荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論 (集英社新書)

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著者 : 荒木飛呂彦
  • 集英社 (2011年6月17日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087205954

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荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論 (集英社新書)の感想・レビュー・書評

  • 荒木飛呂彦さんの定義によると、ひたすら「観客を怖がらせるために作られた」映画がホラー映画ということです。さらにエンターテイメントでもあり、恐怖を通して人間の本質にまで踏み込んで描かれているような作品であれば、紛れもない傑作ということです。
    正直な話、ホラー映画はかなり苦手で積極的に観ようと思ったことはないのですが、上記の定義から、『ジョーズ』『ナインスゲート』といった自分好みの映画も含まれていたのには驚きました。(笑)このため、この定義には多少異議あり!なんですが・・・。(笑)また、「ホラー」というか、サイコサスペンスやオカルト系などは割と自分は好きな方なのですが、本書では『エクソシスト』や『オーメン』、ボーダラインに位置付けられている『羊たちの沈黙』や『セブン』も取り上げられていて、何だ自分も「怖いもの」が好きなのかなと。(笑)スリルとカタルシスを求めているんだ、とちょっと抵抗してみたりして。(笑)それも「ホラー」あってだろ!と言われてしまいそうですが・・・。
    しかし、これまでいわゆる純前たる「ホラー」と認識していた『13日の金曜日』や『エルム街の悪夢』『ソウ』などはやはり怖くて怖くて観れそうにありません。本書の紹介文を読んだだけで怖くて震えあがってしまったほどです。(笑)『エイリアン』『リング』『ミザリー』『アイ・アム・レジェンド』なども確かに面白くて名作だなと思いますが、あの恐ろしさを観てしまったからには再見の心境へはなかなか到達し難いなあ。(笑)『ゾンビ』を観て癒されるという著者の領域までにはまだまだ遠そうですね。(笑)
    「人間の本質」には確かにダークな面があり、こうした映画が作られ観る人がいるということは、やはり人には「恐怖」を見て、味わい、疑似体験したいという欲求があるのでしょう。ただ脳内麻薬を大量発生させたいマニアな方もいるのでしょうけど・・・。(マニアな方、失礼!)そうした「怖さ」を演出するには、かなり緻密な計算やアイデアが必要ということで、観客との「知恵比べ」は今後もますます高度化していくと思われ、これにはちょっと感心ものです。熱狂ファンではないだけに「楽しみ」です、とはなかなか言えないところではありますが。(笑)
    単なる猟奇的な部分の「怖さ」だけではなく、異質なものへの「恐怖」や見えないものへの「恐怖」、社会的「恐怖」など、多面的な「恐怖」のアプローチによる人間心理とその行動様式についての視点はなかなか鋭いですね。本書では荒木氏のホラー映画への限りない愛が感じられて、その深奥さにはただただ感銘します。(笑)

  • 特にホラー映画のファンではないのだが、荒木さんのホラー映画論に興味をもって読んでみた。
    ところが、あとがきを含めてもわずか227ページという薄さ。
    数ある中から100選して、大雑把なカテゴリーに分類し、それぞれのあらすじや感想を述べるにとどまり、論じるというところまでは行っていない。
    ただ、本人のホラー映画への愛情と、自作品との関連性をかいま見て、そこがなかなか楽しかったかな。

    驚いてしまったのは、ベスト20を私が全部観ていたこと。
    (まぁ、それだけコアな作品がなかったということにもなるので、真のホラー映画ファンの方は、この本ではとうてい物足りないことだろう。)
    主演俳優の名前と顔とストーリーまできっちり記憶にあって、実は自分はホラー映画が好きだったのかしら??と胸に手を当ててつらつら考えてしまった。
    で、結論として分かったことは、「恐怖とは何か?」「暴力とは何か?」そんなことを考えていた時期が長いことあったのだ。
    ホラー映画に答えがあったのかどうか、肝心の点は曖昧なまま(笑)。
    ただ、見慣れてくると面白さが分かるようになり、次はこうなるぞと予想して楽しめるようにもなってくる。
    そして、もちろんのことだが、その予想が裏切られるともっと楽しい。
    現実面で相当に怖いこと・辛いことがあっても、ホラー映画で予習しておくと案外耐性が出来ていることもある。
    なんだ、別に元気で生きてるからそれでいいじゃないかって。
    本来かなりの怖がりなので、タフになれるよう、トレーニングしていたのかもしれないな。

