すべての疲労は脳が原因 1 (集英社新書)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087208290

作品紹介・あらすじ

私たちが日常的に使う「体が疲れている」とは実は「脳が疲労している」ことを示す。疲労のメカニズムとは何か、最新科学をもとに解説。また真に有効な抗疲労対策、睡眠との関係なども提示する。

感想・レビュー・書評

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  • なんとなく本屋の新書コーナーで見つけた本。前々から能についての本を読みたいと思っていてやっと買えた。
    疲れの原因っていうところが日常生活に役立ちそうだなと思って。

    事務の仕事を始めたばかりで、すごく頭痛くなったり休みの日は無気力になったりしていた。だから、この本を読んで、何か手がかりにならないかと考えてました。

    読んでみると、睡眠の質って大事だよね。みたいな当たり前の事も書いてあったけど、疲労に強い脳を作るっていう最後のまとめ項目がグッときました。認知症予防にも繋がるお話。

    「ものごとを多面的に見る」ってなかなか難しいかも。
    そのために日記をつけてみようかなと思い、日記も続けています。
    「色んな人と話をする」ことは私にとっては難しい。人間関係は広くよりも狭く深くタイプなので。

    でも、脳にあらゆる新しい刺激を与えることが大事なのかなぁと思って、この本を読んでから読書を積極的にするようになりました。アウトプットもできるようになりたいな。

  • ちょっと期待していたものと違ってましたかねぇ〜イビキだとか睡眠だとかじゃなくて、本当に知りたかったことが全然出てこなくて残念でした…

  • 疲れているのは、脳というか自律神経らしい。そして自律神経にダメージを与えるのが活性酸素だとか。さらに自律神経が活性酸素で酸化されると疲労因子FFというたんぱく質が増加し、疲労感を感じさせるのだそう。その因子の増加に合わせ今度は疲労回復因子FRを発生させ、機能を回復させる仕組みが備わっているが、加齢等によってFRの反応性は低下する。その反応性を高める具体的なメソッドが紹介されていた。
    ①睡眠。睡眠時無呼吸は睡眠の質を低下させる。そのためにCPAP(睡眠中空気を気道に送り込む装置)の利用が推奨されている。
    ②食事。最近話題のイミダペプチドが紹介されている。
    ③生活にゆらぎを取り入れる。自然光に近い照明にしたり、同じ姿勢で長時間過ごさないなど。

    併せて読みたい
    「睡眠専門医が考案した いびきを自分で治す方法」白濱龍太郎著 アスコム

  • 【一口感想】
     「あなたが感じるその疲れのすべての原因は、カラダやアタマじゃなく自律神経疲れだ」

    【3行要約】
     ・カラダを動かすだけでも脳をめちゃくちゃに使っており、疲れたと自覚させられるのはカラダの疲れではなく、自律神経の中枢の疲れ
     ・アタマの疲れをカラダの運動で回復・リフレッシュさせることはできない。
     ・ポイントは、イミダペプチドとクエン酸の摂取と6時間以上の睡眠

    【所感】

    最近やたら疲れることが多くて、原因が睡眠不足にあることはわかっているのだけれど睡眠を確保し続けるだけで本当にこの疲れが回復するのか、疑心暗鬼になっていたところに書店で見つけてしまい即購入してしまいました。

    自分はこの本をよむまでカラダの疲れとアタマの疲れはまったく別モノだと思っていて、もっというと、カラダの疲れは疲労回復できる食べ物をとって安息状態になれば休むことができ、アタマの疲れはカラダを動かしたりストレス解消することでリフレッシュし、その上で十分に寝れば良いと考えていました。しかし、脳科学の医学博士でもある著者の 梶本 修身 さんは、これらのうち睡眠をとること以外のほぼすべてを否定しています。

    この本の中には数多くの「驚き」が含まれていますが、私が特に驚いたのは

     長時間の活動後に最も疲れるのはカラダやアタマではなく「自律神経」である

    ここにつきます。

    ●自律神経の疲労は活動限界の知らせ

    自律神経は、24時間、秒単位で心臓や横隔膜、体温の維持管理といったあらゆる恒常性の維持のための司令を送り続けているそうですが、そもそもこの自律神経はあまりにも多忙であるために、他の機能、内臓や脳などに比べても極端に活動可能時間が短いんだそうです。
     
