挑戦する脳 (集英社新書)

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著者 : 茂木健一郎
  • 集英社 (2012年7月13日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087206517

挑戦する脳 (集英社新書)の感想・レビュー・書評

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  • ご友人という竹内薫さん絶賛だったので購入。だが、概念的すぎてもうひとつ。あとがきが秀逸!
    「人はなぜ挑戦するのか?」それは「新しい風景」を見るためだ。新生児の話や盲目の方の話。決断に際して怖さや迷いを感じても、「新しい風景」を見るために、あえて困難な、新しいことに挑戦しよう。それが脳の本質だから。

  • 「アンチ」より「オルタナティヴ」

  • 挑戦する脳

    一橋フォーラム2016後半の人工知能で茂木健一郎が登壇するということで、一冊くらいは本を読もうと思い、手に取った本を買ってしまった。文章は少々予想と反するものであった。茂木健一郎は脳科学者、理系のイメージが強かったが、文を読んでみると文系の文章のようである(茂木さんはこのようなくくりを執拗に嫌いそうであるが(笑))。この本はコラム集であるが、コラムごとの考え方の変化がよくわかる。
    初めは、非典型な脳についての主題であろうか。キム・ピークというサヴァン症候群の人の話、デレクという盲目のピアニストの話を元に、脳とは欠損を埋め合わせるために、より大きな進歩を遂げるということが述べられている。上記の人々は、障がいを抱えながら、他の部位が人々よりも進化した著名人たちである。デレクについては示唆的である。私たちは、視界という一覧性の下で、より多くの挑戦の機会を失い、聴覚における脳の緊張が失われ、その潜在能力を引き出しきれていないのである。左利きの研究をしていた時に知った脳の可塑性の実例が上記であった。次に面白かったのは、脳は不確実なものと確実なもののバランスをとろうとするということである。自分の中に確実なものが蓄積されるにつれて、私たちは不確実なものを受け入れることができるである。かつて藤原正彦という数学者の本を読んだが、藤原氏いわく、数学者の出身地には宗教的なものを信じる地域が多いという。これは、確実な宗教というものが人々の安全基地となり、不確実性の高い数学という学問で活躍する人を輩出していると解釈できるのではないか。人間社会は不確実性と確実性の入り混じった偶有性というフィールドである。そのフィールドに適応しているのが人間の脳であり、偶有性に対する対処が人工知能の課題なのであるということはなんとなく察知した。後半は一括採用の批判や3.11の話、ウィキリークスの政治学的影響をテーマとしている。時代的という言葉で片づけてしまうのは良くないが、前半より普遍性は低い。
    本書は、私人・茂木健一郎のエッセーともいえるものであった。次は、脳科学者・茂木健一郎の本、クオリアについての入門書などがあれば読みたいと思う。

  • よく見る俗流脳科学の、たぶん語り下ろしのビジネス本ではなく、筆者がそれなりに考えて書いた跡は感じられる。著者の本の中ではいい方に入るんじゃないかな。
    が、特に後半のポエム化にはちょっと辟易。

