたのか;小説家にはなりやすい? ほか)
    2章 小説家になったあとの心構え(続かない理由その1―最初の作品を超えられない;続かない理由その2―読者の慣れ ほか)
    3章 出版界の問題と将来(出版社は協同組合;出版社の周辺 ほか)
    4章 創作というビジネスの展望(気になる楽観主義;生産者は生き残る ほか)
    5章 小説執筆のディテール(芸術は奇跡である;文体は必要ない ほか)

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 頭が良い人は違うな、と思った。

  • どのように森博嗣の作品ができたのかがわかる。ビジネス、職人。業界についても触れている。
    読後、もういちどシリーズを読み返したくなった。


    (すばるさんは小説マニア)
    蔵書、電子書籍

  • メフィスト賞受賞作家が好きな方にオススメな一冊。とりあえず15ページまで読むことをお勧めする。すると、次の文章にたどり着く。

    『この「まえがき」を読んだだけで、本書がかなり「異端」であることがご理解いただけたはずである。自分にとって価値がありそうだ、と予感された人が本書を読まれることを期待する。その予感が正しかったとしたら、それは小さな幸運だろう。』

    メフィスト賞受賞者には西尾維新さんや辻村深月さんらがいる。賞の受賞者にはコアなファンがつくとかつかないとか。そんな少し尖ったイメージのある賞。その賞の第一回受賞者・森博嗣氏の小説論。

    これは小説の書き方のノウハウ本というよりは「ビジネスにおける小説の強み」が書かれた本だ。例えば流通段階を除いて生産段階に着目すれば、ほとんどの工程を一人でやることになるので人件費が少なく生産効率が高いとか、一人で作る工程が多い分、個人の思考や技が色濃く反映され映画やアニメなど集団によって作られたものとは違った魅力を提供できるとかだ。
    そういう視点は面白かった。本は経済的に優れた商品なのかなんて疑問は持ったことがなかったので新鮮な気分だった。
    他に細かいテーマで面白かったのは「予定」と「会話」について考察している部分。予定や計画を立てるのが苦手なひとは多いと思う。「もっと計画的にやれよ」という文句を心の中でつぶやいたり、相手のことを思って指摘したり、怠惰な自分自身の生活に向けて猛省を促した経験をお持ちの方も多いはず。されど伝わらないのが常である。予定や計画を立てるのが苦手なひとはとことん苦手なのである。大概予定通り進まない。
    しかし、森氏は予定を立てることは「自由」であると述べている。予定を立てることは現実をを理想に近づけることであると。それこそが有意義な人生を送ることなのだと。
    「予定を立てるのが嫌だー」という人に会ったら伝えたい。これを伝えたところで私自身を含めて劇的に改善するとは思われぬが、伝えたいものである。
    続いて「会話」についての部分。これは小説における会話のシーンを書くときの注意点を言及したもの。小説のみならず日常生活でも会話をつなげていくというのは悩みのタネである。会話は言葉のキャッチボールなんてよく言われるがそう簡単に相手のミットにボールは収まらない。レッドソックスの上原浩治(2013年)のような素晴らしいコントロールをもっている人間は一握りである。落球やらノックの打ち合いは日常生活茶飯事であり、もはや壁に向かって投げているだけではないかと思われるほど独り相撲に陥ることもある。
    しかし、森氏のアドバイスを読むことで救われる部分がある。

    『実際の会話がというのは、一つの話題のときも、それぞれは別々のことを考えている。人間は常に勝手に考えるという特性を持っているのだ。』
    『会話はもっとわかりにくく、スリリングなものだ。わからないから、相手の注意を引く効果もある。』

    会話を書こうとする綺麗なキャッチボールになってしまいがちだがそんなのは現実的ではないし面白みに欠けるということなのだろう。逆に考えれば現実社会で綺麗にキャッチボールするのは難しいことなのだとも言える。

    会話も予定も言葉も、理想通りにならい。しかし理想に近づけようとすることが面白さであり有意義なものなのではないかと感じることができた。小説とは違う視点から作家の個性に触れられる貴重な瞬間をいただいた作品でした。

  • 小説の書き方を指南する本ではなく、作者の小説家人生について語った一冊と言えます。苦労の末に小説家としてデビューした方ではなく、戦略的に小説家人生を歩み出したんだなと、本書の内容からは感じられました。

  • <印象的な箇所のクリッピング>
    ・小説家もビジネス。小説書くのが好きなだけなら無料で作品配布すればいい。
    ・商売の基本は、新しいニーズを発掘してそこに商品を投入することの繰り返し。
    ・とにかく書き続ける。1個ヒット作出すより10個小さく当てる方が現実的。
    ・ユーザーのネットの感想を分析する。ネガティブ意見は貴重。何故そういう書き込みをするのか、ユーザーの心理を分析すると小説の次回作に役立てることができる。
    ・出版社のお客さんは読者ではなく書店さん。
    ・作家を将来にわたってプロモートするような出版社はない。作家は自分の作品をセルフマネジメントする必要がある。
    ・出版業界はビジネスの常識から見ておかしい。契約内容が曖昧、お金がいくらか曖昧、締切が曖昧。
    ・自分が自由になるために「他人が自分を好きになる」ことを犠牲にする。
    ・アウトプットするほど上達する。
    ・たくさん読むより、1冊の本を何度も読んで思考して自分のものにする方がいい。

    <レビュー>
    大沢さんの小説講座本と言ってることがほとんど違うので、面白い。両方一緒に読むと役立つ。

  • 新書第8段。 「小説」というテーマのため、これまでのエッセイの中でも特殊。「水柿君」で書かれた内容の詳細と舞台裏版といったところ。 「あくまでビジネスとして小説を書いている」と言っている先生。その書き始める前の考察には驚いた。「日本人は最大でも1億人程度しかいない」「他国で翻訳される可能性」「リーダビリティ」など、様々な可能性を具体的に考えられている。たまたま売れるのを期待するのではなく、そのための可能性をしっかり見出していく姿勢、いろんなものに通じる。 「作家は、愛されるために作品をかくのではない」

  • 小説家になるためにはどうすれば良いのか?小説家としてデビューするだけでなく、作品を書き続けていくためには、何が必要なのだろうか?プロの作家になるための心得とは?デビュー以来、人気作家として活躍している著者が、小説を書くということ、さらには創作をビジネスとして成立させることについて、自らの体験を踏まえつつ、わかりやすく論じる。

  • 初版が1万8000部だった。1冊800円の本ならば10%の80円が印税となり、80×18000=144万円が貰える。本が一冊も売れなくても、印税は発行部数に対して貰えるのだ。〜省略
    累計約57万部だと、80×57万=4560万円を1冊が稼いだ計算になる。〜

    なるほど〜!
    よく分かった!

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