宇宙を創る実験 (集英社新書)

制作 : 村山 斉 
  • 集英社
3.39
  • (3)
  • (7)
  • (10)
  • (2)
  • (1)
本棚登録 : 118
感想 : 11
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087207682

作品紹介・あらすじ

ヒッグス粒子、超対称性粒子、暗黒物質……現在計画中のILC(国際リニアコライダー)が実現すれば、ノーベル賞級の課題が次々と解明される! 実験から導かれる宇宙の壮大な魅力が明らかに。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 村山斉さん他、12人の寄稿者によるILCの建造計画と必要性、その実現のために必要になる技術などが簡単に紹介されている本でした。
    個人的には、計画の実現のための技術や課題が一般向けに簡単に解説されているのがよかったです。

  • できれば日本に作って欲しいILC(International Liner Collider 国際直線衝突型加速器)という実験施設の話。ヒッグス粒子を見つけたCERNのLHCみたいな凄いやつを、円形ではなく直線で作れば観測精度が格段に上がるそうだ。LHCは陽子という豆大福をぶつけたので、アンコが飛び散って、肝心のマメの部分が、はっきり見えなかったけれど、今度は最初から電子・陽電子というマメ同士をぶつけるので良く見えるということ(面白いことに、欧州の著者は、同じことをミカンとミカンの種と表現していた)。宇宙の発生とか超ミクロの話とかは、何度読んでもワクワクするが、本書では、それは冒頭だけ。本書は、ILC誘致に向けた一般向け啓発が目的のようで、「ILCとは何か、どれだけ凄いのか、どんなメリットがあるのか、是非日本で作ろう」という視点で書かれている。複数の研究者からの寄稿を編纂した体裁故に、重複する記述が多いのがちょっと残念で、サイエンティストというより、エンジニアであったり、プロジェクト・マネージャであったり、経営者だったり、ひいてはポリティティシャンだったりの立場が色濃く出ている。そういう意味では、ピュアな科学のワクワク感はちょっと乏しいが、熱意は伝わってくる。是非とも日本に来て欲しい。

  • 日本で本格的な国際協力によって、線形加速器ILSが建設されようとしている。その理論的な意義と、技術的な挑戦についての解説。普段あまり触れられない粒子加速器の技術、なかなか面白い。世界の頭脳が日本に集結すると、いろんな変化が起きるでしょうね。

  • 2012年、世界最大の円形加速器LHCの研究チームがヒッグス粒子を発見したというニュースは記憶に新しいところだろう。しかし、この発見は新たな問題の入り口に過ぎず、この世界の専門家たちは新たな発見のために動いている。その動向と今後日本での建設が有力視されているILC(国際リニアコライダー)についてまとめられたのが本書である。他のレビューにも書かれている通り、本書は宇宙の理解のための本というよりもILC(国際リニアコライダー)のPRのためにまとめられたものであると考えてよいだろう。重複する部分もあり、本当に読者のためを考えてつくられているか疑問が残る。しかし、ILC(国際リニアコライダー)の実験の意義を通して学べる部分もあるのでこの評価とした。

  • いまCERNは退職した職員の年金問題を抱えているという。スイスは国民年金とかじゃないのね。
    ILCをふくめていろんな予算を見てみると...

    年間予算(年度はばらばら)
    ILC 270億円
    Spring8 + SACRA 147億円
    KEK 380億円
    CERN 1011億円相当

    参考
    JAXA 1875億円
    NASA 176億ドル

    さすが宇宙は桁が違う。
    それはともかく日本にはKEK Spring-8 SACRAがあって、さらにILCとなるともうちょっと集約できないもんかなーと素人目にはおもう。

  • ILCの宣伝本かな?
    確かに目の前で直ぐに利益が見えない巨額事業への関与を簡単には許さない時代だから仕方ないか。
    科学的内容というより、日本の現在の寂しい現実を突きつけられている内容に愕然とならざるを得ないというのが正直なところか。

全11件中 1 - 10件を表示
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×