  • 挑戦する脳をいきいきと保つためには、今までの文脈を離れた新しい事象に対して、それに向き合う嗅覚と勇気が必要

  • 脳科学者・茂木健一郎が、集英社の読書情報誌「青春と読書」に2010~2011年に連載したエッセイ20篇をまとめたものである。
    茂木氏は、日本の社会及び日本人の間に閉塞感が高まっている中で(後半の数篇は東日本大震災後に書かれた)、「私は、ぜひ、人間の脳の持っている「挑戦」の素晴らしい能力について、書いてみたいと思っていた。脳が、いかに、逆境に立ち向かうことから「創造性」を引き出すか、その神髄を書いてみたい。魂の危機(emergency)が、文化の創発(emergence)に通じるその道を、描き出してみたいと思っていた」と語っており、脳の持つ様々な可能性とそれを引き出すためのアイデアについて、自らの思いを綴っている。
    エッセイ風でありながら、印象に残るセンテンスも少なくなく、以下はそのいくつかである。
    「起源においては「偶然」であったにもかかわらず、いったんそのように存在してしまった以上、それが最初からの「必然」であったかのうように作用し始める。このように、「偶然」から「必然」への命がけの跳躍が介在すること、すなわち「偶有性」こそが人間存在の本質である」
    「大人になった時点で、自分なりのプリンシプルを確立できている人は幸いである。そのような人は、何があるか容易にはわからないこの世界の中で、必ずや「根拠のない自信」を持って、「挑戦」し続けることができるだろう。「挑戦する脳」を支えるのは、鍛え上げられた「プリンシプル」である」
    「「挑戦する脳」を笑いが支える。笑いの爆発力は、タブーに挑む勇気に比例する。・・・行き詰った今の日本の社会は、あえてタブーに突っ込んだ笑いを必要としてはいないか。笑いは、不安や恐怖で凍り付いた空気を解きほぐし、大らかな生命の時間を取り戻してくれる、大いなる恵みなのである」
    「人生には、最初から決まった正解などない。なのに、あたかも正解があるかのような思い込みをして、自分自身がその狭い「フェアウェイ」を通ろうとするだけでなく、他人にも、同じ道を通ることを求め、強制する。それは「挑戦する」という脳の本質からかけ離れている」
    「私たちが、ついには病み、老い、あるいは傷付き、死んでいくということ。そこには、ついには「自由」な「意志」など持ちようのない、私たちの生命の本来の在り様が投影されている。その重苦しさをいったん引き受けた上でなければ、生きることの軽やかなステップは戻ってこないだろう」
    変化に対して保守的になった脳と心に「挑戦する勇気」を与えてくれる一冊である。
    (2012年10月了)

  • 『ラジオ版学問のすすめ』を聴いて知った。人はいつでも挑戦しているんだよなーと思った。

  • 読了。

  • [ 内容 ]
    日本を取り巻く困難はより深いものになっており、私たちは先の見えない日常を送っている。
    だが、このようなときにこそ、人間の脳が持つ「挑戦」の素晴らしい能力が生きてくる。
    脳はオープンエンドなシステムであり、試験に直面したときにこそ新たな力を発揮するのだ。
    私たちの日常の中に「挑戦」は遍在している。
    人間は誰もが、経験したことのない新たな世界と出合い、自分の存在を確立しようと奮闘して生きている。
    困難さを力に変えて生きるために、私たちはどうすればよいのか?
    さまざまな事象をもとに論じる、著者渾身の書。

    [ 目次 ]
    暗闇の中を手探りで歩く
    発見の文法
    「挑戦」の普遍性
    非典型的な脳
    誰でも人とつながりたい
    偶然を必然とする
    盲目の天才ピアニスト
    欠損は必ずしも欠損とならず
    脳は転んでもただでは起きない
    笑いが挑戦を支える
    日本人の「挑戦する脳」
    アンチからオルタナティヴへ
    挑戦しない脳
    死に臨む脳
    臨死体験
    自由と主体
    「自由」の空気を作る方法
    地震の後で
    できない
    リヴァイアサン

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 集英社「青春と読書」に20回にわたって連載されたものを加筆、修正してまとめたもの。
    章ごとに扱う内容もさまざまで、何より章のタイトルが非常におもしろく、引き込まれる。
    さすが連載なだけある。
    書き方も非常にわかりやすく、すらすら引き込まれるように読めてしまう。
    「化粧する脳」「欲望する脳」も拝読したが、その中で1番易しい日本語で書いてあると思われる。
    特に読んでほしいのが
    12 アンチからオルタナティブへ
    19 できない
    あとがきも面白い。

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挑戦する脳 (集英社新書)の作品紹介

日本を取り巻く困難はより深いものになっており、私たちは先の見えない日常を送っている。だが、このようなときにこそ、人間の脳が持つ「挑戦」の素晴らしい能力が生きてくる。脳はオープンエンドなシステムであり、試験に直面したときにこそ新たな力を発揮するのだ。私たちの日常の中に「挑戦」は遍在している。人間は誰もが、経験したことのない新たな世界と出合い、自分の存在を確立しようと奮闘して生きている。困難さを力に変えて生きるために、私たちはどうすればよいのか?さまざまな事象をもとに論じる、著者渾身の書。

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