小説家という職業 (集英社新書)

著者 :
  • 集英社
3.76
  • (78)
  • (186)
  • (134)
  • (16)
  • (4)
本棚登録 : 1597
感想 : 175
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087205480

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ただひたすら書け。3年後10年後を見据えてかけ。マイナ作品を量産しろ。

  • 文芸出版界をとことん客観視していて面白い。
    この資本主義社会の過渡期において、最後に生き残るのは、というか間に入るエージェントの動向を気にせずに済むのは、小説にかぎらず「生産者」であると痛感していた矢先だったので、なんだか同士を得た気がした。

  • 小説家になるには、とにかく「書く」こと。それだけで、小説家にはなれる。それが多くのニーズを勝ちとり、食っていけるだけの商品になるかはまた別の話。ただ、なろうと思えばいつでも、誰でも、1冊書いてしまえばなれるということ。

  •  小説の書き方ではなく、小説家という職業について、著者の体験や考え方を中心に書かれた一冊です。悲観的な意見もたびたび見受けられますが、なるほどなと思える話も多く、個人的には実りの多い内容でした。
     冷めた性格というより、はっきりと割り切った考え方をするんだなという印象です。だからこそ小説の執筆をビジネスだと意識し、プロとしての仕事を貫いているのでしょう。
     読み進めていくうちに突き放されているような応援してくれているような、不思議な感覚になりました。何度か繰り返し読んでいますが、回を重ねるごとに自身の体験や知識と呼応する箇所が多くなり、より理解が深まるように思えています。

  • 面白かった。とにかく、書く。メモしなければ忘れてしまうものは大したネタじゃない。
    森博嗣氏の小説を読まずに新書ばかり読んでいるけれど、そろそろ小説も読んでみたいなあ。

  • 20161107


    人気作家、森博嗣がこれまでどのようにして小説を書き続けてきたのか、そして出版社の本当の姿と、これから進むべき道について、包み隠さず、ストレートに表現された一冊。

    後作の、作家の収支がとても面白く、その前に書かれた本作をどうしても読めたくなり購入。

    漠然と小説家に憧れを持っていたが、本当の小説をの覚悟とか迫力のような物を強く感じさせられた。

    小説家になりたければ、とにかく書くことに尽きる。
    そして数を書く事の大事さを実感させられた。
    書いてみたい。けど、書く事で自分に才能が無い事を突きつけられる事が恐ろしい。

  • この本は小説家を目指す人に向けたエールの本だと期待すると大半の人はその期待を裏切られると思う。私は、小説家に憧れる者ではあるが、実際に小説で金を稼ごう、食っていこうとは今のところ真剣には思っていない。ただ、小説が書いてみたい、と思っていて尻込みしてるだけの単なる一般人だ。よくいる読書家が冷水を飲もうとして躊躇しているだけの小市民だ。

    そんな私がこの本を読んだ理由。それは森博嗣その人に興味があるからだ。この人は理科系の研究者というモノ書きからは最も遠い場所にいてどうしてあんなに面白い小説が書けるのか?非常に興味深い。

    森博嗣の小説家としての在り方は、破天荒だ。
    長嶋茂雄風。
    来た球をカーンと打つ
    ぶっちゃけたことを言えば、この本にはその程度のことしか書かれていなかったと私には思えたのだが言い過ぎだろうか

    森博嗣自体は
    小説はビジネスとして書いている。お金を稼ぐため人に自分の作品をサービスとして書いているんだから苦労がある。楽しくない。
    そう書いているが、この本の読者は本当にその言葉を文字通りに捉えたのだろうか?
    私はそんな風には到底思えなかった。
    森博嗣の小説家ザマ?はとても楽しそうなのだ。
    こんな風な小説家にならなってみたい、と思えるものだった。

    この本は小説家を目指すというよりも、正直森博嗣を目指す本なのだと思う。
    そして私は小説家にはなりたくないが、森博嗣にはなってみたいと思った。
    また、森博嗣のようになれれば小説家になってもいいと思う。
    それが無理なら趣味の域で楽しむのがベスト。
    まぁ大抵の人にとっては趣味の域で終わるのであろう。
    そんな特別な能力を持った人は数多くいない。
    それでも地球は回ってる。それでいいじゃないか

  • 文学青年でない、理系やノンフィクションの本もいっぱい読んでる人向けの小説家入門。
    私も「文学しか読まない本好き」ではないので、このアプローチはとても自然に受け入れられる内容でした。
    著者の「興味のある人しか読まなくていい」っていうスタンスがありますが、読み進めている人には意外と親身だったりする。理系っぽい突き放しぎみの愛情...。

  • 高校生〜大学初学年のころ、森博嗣氏の小説にはまった。特にS&Mシリーズについては、どっぷりはまった。むさぼるように全巻を読んだ。そして、自分の身の回りに犀川助教授のような師匠がいたらいいのに、と思ったものだった。とにかく、ある種の憧れを抱いていたのは間違いない。そんな思い入れのある、森博嗣氏が手の内を明かす本を書いたわけである。これは読まない手はない。で、読んだというわけだ。読んだ結果思ったこと: ・自分は小説家にはなれない人種と確信 ・森博嗣氏はたぶんドS ・そして、犀川創平氏そのものであると確信本書に書かれている通り、小説を書きたいと思う人が読むべき本ではないかも。森博嗣氏が、どんな思考過程を経て小説を書いていたんだろう?ということを知りたい人はぜひ読むことをお勧めします。

  • 如何に売れる小説を作るか。
    職業としての小説家とは。
    面白い・手にとってもらえる読み物とは、
    如何にも理系的な思考で、
    到った解答は......
    今年一番読んだ作家はこの人になってしまいました。
    非常に魅力的。
    ここ最近は新書が多いですが、
    文庫も面白い。

著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

森博嗣の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×