    人間が疲れを感じるとき、本当に筋肉や脳が疲れたから疲れたと感じているのではなく、実は自律神経への負担が重なって活動限界が近づいてきたので「疲れた」という感覚が得られるよう自律神経が信号を送って、活動量を下げるようにしているのです。風邪をひいたときや熱が出たときにダルさを感じるのも、これらとまったく同じ機能によって生じているのだそうです。

    つまりその時点では体力や脳力の限界を迎えてはおらず、むしろ「自律制御力」が限界を迎えていることになります。当然ですが、その状態で体力や脳力がまだ残っているからと無理に運動や頭脳労働を続けても、それらを制御するための自律神経が機能しないため、まったくパフォーマンスを出すことができないわけです。

    ●発達しすぎた脳がもたらす疑似麻薬

    しかももっと恐ろしいことに、人間は大脳が発達しすぎたために自律神経の疲労を感じなくさせてしまうことがあるそうで(これを「疲労感のマスキング」と呼ぶ)、これが起きる条件がかなりありがちで、とても危ない。。。。

     1) 同じ作業をずっと繰り返す
     2) 集中力を高めて作業にとりくむ
     3) 幸福感や意欲、達成感を感じるような状態

    1)などは同じ作業によって苦痛を感じないように疲労感のしきい値をからだが勝手に上げてしまうからだそうで、慣れてくるとなんとも感じなくなるのですがそれがとっても危ない。

    また2)のように、よく集中力をたかめるためにコーヒーやカフェイン飲料を取得したり、音楽やアロマオイルなどで雰囲気を作って連続作業に臨む場合がありますがこれも危険。単純に自律神経からの信号をごまかして作業を続けさせているだけです。疲労度が高まると情報入力の90%を占める視界を減らして自律神経を保護しようとするらしく、ねむくなったりするのもこの一環だそうですが、特に自動車を運転しているときなどはこの視界狭窄はかなり危険で、疲れを感じたり眠くなってきたら短い時間、それこそ5分10分でもいいので休憩し、自律神経を回復させるのは非常に効果的とのこと。

    そしてこの中でも特に注目すべきは3)で、過労死や過労による心身の障害を受けた人の多くが達成感や幸福感のようなものを感じていたそうで、いくら満足感があるからといって長時間労働を繰り返すことは、自ら寿命を縮めに行っているようなもの。達成感や幸福感はもはや麻薬と同じだというわけです。

    ●自律神経の疲れを防ぐには?

    自律神経はありとあらゆる「不随意運動」に対してコントロールを行っており、その限界を超えて活動を続ければ当然自律神経が壊れて恒常機能が失われます。菌に対する耐性だったり、回復能力だったり、自然治癒に必要となる能力にも多大な影響を及ぼします。結果的に、ありとあらゆる成人病、がん、突然死のリスクを飛躍的に高めることになります。

    ではこれらを防ぐためにどうすれば良いのか?

    いくつもの内容が本書には書かれていますが、ざっくりまとめていうと、

      適切な食事(内容・質・時間)
       と
      適切な睡眠(環境・質・時刻)
       をとり、
      脳のサインを絶対に無視しないようにする

    たったこれだけのことで疲れはたまらず病気にもなりにくいといった、それはそれはあまりにも当たり前の内容になります。

    自律神経の疲労回復には特効薬的な栄養素があり、それの1つが「イミダペプチド」で、これは鳥の胸肉に多く含まれており、しかも持続性が非常に長く効果が高いようです。量としては1日100gで十分。

    また即効性がある栄養素としては「クエン酸」があり、こちらは疲れの元を回復するというよりも自律神経の活動に必要となるエネルギーをミトコンドリアから産出するための触媒になるようです。こちらはレモン2個、黒酢大さじ1杯、梅干し2個のいずれかで十分とのこと。

    睡眠に関しては取り立てて特筆すべき事は書いておらず、やはり6時間以上の睡眠が必要であることや、交感神経や副交感神経のコントロールが重要である点、また「いびき」が睡眠による自律神経の回復の大きな妨げになっている点に触れられています。横向きで寝続けることが最も回復につながるというのは驚きで、いびきや睡眠障害の影響がでている人の多くは仰向け寝をしている人なんだそうです。また、休息には眠ることがもちろん重要ですが、自律神経が外部からの情報入力や不必要な指令の出力を断つことで休まるということを考慮すれば、真っ暗で静かな部屋で目をつむり、横になってじっとしていればカラダは休まる、という昔の人の言い伝えはある意味正しい、ということになります。