    ということで、荒木さんの選んだホラー映画の、ベスト10まで載せてみよう。
    ホラーとひと口に言っても幅が広い。え?という選択もあるので、そこも面白いかも。
      1  ゾンビ完全版(78年)
      2  ジョーズ
      3  ミザリー
      4  アイ・アム・レジェンド
      5  ナインスゲート
      6  エイリアン
      7  リング(TV版)
      8  ミスト
      9  ファイナル・デスティネーション
      10 悪魔のいけにえ(74年)

    読み終えると急にホラー映画を観たくなってくる。
    それでちょっと困っているところ(笑)。すっかりホラー映画のファンになった気分だ・・

  • ホラー映画は基本的に観ません。だって怖いから。
    特にスプラッター等の残酷描写は生理的に受け付けません。
    もう本当にダメです。
    でも気になるんですよね、ホラー映画。

    うっかり観てしまった『スクリーム』とか『ファイナル・デスティネーション』とか面白かったし。昔観た『オーメン』『エルム街の悪夢』『ヘルレイザー』(序盤で挫折)も面白かった。
    プロットやカメラワークや演出がいいんですよね。
    怖いのがOKで生理的にも耐えられれば『ホステル』や『死霊のはらわた』や『悪魔のいけにえ』やら『サスペリア』やら、観てみたいのがいっぱいあります(多分無理だけど)。
    ホラー映画には『怖がらせる』というエンタテインメント性に徹したプロの仕事にワクワクする部分も確かにあります。

    ホラー観るのは無理だけど、そういう部分が気になる僕には良書でした。
    確かに荒木飛呂彦氏のマンガの緊迫感の演出や、追いつめられた主人公が窮地を脱する感じ、なんだかわからないけどこれから恐ろしいことが起こる雰囲気などはホラー映画に通じるものがあります。
    初期の『魔少年ビーティー』のサマーキャンプの話や、いけすかないキザな先輩と不良を手玉に取る話はホラー映画のシチュエーションだし、軍服マニアのおじさん達に拉致される話なんてホラーそのものですよね。

    ファンとしては『エイリアン』と『バオー来訪者』の関係、『ナインスゲート』と『岸部露伴』の関係などの興味深い話も多く楽しめました。
    そして最後の『恐怖の無限ループ』も荒木さんらしい仕掛けで面白かったです。

  • エンターテイメントそのものより
    エンターテイメントをこよなく愛する人が語るものこそが一番のエンターテイメントだと思う。

  • すごい昔から現在に至るまでのホラー映画についての荒木先生の評論
    偏愛的ホラー映画100選

    一般的にホラー映画と分類されないものも、荒木先生が思うホラー的要素がある映画はホラー映画とされて、この本では紹介されています。

    大半は自分も見たことがある映画でしたが、この本を読むと見たことがない映画もすごい見たくなります。
    荒木先生と同じような感想を持っている映画の時はなんだかめっちゃ嬉しくなります。

    特に荒木先生が9位にも挙げている「ファイナル・デスティネーション」は自分もかなりのオススメです。

    荒木先生好き、ホラー映画好きは是非読んだ方が良い一冊です。

  • 流石に日本を代表するロマンホラーの作者だけあってホラーに対する造詣も深い、シックスセンス以外殆どの作品のネタバレをせずにその作品の魅力を述べていて、単なる知識のひけらかしではない知性を感じられる。

  • ホラー映画の存在意義はどこにあるのか?というとても学術的なテーマで、かなり真面目に熱く語っているホラー映画論。
    この本で紹介されている作品を全部観ていたら、もっと著者に共感できると思う。
    『死霊のはらわた』のサム・ライミ監督にインタビューするという羨ましい機会に恵まれ、「監督はなぜいつも撮影現場でスーツを着ているのか」と質問したところ、「映画に敬意を表するためだ」という答えが返ってきたというエピソードが印象に残っている。

