武術と医術 人を活かすメソッド (集英社新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087206937

感想・レビュー・書評

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  • 目からウロコ、というか我が意を得たり、というか。
    総合的に武術を捉えて実践する甲野氏と、
    統合医療で体を見ていく小池氏の対談。

    細部を合わせても全体にはならない。
    最善はわからないが、善は一つではない。
    万人に通用する策はなく、その人の状況に応じた対応が必要。
    現代はどうしても二者択一をせまり、原理主義に陥りがち。
    「正しい」ことが権力主義へと繋がってしまう。
    最初は新しい方法を取り入れるつもりで話を聞いていても、
    途中で自分の築いていた指導が覆ることに抵抗を感じはじめ、
    目の前で見たことを、受け入れようとしない。
    医療の世界・スポーツの世界においても、
    利害やらプライドやら、クソつまらないものが足かせになって
    とりあえずやってみる、という簡単なことですら動くことが出来ない。
    いいものは取り入れる、
    理屈はまだなくても「そうなる」ことを受け入れて研究する、
    そういう柔軟さを持てば、いい方向に向かっていく。
    全体を把握することで、分断されて分からなかったものが、つながって見えてくる。
    全編、無駄なく刺激に満ちた一冊。

  • 予想外に糖質制限の話が何度も出てきたのが象徴的だった。
    健康とはどういう事か。現代の健康ブームに警鐘を鳴らす。

著者プロフィール

1949年、東京生まれ。
20代はじめに「人間にとっての自然とは何か」を探究するために武の道へ。
1978年、松聲館道場を設立。
以来、日本古来の武術を伝書と技の両面から独自に研究し、2000年頃から、その成果がスポーツや音楽、介護、ロボット工学などの分野からも関心を持たれるようになり、海外からも指導を依頼されている。
2007年から3年間、神戸女学院大学で客員教授も務めた。
2009年、独立数学者の森田真生氏と「この日の学校」を開講。
現在、夜間飛行からメールマガジン『風の先・風の跡』を発行している。
おもな著書に、『剣の精神誌』(ちくま学芸文庫)、『できない理由は、その頑張りと努力にあった』(聞き手・平尾文氏/PHP研究所)、『ヒモトレ革命』(小関勲氏共著/日貿出版社)、『古の武術に学ぶ無意識のちから』(前野隆司氏共著/ワニブックス)などがある。

「2020年 『巧拙無二 近代職人の道徳と美意識』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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