- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087207385
作品紹介・あらすじ
修験三本山の一つである吉野・金峯山寺。その宗務総長である著者が修験道の神髄を語りおろす。山岳修行を通して自らの身体感覚を高めることで、心の悩みを晴らす修験道の教えを分かりやすく伝える。
感想・レビュー・書評
-
第1部 修験道は日本独特の宗教
第一章 そもそも修験道ってなに?
修験道、山伏はもともと人々の生活に身近な存在であったといいます。明治政府の行った神仏分離令・修験道廃止令がなければ、我々の日常にももっと近い存在になっていたかもと想像すると少しわくわくします。
第二章 修験道は権現さま
釈迦如来は過去世、観世音菩薩は現在世、弥勒菩薩は未来世を守護し、この三尊を本地仏とする蔵王権現は過去・未来・将来の三世に渡って衆生を守護すると言います。そして、忿怒の相貌にて悪を粉砕する。この視座をもってまた参拝したいです。
第三章 開祖・役行者ってどんな人?
役行者さまは実在した…かもしれません。記録に見る役行者さまの足跡をみます。
第四章 聖地・吉野と桜と蔵王権現
なぜ、吉野には多くの桜が植えられているのか。サクラの字を紐解くと、稲の穀霊が降りてくる花、となるそうです。また、吉野の千本桜は千本卒塔婆と言われることも。ガイドブックからは知ることのできない、吉野と桜の関係が面白いです。
第2部 山伏ってなにするの?
第五章 山の行と里の行
第六章 山修行の実感と体験
第七章 キーワードでみる山伏の精神
第3部 現代社会と修験の心
第八章 自然災害による気づき
第九章 ニッポンの連続と断絶
第十章 脱・グローバル社会と修験道ルネッサンス
第3部は、修験道や山伏に関するものではなく、自然と機械化、日本の伝統的価値観と西洋的価値観の対立軸で、自然の中に身を置く著者から現代日本社会に対する警告・提案が述べられています。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
修験道とは?
①山の宗教②実践的③神仏習合
①ハリポタ、ロード・オブ・ザ・リングを見ると、欧米は山に悪魔が住むと考える、日本は山に神が住むと考える。
明治維新の神仏分離令で大打撃、迫害される。
本尊は権現様、吉野は蔵王権現。
蔵王権現は三世一体(過去は釈迦如来、現世は観世音菩薩、未来は弥勒菩薩。
仕事で大阪に赴任したことから、金峯山寺へ赴く機会を得た。
幼少期から御守の柵を持っていたため、念願の訪問のであった。
今後も年に1度は大峰山へ行き、溢れるエネルギーを吸収したい。 -
修験道および金峯山寺のよくできた案内、という感じ。しかし修験道のことがよくわかる。上手な法話を聞いているような気分。第3部は読んでも読まなくてもよいと思う。
-
[ 内容 ]
富士登山のルーツはここにあった!
心の乱れがすーっと消える。
吉野・金峯山寺の修験者が伝える生き抜くための智慧。
[ 目次 ]
第1部 修験道は日本独特の宗教(そもそも修験道ってなに?;修験道は権現さま;開祖・役行者ってどんな人?;聖地・吉野と桜と蔵王権現)
第2部 山伏ってなにするの?(山の行と里の行;山修行の実感と体験;キーワードでみる山伏の精神)
第3部 現代社会と修験の心(自然災害による気づき;ニッポンの連続と断絶;脱・グローバル社会と修験道ルネッサンス)
[ 問題提起 ]
[ 結論 ]
[ コメント ]
[ 読了した日 ] -
吉野山・金峯山寺執行長の田中利典さんが書かれた「修験道」についての入門書です。
僕が知り得る限りで、一番わかりやすく修験道について解説している入門書だと思います。
「修験道」といわれてどんなイメージを持つでしょうか。多くの人が名前は聞いたことがあるというレベルなのではないかと思います。あるいは「山伏」をイメージする人もいるかもしれません。
「修験道」とはざっくりといってしまえば「神仏和合の宗教」。つまり、神道と仏教が融合したものです。自然や山岳を畏れ敬うといった日本古来の信仰風土に、仏教的行法が入ってきて成立したものだと言われています。そして、その道の修行者、実践者が「山伏」といわれる人たちです。
この本では、第1部で修験道とはどんな宗教なのかということについてやさしく説明しています。ご本尊である「権現」さまとはどんな存在か、開祖だと言われている役行者とはどんな人なのか、そうした切り口から解き明かしています。
また第2部では、「山伏」とはどういう存在で、普段どんな修行をしているのか、という観点から修験道について解説しています。
(以下、http://amba.to/U8RJva -
トレイルを走ったり、登山をしていると、そこには確かに何かのエネルギーを感じる。ぼく自身は、神も仏も信じないのだが、自然の大いなるものは「在る」と思う。もっとも、それを人々は神と呼ぶのかもしれないが。
修験の山はもとより、甲斐駒ヶ岳の黒戸尾根に残る修験場、たとえば、八ヶ岳にも、権現岳、二十三夜峰、横岳奥の院にも修験の痕跡は残る。本書はその修験道の初歩的な解説書だ。
山伏になろうかなと、時折、冗談まじりで言うが、山に上ったり、走ったりするとき、けっこう、まじめにそう思っている。 -
≪目次≫
はじめに
第1部 修験道は日本独特の宗教
第1章 そもそも修験道ってなに?
第2章 修験道と権現さま
第3章 開祖・役行者ってどんな人?
第4章 聖地・吉野と桜と蔵王権現
第2部 山伏ってなにするの?
第5章 山の行と里の行
第6章 山修行の実感と体験
第7章 キーワードでみる山伏の精神
第3部 現代社会と修験の心
第8章 自然災害による気づき
第9章 ニッポンの連続と断絶
第10章 脱・グローバル社会と修験道ルネッサンス
おわりに
≪内容≫
修験道って何?がこの本を手に取った理由。そして、この本はその疑問に端的に答えてくれる。後半ではかなりメッセージの強い部分も見られる(私はこの部分に賛成)が、修験道をしてみようかな?という気にさせてくれる本。
まず、吉野に行かねば!