  • ホラー映画をオリジナルにカテゴリー分けしていておもしろかった。
    本を出すくらいだから当たり前ですが、著者がホラー映画を非常に好きなことが伝わってきました。
    また、ジョジョの奇妙な冒険のストーリー作りにもかなりホラー映画のいいところを取り入れてるなと感じました。

    著書の中で見てみたくなった映画は
    「ファイナル・ディスティネーション」
    「ファニーゲーム」
    「フォーガットン」

  • 怖がりなので、ホラー映画は観ない!と心に決めているのですが、それでも「ちょっとだけ観てみたいかも…」と好奇心をかきたてられました。
    語り口が軽快で、荒木先生はプレゼンテーションもお上手なんだろうなと思わされました。

    ああでもホラー映画やっぱり怖いな、たぶん観ないです!

  • ふだんホラー映画見ないからなあ。アラキ効果で衝動買いしてしまった。

    シックス・センス、ジョーズ、シャイニング、、、、確かに見ているのもあるけど、ほとんど分からない。飛ばし読みになってしまった。でも、文章上手だなあ。例え話は村上春樹なみに上手い。「デートしたくなるようなかわいい女の子」とか秀逸、、、、

  • とりあえずホラー映画借りてくる

  • ジョジョが代表作の漫画家、荒木飛呂彦氏のホラー映画論。論といっても作者自身が観て良かった映画紹介がほとんどで、すらすらと読めた。
    冒頭で、「ホラー映画は癒し」と書かれていたのがとても共感できた。
    自分自身がホラー映画をついつい見てしまう理由も解った。
    あと、神格化されていた氏も、皆と一緒に観て感動して漫画にする情熱家なんだと、当たり前なのに改めて感じた。出てくる作品の八割は観た映画だったので自分の評価と比べたり、新しい発見もあったりで、楽しかった。

  • タイトルに映画論とありますが、評論と言うより無類のホラー映画好きの著者が「このホラー映画はここがいいんだよね」「こっちのホラー映画も外せないよね」という感じでお気に入りの作品を好き放題に語っている感じです。
    映画通好みの論考ではありませんが、とにかく語り口が実に楽しそうで、活字を追うだけで映画の醍醐味を味わえてしまうのはさすが。ところどころ荒木飛呂彦氏らしいユニークな視点があります。ゾンビ映画を語っている途中でイタリア・ルネサンスの話になるなんて普通の発想では出てこないでしょう!
    挿し絵として荒木風ジェイソンや荒木風スティーブン・キングが入っているのが地味な注目点ですね。

  • 語りに熱があり過ぎて若干引いちゃうのと、その割に一作一作についてずいぶんあっさりしていて内容が入ってこず、イマイチ乗り切れなかった。ほとんどホラーを見たことない人の意見なので、ホラー愛好家の方が読むと同意できる部分も多いのかも。漫画とエッセイの面白さは違うんだなー。

  • 「すぐれたホラーは癒される」。
    ホラーは苦手でほとんど観たことがなかったのだが、『ドント・ブリーズ』をきっかけに観てみようと思いたち本書を手にとった。
    「『まったく見ない』のも極端だ」に納得。
    紹介作品が有名なものばかりなので通にはもの足りないかもしれないが、ぼくみたいな初心者にはありがたい。たくさんメモした。

  • (電子書籍で読んだ)ホラー映画を観たいという気持ちがわいてくる良作です。作品がどのように面白いのか、それぞれどんな工夫がされているのか、平易な言葉でわかりやすく、でもしっかりと荒木先生の言葉で語られており面白かったです。先生の作品にどのように生かされているかを書いているのも興味深い。それとシックス・センスの評価が高いのも嬉しい。もっと最近のホラー映画や、今回紹介しきれなかった映画のことをまた書いてくれたら嬉しいです。

  • 年代やジャンルに分けてこまかく解説してあり、荒木さんのホラー映画好きが伝わります。メジャー所をしっかり押さえてくれているのもいい!

