一神教と国家 イスラーム、キリスト教、ユダヤ教 (集英社新書)

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著者 : 内田樹 中田考
  • 集英社 (2014年2月14日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087207255

一神教と国家 イスラーム、キリスト教、ユダヤ教 (集英社新書)の感想・レビュー・書評

  • 2017/03/29
    おもしろかった

  • [次なる潮流へ向けて]国家やイスラームを中心とする宗教について2人の専門家が縦横無尽に語り合った作品。次世代の共同体を担保するシステムやネットワークはどのようなものであるべきかについて、新鮮な議論が交わされています。対談者は、哲学者のエマニュエル・レヴィナスを集中的に研究した思想家の内田樹と、大学四年生のときにイスラームに入信した学者の中田考。


    イスラームの政治動向について、積極的に1人称を用いて語ることのできる数少ない日本人である中田氏の考え方は、多くの日本人にとってイスラームのある側面を解する際に非常に有意義ではないかと思います。また、反グローバリズムという点で中田氏と共鳴しながらも、日本人という視座から国民国家の持続を希求する内田氏のポジションが、中田氏に対する迎合でも拒絶でもない微妙なスポットに会話を落とし込んでいる点も読み応えがありました。

    〜西欧のキリスト教は結局政権に関わるんです。なぜかと言うと、彼らの政教分離の原点は、「世俗」と「宗教」の分離ではなく、「国家」と「教会」の分離だったからです。〜

    めっけもん的な新書でした☆5つ

  • 人の内面は本当の所、誰にもわからない。
    ただ、神のみぞ知る。

  • 中田さんと内田樹さんの対談で、内田さんがうまいこと中田さんの考えを引き出してると思う。中田さんの考えは他の著書でも書かれてるようなことなんだけど、例えばカリフ制に至る道としてEUのようにまずは人と資本と移動を自由にしましょうってこととか具体的な話があった。

  • 配置場所:2F新書書架
    請求記号:C0036193
    資料ID:集英社新書 ; 0725C

  • テロ関連でお勉強。面白かった。たしかに今のグローバリズム一本化体制は少々危険でもあり、こちらのサイドからみるとカリフ性もそんなに悪いものにも見えない。

    日本の知性が今はアニメや漫画産業に吸収されているというのはなんとなく同意。一部だけどね、一部。あと信頼やコミュニティの話も結構良かった。

    もっと詳しくは中田さんの別の書を参照。

  • 本書のテーマの1つのカリフ制が実現すれば、諸問題が解決するというものでもないが、固定観念をまずバラして物事を再構築する、そういったアプローチの大切さを感じた。「カワユイ カリフ道」はその最たるもの。

  • イスラム社会について、国の成り立ちとか根本的な考え方とか初めて知ることが多く、とても興味深く読めた。ただ、カリフ道の「カワユイ」という修飾子は明らかにおかしいし(今時のはやり言葉を狙ってみたけど外した感が…)、対談の最後に雑談的に交わされた憲法9条と沖縄についての話があまりにも現実的じゃなく、いっきにカリフ道の復活自体も非現実的なものに思われた。とはいえ、もう少し中東について勉強してみようかな、と思える内容ではあった。

  •  内田樹を聞き手に中田孝が語るイスラム教とカリフ制。

     まずイスラム教ってなんだろう?ってところから、アラブ世界というものはどういうものか、中田孝が目指すカリフ制とは何かと話は展開していく。
     政治的指導者と宗教指導者を兼ねるただ一人の最高権威者であるカリフ。最初は荒唐無稽に聞こえるカリフ制再興論だが、アラブ世界の中で考えてみるとすごく理に適ってるように思える。そしてそれは日本の社会を考えた時にも、ある種の新しいコミュニティをつくるヒントがあるようにも思えた。

     中田孝やイスラム社会を考える入門書にうってつけの一冊。

  •  2014年6月、テロ組織ISILの指導者がイスラム教の指導者であるカリフに就任して、カリフ制を復活させることを宣言した。この事件より前からイスラム学者の中田考氏がカリフ制の再興を訴えていたと知り、本書を手に取ってみた。
     本書はユダヤ哲学の研究者でもある内田樹氏との対談をまとめたものであるが、前半は内田氏の視点からの比較文化論やグローバリゼーションへの警鐘が中心で、中田氏の視点からの中東情勢分析、イスラム的世界観は後半に述べられている。興味深いのはやはり後半の方で、現代にカリフ制を再興させる意義については、なるほどと考えさせられるところはある。しかし、この本の内容だけで何かを判断できるほどでもないというのが正直な感想。
     中東やイスラムは地理的にも、感情的にも遠い世界で、あまり縁のない話というのが多くの日本人の感覚だったと思うが、もう他人ごとでは済まされない状況になりつつある。まずは様々な視点から現代を見ることから始めたいと思う。

