武術と医術 人を活かすメソッド (集英社新書)

  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087206937

作品紹介・あらすじ

現代文明への疑問から武術に解決の道を求めた甲野善紀氏。西洋医学偏重の医療界に疑問を持ち、代替医療を視野に入れた統合医療の道を進む小池弘人医師。対談を通じ、人を活かすためのメソッドを提言。

感想・レビュー・書評

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  • 厚生省(当時)が生活習慣病との改称を提唱したのは1996年12月18日のことである(生活習慣に着目した疾病対策の基本的方向性について(意見具申))。厚生大臣は菅直人(新党さきがけ)から小泉純一郎(自民)に変わった直後だ(11月7日就任)。大臣主導というよりは橋本内閣が掲げた「六つの改革」を踏襲したものだろう。
    https://sessendo.blogspot.com/2020/07/blog-post_35.html

  • 甲野先生の対談本。今回のお相手は統合医療医の小池先生。
    統合医療というのは、「現代医療といわゆる代替医療をどうやって橋渡ししていくかを臓器別の専門の枠をこえて考え、診療を行っていく分野」(本文より)だそうです。
    現代医療の矛盾を内側から眺める身としては、色々な気付きを得ることができました。

    ついつい一つの考えに固着したり、白黒つけたくなったり、二分割思考で物事を考えてしまいます。

    これが絶対であるという「教条主義」や、無秩序に並列させてしまう「折衷主義」に陥らず、それぞれの現代医療及び代替医療のアプローチを適材適所に用いる「多元主義」的な方法というのは、なかなか難しいでしょうが、今後の自分の考え方の指標にしたいと思いました。

  • 矛盾を矛盾のまま矛盾なく。

    多様性を認め、受け入れ、試してみることの大切さが本書の中のさまざまな例から理解することができる。

    筋トレが昨今流行っている。インプット、アウトプットがわかりやすい。また科学的に証明されているインプットがあるので、素人でもスタートしやすい。

    ほかのスポーツはそう簡単にはいかない。もちろん確立された指導法にはなどはあるが、古武術の技術を導入すると云々のような紹介されている話を見る限り、まだまだ知られていない可能性が多々あるありそうだ。



  • 目からウロコ、というか我が意を得たり、というか。
    総合的に武術を捉えて実践する甲野氏と、
    統合医療で体を見ていく小池氏の対談。

    細部を合わせても全体にはならない。
    最善はわからないが、善は一つではない。
    万人に通用する策はなく、その人の状況に応じた対応が必要。
    現代はどうしても二者択一をせまり、原理主義に陥りがち。
    「正しい」ことが権力主義へと繋がってしまう。
    最初は新しい方法を取り入れるつもりで話を聞いていても、
    途中で自分の築いていた指導が覆ることに抵抗を感じはじめ、
    目の前で見たことを、受け入れようとしない。
    医療の世界・スポーツの世界においても、
    利害やらプライドやら、クソつまらないものが足かせになって
    とりあえずやってみる、という簡単なことですら動くことが出来ない。
    いいものは取り入れる、
    理屈はまだなくても「そうなる」ことを受け入れて研究する、
    そういう柔軟さを持てば、いい方向に向かっていく。
    全体を把握することで、分断されて分からなかったものが、つながって見えてくる。
    全編、無駄なく刺激に満ちた一冊。

  • 内容的には特に感想はないかな。甲野さんも色々苦労してるんだなぁ、とは思いました。

  •  古武術の道を突き進む甲野義紀氏と、統合医療を目指す医師との対談。一見馴染まなそうなテーマではあるが、同じ“身体”を扱う分野として、相呼応する部分があるようで、中身の濃い対談となっている。
     甲野義紀氏が学生時代に経験したこと、そこから現在への志を築いたことなど、甲野氏個人の経験についても、読み応えはあったように思う。
     この本の内容を踏まえた上で、もう1,2回対談をすれば、もっともっと内容が深まるのではないだろうか。
     各章の注釈も豊富なので、初心者の方にも読みやすいのではないかと思います。古武術、医術のヒントになると思います。

    【書評ブログ 『本でもって』】
    http://booklife.hatenablog.com/entry/2015/02/09/224853

    【東洋医学・鍼灸を学ぼう!内の書評】
    http://www.genpoudou.com/hariq-study/essay/books_essay5.html

  • [ 内容 ]
    経済を優先するあまり、自然環境のみならず伝統的な人間のつながりをも破壊する現代文明への疑問から武術の世界に身を投じた武術研究者、甲野善紀。
    一方、西洋偏重の医療界に限界を感じ、代替医療を選択肢に入れた統合医療を実践する医師、小池弘人。
    この二人が、科学、医療、スポーツ等における一方的な「正統性」を懐疑し、人を活かすための多様なメソッドを提言する。
    特定の見方、方法論の呪縛を離れ、虚心にリアルな生に向き合う事で、自分自身にとっての人生の「最善手」が見えてくる。
    武術と医術の叡智が交錯するスリリングな対談。

    [ 目次 ]
    序 「武」を通じ私は何と闘ってきたのか
    第1章 体をどう捉えるのか
    第2章 「科学的」という呪縛
    第3章 二分割思考で世界は分かるか
    第4章 未知に開かれているということ
    第5章 美意識が決める生き方
    補遺 統合医療の現在地
    跋 「医」を通じ私は何をあつかっていくのか

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 予想外に糖質制限の話が何度も出てきたのが象徴的だった。
    健康とはどういう事か。現代の健康ブームに警鐘を鳴らす。

  • 13/10/31。

  • 「矛盾を矛盾のまま矛盾なく」という発想はよいなぁ。

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著者プロフィール

1949年、東京生まれ。
20代はじめに「人間にとっての自然とは何か」を探究するために武の道へ。
1978年、松聲館道場を設立。
以来、日本古来の武術を伝書と技の両面から独自に研究し、2000年頃から、その成果がスポーツや音楽、介護、ロボット工学などの分野からも関心を持たれるようになり、海外からも指導を依頼されている。
2007年から3年間、神戸女学院大学で客員教授も務めた。
2009年、独立数学者の森田真生氏と「この日の学校」を開講。
現在、夜間飛行からメールマガジン『風の先・風の跡』を発行している。
おもな著書に、『剣の精神誌』(ちくま学芸文庫)、『できない理由は、その頑張りと努力にあった』(聞き手・平尾文氏/PHP研究所)、『ヒモトレ革命』(小関勲氏共著/日貿出版社)、『古の武術に学ぶ無意識のちから』(前野隆司氏共著/ワニブックス)などがある。

「2020年 『巧拙無二 近代職人の道徳と美意識』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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