  • タイトルが示す通り、人気漫画家による恐怖映画のススメ。
    ただ恐怖を愉しんだり、残酷嗜好を推奨している訳ではない。
    人間が持つ醜い暗黒面を計算し構築することで、芸術たり得ると解く。
    またこういった恐怖映画に、癒しがあるとまで言いきる。
    知的好奇心を刺激される映画は、確かにこのジャンルにも多いのは確かだ。

    定番のオールドスクールから近年の映画まで、楽しめる作品を提示。
    なかには、自分の漫画の登場人物の発想の元になった映画も紹介。
    更には、「ジョジョの奇妙な冒険」の名台詞も自ら引用。
    まぁ、そういうサービスは控えめなので安心して下さい。
    映画好きも、荒木飛呂彦好きも、楽しんで読める一冊。
    そして、恐怖はループするッ!

  •  ホラー系映画はいろいろあって良くわからない。
     結局は手当たり次第になってしまう。
     でいったい何を見たら良いのだろう。あまりにも作者熱が強いため拾いきれなかった。

  • ホラー映画が好きな事を正当化する著者
    ホラー映画は一体なんだろうか
    怖いもの見たさ?押さえている理性を解き放つ
    欲望のはけ口?
    著者は「癒し」だと言うが、癒されるのだろうか
    癒されるというのはざわつく心を静めてくれるもの
    と私は取られているが、著者はちょっと違うのだろうか
    一部、私にとって癒される映画も紹介されているが
    大半は違っている
    ホラー映画とは一体なんだろうか

    ジョジョファンでもなく、ホラーファンでもなく
    新書乱読者の私としては皆さんと違った視点で考えてしまいます

  • 前書きからグッとくる。世の中は美しいことばかりではなく、醜いことや残酷なこと、不条理なことに満ちており、私たち(特に子どもたち)はそういったまだ見ぬ恐怖に脅えるしかないわけだけれど、その世界の暗黒面と向き合う「予行練習」として有効なのがホラー映画である!というのが先生の主張。そして質の高いホラー映画は実際に「癒される」と言い切る。すばらしいなぁ、真実だ。美しい部分だけでなく醜く残酷な部分も含めた人間まるごとを愛しているのだろう。それぞれの映画の語り口もホラー映画愛に溢れていてステキ。

  • 荒木飛呂彦がお気に入りのホラー映画を紹介する本。
    「ジョジョの奇妙な冒険」に登場する敵の異常性や、スタンド攻撃の恐怖を演出するための表現が、これらのホラー映画に大きく影響を受けていることに気づかされる。
    読んでいて不思議に感じたのは、荒木飛呂彦はこういったホラー映画を見て「癒される」と語っていたことだ。どんなに恐ろしい、精神的にも肉体的にも痛々しいシーンでも、鑑賞者として安全圏にいれば危害は及ばない。むしろ、人生における苦難はこれよりはずっとマシ・・・死ぬときはあっさり死ぬ。そう思うと「安心する」というのだ。
    分かったような、わからないような。

  • 「キューブ」や「ドリームキャッチャー」など、自分が好きなホラー映画も含め、様々なジャンル100作品についてについて書かれていて「こんな映画もあるんだー」とワクワクした。
    先生からのホラー映画作品に対する愛が感じられた。

  • 荒木さんのホラー映画への愛情がひしひしと感じられる本。
    ジャンルは、ゾンビからSFホラーへと多岐にわたるので、好きな章も苦手な章もあるけど、全体的に面白い。

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荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論 (集英社新書)の作品紹介

荒木飛呂彦がこよなく愛するホラー作品の数々は、『ジョジョの奇妙な冒険』をはじめ、自身が描いた漫画作品へも大きな影響を与えている。本書では、自身の創作との関係も交えながら、時には作家、そして時には絵描きの視点から作品を分析し、独自のホラー映画論を展開する。巻頭には「荒木飛呂彦が選ぶホラー映画Best20」も収録。ホラー映画には一家言ある著者の、一九七〇年代以降のモダンホラー映画を題材とした偏愛的映画論。

荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論 (集英社新書)のKindle版

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