  • 下の弟に薦められ読んでみる。

    思想家、内田樹氏とイスラーム学者中田氏との対談。

    殆どイスラームの事を知らなかったので勉強になる。
    アメリカの世界戦略は、すでに国家を形成している非イスラーム圏に対してはグローバル化を進め、国民国家を解体する方向で圧力をかける、元々遊牧民で国、自分の領土と言う概念が薄いイスラーム圏に対しては逆に国民国家を強化し規制しやすい体制に持っていこうとしている。と言う意見は面白いが、イスラームの中でも利権に目が眩みまた宗派の違い、自己利益の為に資本主義に同調するものもいる。現在の混乱をアメリカのせいにしているように聞こえるが、イスラームの中でも団結して資本主義にNOと言えればこんな混乱にはならないのではとも思う。
    イスラームの国々でもこれからますます豊かになっていくと思うが、その中で「富を分け合う」文化を成熟させていけるか、資本主義の欲に負け、シフトして行ってしまうのかは、イスラームの人達の心の問題ではないだろうか。

    【学】
    イスラーム
     礼拝を日に5度
     豚と酒禁止
     男性の服装は膝からお臍までを隠せ
     偶像崇拝禁止
    ラマダン、施しの文化、食べ物、水が少ない土地で皆で分け合う、共有の文化

    ・イスラームの宗教感
    イスラームこそが、アダム以来の予言者たちの宗教、オリジナルであり、キリスト教はイエスの福音を直弟子の後に続く世代が謝って解釈し歪曲して作り上げたもの。ユダヤ教はモーセの律法をイスラエルの民が歪曲、改編を重ねたものをラビ達が集大成したもの。

    ユダヤ教、キリスト教、イスラームの3つの宗教の共通理解として、人類の太祖アダムこそが神から教えを授かった最初の人間です。

    アダム、ノア、アブラハム等はすべてイスラームを説いた予言者であり、モーセ、タビィデ、ソロモン、イエス、ムハンマドは、このイスラームを説く予言者の系列に属するとイスラームは考える


    ・ハラール
    イスラームが食べてよいものを許可する「ハラール」だが、むしろイスラームの教養に反する大罪だと思っている。本来ならば、個々の食べ物については、一人一人が神に聞き、自分で決めるものが、権威を装ってハラールを決めている。イスラームには聖職者はいない。

    昔は国境何てものは無かった。帝国主義列強の国とり合戦で切り取られた領域が元となり、それが後に独立して国家になった。

  • 自分のフレームでの理解では、異文化を理解することはできない。イスラムを理解するには、フレームの根本を問い直すことになる。
    イスラム国を「国家」という概念では、とらえきれないのは、ここにある。

    そして、解決への道筋もこの二人の対話のような方向にあると思う。

  • ある意味で時の人になってしまったハサン中田と内田樹の対談形式の本。

    タイトルからある程度想像がついても良かったのかもしれないが、国民国家という近代的な制度に対するオルタナティヴとして、一神教が想定するグローバルな共同体を賛美するような内容で、正直私には受け入れ難かった。

    グローバリズムを背景とした近代の国家が抑圧的なシステムであり、個人に対して圧倒的に非対称な暴力を握っているという事実認識に異論はないが、それを覆した先に理想郷を見るような楽観的思想に私は大いに懐疑的だ。

    押し付けられた制度と国境線が最良でないことは言うまでもないが、秩序が失われた砂漠の荒野で、銃弾の嵐と血の雨が降り、人が人を無差別に殺し、暴力が際限なく繰り返されるよりは遥かにマシではあるまいか。

    現実に起きている残酷な事実を参照しないまま、頭の中だけで理想を展開させるのは原理主義と紙一重の危険な振る舞いだ。

    内田樹氏にはもちろん悪気は無いはずだが、明確にイスラームの超越性を支持している中田氏に対して、恐らく彼の態度はあまりに無邪気過ぎる。

    「世界の退屈さにウンザリした人へ」
    という挑発的なレビューがAmazonにもあったが、逆説的にこの本を正しく評価していると言えるかもしれない。

    ウンザリするくらい退屈で平和な毎日こそが、私達に与えられた殆ど奇跡的な特権であることを、この退屈な平和を愛することを、我々は今こそ学ばなければならないのではあるまいか。

