小説家という職業 (集英社新書)

著者 :
  • 集英社
3.76
  • (78)
  • (186)
  • (134)
  • (16)
  • (4)
本棚登録 : 1596
感想 : 175
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087205480

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 森さんが小説家として成功した理由の一部は書かれているので、森さんの小説は手に取らない人にも参考になる。活字を読む習慣がある人なら、簡単に読めて、そこそこ同意できることが書かれていると思う。

    強調しておいても良いこと
    ・小説家になる方法を記した作家の中では、売れる本を書いている人
    ・趣味の一つとして、小説を書いてみたら、売れちゃった人
    ・専業小説家が書くものとは、少々毛色が異なる。精神論や、心構えに関しては書かれていない。

    で、私はこれを読んで、感想ぐらいは人に読めるところに置いておこうと思った訳です。

  • どんな仔細で大学教授が小説家になったか、その一部始終を飾り気なく淡々と綴った一冊。目からうろこの、なるほど本。

  • 読み始めてすぐわかったことは、「俺は小説家にはなれないなあ」ってことだった。すくなくともこの本で言われていることを鵜呑みにして、そして職業としての小説家になるならば、だ。小説を読むことが大好きな人は、憧憬の眼差しで小説家という職業を見てしまう。だがあくまで小説家というのもまたお金を稼ぐビジネスをしているのだ。楽しいことばかりではないし、自分がやりたいように好き勝手やって読者がついてくるなんて、そんな夢物語はそれこそ小説のなかにしかないのだ。現実はそう甘くはない。著者がほとんど自分の職業の魅力などすべてを否定し、あくまで仕事なのだと割り切った態度が逆に好感を持てる。小説もビジネスなのだ。

  • 人気小説家による職業作家としての心構えを記した書。小説の創作をビジネスとして捉え、売るための戦略を事細く論じている。現状の出版界への批判も的確。しかし、小説家として生き続けることは決して簡単ではないだろう。

  • 出版業界のあり方や小説家として食べていくことについて語っている、森博嗣さんのエッセイ風実用書。

  • 単純に文が好きなのかもしれない。
    あの文の簡潔さと著者が理系の研究者ということは無関係ではないと思う。

    バイトとして小説を書き始めるってのもすごいけど、合理的に考えていて、そういうのは何にしろ何か作品を創る人には必要な観点だと思う。
    好きなことだから譲れないものもあるのだが、だからこそ盲点になることはやはりある。
    そういうのが良い作用をもたらす場合もあるのだけど。

  • 結構断定的な語り口調で、内容も別に全てに賛同はできませんが、小説を書くことをビジネスと割り切る姿勢や、またこの方が実際どのように書いているかという話などは、多くいる作家のうちの一例としてとても興味深いです。
    自身の作品への批判すら人間観察の材料として受け止めてしまう姿勢には、非常に学ぶところがあると思いました。

    ただ、独特で断定的な語り口調なので(多く理系の人を見ていると「らしいなあ」と感じてしまう類の特徴にも感じます)、受け付けない人は受け付けないんじゃないかと思います。

    それにしても、この本の文中にもありますが、作家側から出版業界や出版社・編集者を語る記述を見る度に、どうしても作家と出版業界がビジネス的な意味でもまともな関係を築けていると思えず勝手に心配になってしまうのですが……ひとのことはアラのほうが語り草になるとはいえ、実際どうなんでしょうね。

  • 高校生〜大学初学年のころ、森博嗣氏の小説にはまった。特にS&Mシリーズについては、どっぷりはまった。むさぼるように全巻を読んだ。そして、自分の身の回りに犀川助教授のような師匠がいたらいいのに、と思ったものだった。とにかく、ある種の憧れを抱いていたのは間違いない。そんな思い入れのある、森博嗣氏が手の内を明かす本を書いたわけである。これは読まない手はない。で、読んだというわけだ。読んだ結果思ったこと: ・自分は小説家にはなれない人種と確信 ・森博嗣氏はたぶんドS ・そして、犀川創平氏そのものであると確信本書に書かれている通り、小説を書きたいと思う人が読むべき本ではないかも。森博嗣氏が、どんな思考過程を経て小説を書いていたんだろう?ということを知りたい人はぜひ読むことをお勧めします。

  • 2011/12/23読了

    なるほどな、色んな人のエッセイや小説に関しての考えやハウツーを読んできたけれど、やっぱり十人十色。皆違っていて、面白いわ。
    森さんは珍しいタイプだろう。ライブ型の作家だが、自作を読まないっていうのもひとつの考えとしてはありだろうし、次に進むのが容易そうでもあるね。
    小説家という一つの職としての見方は、憧れていながら欠如していたので、その実態を見ることができたのは良かったと思う。
    人を書き、人に売るが、人との付き合いもいるし。
    金銭面やら何やら。知らないことが意外とあるものだ。
    まあ、これもひとつの考え方である。

  • 基本的に小説家も仕事なので、変に期待せずにビジネスとしての向き合い方を考えていかなければならない。

    ってことなんでしょう。

    当たり前だけど、憧れの職業ってどうしても暗い部分を見落としがちになるから気を付けよう。

全175件中 61 - 70件を表示

著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

森博嗣の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×