- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087207804
感想・レビュー・書評
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2017/11/20 16:51:46
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創作論
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新書なのでお高いが
この一冊から一人でも優れたマンガ作者が生まれれば問題ないという正論にはぐうのねもでない
ただこういう本を読まなければ作法がわからないような作者がまともな作品を作れるのかとか
本を読むことで感心するような作者がまともな作品を作れるのかとは思うが
これも上の正論には敗北あるのみ -
結構面白かった
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『ジョジョの奇妙な冒険』で知られる人気マンガ家が、創作の舞台裏を明かした本。
『漫画術』というタイトルは、ヒッチコックにトリュフォーがインタビューした『映画術』をふまえたものだろう(『映画術』については本文にも、創作の参考にした名著として言及がある)。
「キャラクターの作り方」「ストーリーの作り方」などの章は、わりと初歩的な内容で、「企業秘密を公にする」(帯の惹句)というほどのものではないと思った。
たとえば、石森章太郎の半世紀前の名著『マンガ家入門』(1965年)と比べても、それほど進歩があるとは思えない。
私が感心したのは、むしろ絵の極意を明かした章(第5章「絵がすべてを表現する」)。絵の隅々にまで緻密な計算が秘められていることがわかって、感動的ですらある。
荒木作品の独創的なポージングは、イタリアの美術館で観たバロック彫刻から天啓を得て産み出された……とか、創作秘話が面白い。マンガ家を目指す人はもちろんのこと、荒木飛呂彦のファンなら楽しめる本だろう。
創作の技術を学ぶ本であると同時に、第一線のクリエイターがどのような覚悟をもち、どのように努力を重ねているのかがよくわかって、「背中を押される」本でもある。マンガ家志望者のみならず、あらゆる分野のクリエイターにとって一読の価値はある。 -
【概略】
「バオー来訪者」「ジョジョの奇妙な冒険」の作者である荒木飛呂彦さんによる、「どのような流れで漫画が誕生するのか?」「漫画における重要な要素とは?」といった事柄を、荒木飛呂彦さんがデビューから現在に至るまでに得た経験、とりわけ失敗や苦悩に関するエピソードを含め、紹介する。
2015年12月03日 読了
2018年09月25日 読了
【書評】
「ジョジョの奇妙な冒険」は、ストーリー・世界観・サスペンス要素といった点が色濃く出ていることが、「何度も読まれる」原因ではないかと思ってるんだよね。作者の荒木飛呂彦さんは、無類の映画好きで、さらにサスペンス映画を非常に好んでいて、そういった要素も、作品に反映されているかと。
久々に読んでみようと思ったのは、今、自分がストーリーテラー・パブリックスピーカーとして、自身の作品を生み出さないといけない立場になって、この本から学ぶべき点が、必ずあると思ったから。そして、やはり、あった。視覚化される漫画と、言葉と身体の動きで聴衆に理解してもらう落語やスピーチとでは、必ずしも同一ではないけれど、ストーリーを生み出し、膨らませるという工程においては、共通項が沢山あるんだよね。
たとえば、主人公に対しての「共感」を得る点、たとえば、テーマがぶれないようにする点、たとえば、調べたことを全部盛り込まない点、などなど。
更には、荒木飛呂彦さんのプロフェッショナルな生活ぶりなども、行間に表れている。リサーチをすることを徹底することであったり、お仕事のサイクルも徹底したり。そういった細かな要素が、味として作品から滲み出る。
自分が歩いてきた道、作品が世に出るまでに行なってきた過程を、しっかりと「言語化できる」ということは、ただただ感覚で積み上げてきたものにプラス、異なる工程が加わると思ってる。そしてそれは、今の自分に最も欠けている要素でもある。それを痛感させてもらっただけでも、大きな学びとなった。 -
180ページ目のベルリーニはベルニーニの誤記。ほか『バビル2世』が『バビル二世』になっているし、聞き書きした人が不勉強なのだろう。
荒木飛呂彦というマンガ家を「変な人がジャンプ的マンガを描こうとして、はみ出した天然の部分が面白い」という風に捉えていたが、本書を読む限り、かなり周到に計算しているようだ。 -
2018/04/20:読了
真面目な漫画術の本だった -
作者が作者なので説得力がありその作品を具体例にあげているのでわかりやすい。独創的な印象がありつつ、外していなくてしかも毎週描いているという人のエッセンスなので勉強になる。