  • イスラム教、ユダヤ教、キリスト教が広まった土地の背景と考え方の違いなど、なるほどと思うことがたくさん。
    荒野の宗教であるイスラム教、ユダヤ教が他者への喜捨を重視するのは、そうしなければ、相手が死んでしまうから、一方でキリスト教は農耕と結びついたので、自分のテリトリーを守ろうとすること、など納得。グローバリズム=「アメリカスタンダード」であり、イスラムという他の文化背景を排除することが、資本主義には都合が良い、という件にはハッとしました。同時に読んでいるエーリッヒ・フロムの「愛するということ」にもこの資本主義的グローバリズムについては同じ観点があり、人間の思想は50年たっても変わっていないということに驚いた。

  • 明通寺読書会 今月の本 花木 信徹さん担当。私は2回目で読んでいると思っているが、真ん中あたりほんとに面白い。今 起きている人質事件後もこの中田さんの視点で見ないから間違いが起きているように 私には思えます

  • イスラームの世界ってこうなのかぁって感じでした

  • 世界3大宗教でありながら、実はよく
    分かっていないイスラム教。

    ・苛烈なイメージがあるが、何故10億
     を超える信者がいるのか?
    ・何故、欧米と衝突するのか? 
    ・同じ中東の砂漠を起源とする一神教、
     ユダヤ教とキリスト教とは何が違うのか?

    こうした疑問にわかり易く答えてくれる一冊。

    特に、欧米の「領域国民国家」やアメリカの
    「グローバリズム」と根本的に相容れない
    イスラムの考え方が興味深い。

    日本人イスラム学者とユダヤ教に造詣が深い
    思想家との対話形式で読み易く、私にとって
    イスラム教の基礎知識を知ることができた
    基本書でした。

  • イスラム世界のカリフ制再建についての対談本。

    もともとイスラム世界があって国民国家という枠組みは帝国主義の時代にひかれたものだという点、現在のグローバリゼーションは結局アメリカの世界規模的ローカリゼーションだという点についてはナルホド。
    しかしかといって、カリフ制こそ“真の”グローバリゼーションで、これによって貧富の差がなくなり経済的繁栄がもたらされる(遊牧民的思想が根底にあるので弱者救済を内包したシステムということ?)という点には、???と思わざるを得なかった。

  • 思想家の先生とムスリムでイスラーム学者の先生の、対談。
    なので副題に「イスラーム、キリスト教、ユダヤ教」ッてあるけど、基本的にイスラーム万歳、なお話。

    正直、読んでてこんなに「むきーーーッ!納得いかーーーんッ!」て思ったのは久し振りだよ…。
    確かにイスラームとキリスト教の身体性の違い、とか、世界情勢を欧米視点ではなくアラブ視点で見る、とか興味深いしなるほど、と思うとこもあったけれども。
    だけどね。
    「イスラームは共有し許す文化で、寛容である」
    「イスラームは自分たちの宗教を信仰するようには決して強要しない」
    「イスラーム法は女子供を殺してはならない、戦利品をどう分配するかなどのジハードのルールを定めている」
    て、そういう宗教が、女性に教育を受けさせず、受けようとする女の子を撃ち殺そうとしたり、誘拐して奴隷として売るの?
    身代金目的に一般人を誘拐し、お金が取れなかったら首を切って殺して、その映像を公開するの?
    それが、慈悲深い神様のすることなの?

    そのへんについての説明がさっぱりないので、ものすごく納得いかない。もやもや。
    あああ納得いかない。

  • イスラム教の見方が変わりました。

  • イスラム教のイメージが変わった

  • 私達には理解しにくいイスラム教の教え、考え方が良くわかる貴重な本だと思います。読みやすいわりには色々考えさせられる本でした。沢山の人が読んでイスラム教を理解し紛争のない世の中になったら良いと思います。

  • イスラームの世界の入門書には持って来い!!対岸なのだけれど、凄く興味を感じる世界であり、探求心を駆り立てる魅力ある対談に仕上がっていた。二人とも、アメリカが嫌いだし(笑)。日本の糞坊主共の金儲けの道具と比べたら、ムスリムの方が好くねぇ?!みたいな気持ちになれる本。

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