    ●さいごに

    本書の内容は、まとめてしまえばすごく当たり前のことしか書かれていないわけですがそれを科学的に裏付けをし、根拠のある数字とともに事実を知らされたことであらためて、「健康を維持するためには食事と睡眠が大切!」と気付かされました。

    本書にはコレ以外にも、世の中の疲れやその回復に関しての俗説や都市伝説を徹底的に否定している内容が盛りだくさんであり、そちらも気になるようであれば本編を参照してみると良いと思います。
    ちなみにこの本には続編の2もあるのですが、1が原理的な部分に注目した内容に対し、2は実践方法が書かれた内容になります。2つも原理のサマリが書かれているので、面倒なことをすっ飛ばして今すぐ実践したい人は、いきなり2から読んでも大丈夫と思います。

  • 「映画を見て感情を揺さぶられるのは疲労するから避けた方がよい」「週末の温泉旅行も疲れるだけなので避けた方がよい」
    どうすれば疲れないか?が科学的根拠によって述べられているが、疲れなければそれで人生幸福なのか?という話は別物なので、程度モノかなと思う。極端な話、家でジッとしていれば事故に会わないし、人と関わらなければ精神的に傷つく事もないので。
    イミダペプチド、クエン酸を摂取して、よく寝る事。1年中サングラスを利用する事。この辺は意識してやっていこうかと。

  • 疲労の原因を科学的に実証し分析した内容。

    エビデンスがあるのでなるほどと思える部分も多いのだが自分の感覚と照らし合わせるとなんとなくスッキリしない部分もある。

    それでもなぜ疲労が起きるのかという部分を再考するには良い題材の本だと思います。

  • ドリンク剤のくだりを読んでいて色々なCMが頭の中に流れてきました。ちょっと前(って私が小学生の頃だから大分前か…)「24時間働くビジネスマン」って改めてすごかったな、
    すごい時代だったんだなと思います。
    現在はライフワークバランス等と叫ばれていますが、残業時間の長さと満足度の感じ方を調査すると、残業時間が長くなってくると満足度が高いと感じるという調査もあるようですし、なかなかライフを見つめようっていうのは難しいことなんだなと痛感します。
    私も時短をさせて頂く身になって初めて自分の問題として向き合っているところです。

    ちょっとずれましたが、例えドリンクを飲んでトランス状態になってもトランスが切れたらHPは減っていると肝に命じて、まめな回復を心掛けようと思います。

  • 疲労は脳が原因。
    飽きは脳疲労のサイン。
    前頭葉発達で達成感が脳疲労を隠す。
    早めに細かく休憩。
    もっとも疲れるのは自律神経。
    休まないと視野が狭くなる。
    疲れの原因は乳酸ではない。
    活性酸素が脳の細胞を壊し疲れを感じる。
    紫外線を浴びると活性酸素が生じる。
    栄養ドリンクは効かない。
    鳥の胸肉。
    ゆらぎ。
    半身浴。
    1時間に1度歩く。
    注意を分散する方が脳疲労が少ない。
    タグ付で長期記憶。
    繰り返しインプットで長期記憶。
    多趣味。

  • 自律神経を使うことも脳の疲労につながるので、熱い風呂に入ることは疲れる。
    紫外線も疲れにつながる。
    うなぎは冬が旬。
    イミダペプチドとクエン酸を同時に摂る。イミダペプチドは鳥の胸肉。クエン酸はレモン。
    ゆらぎが疲労回復につながる。

  • 実用書は読みにくいイメージでしたが、すらすらと分かりやすい文章でとても読みやすかったです。自律神経を休ませる行動を心がけようと思えたし、何をすればいいのか書かれていて良かった。ただ、全て文章で書かれているので、付箋など貼って読み返せるようにするのがいいと感じました。

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著者プロフィール

梶本修身(東京疲労・睡眠クリニック院長)

「2022年 『医師が教える 疲れとりごはん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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