感情で釣られる人々 なぜ理性は負け続けるのか (集英社新書)

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著者 : 堀内進之介
  • 集英社 (2016年7月15日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087208412

感情で釣られる人々 なぜ理性は負け続けるのか (集英社新書)の感想・レビュー・書評

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  • 知らず知らずのうちに情報操作に引っかかってしまったり、社会や周囲のムードに流されやすいことを情けなく思っている身であるがゆえに、この本は心に沁みるものがあった。とはいえ、たまたま衆議院選挙の直後に読んだので、感情に翻弄される日本の政治が哀れに思えた。

  • まあ実際のところ理性より感情の方が優位なんだからあんまり理性理性言いなさんなという言説にシンパシーを抱いていたのだけど、確かに筆者のいう通り、かつて十分に理性的であった時代なんてないのだから、方向としてはいかに感情のウェイトを下げられるかという思考に向かうべきなんだよな、納得。

    それにしてもナッジとアーキテクチャの違いがようわからん。
    僕の理性もまだまだである。

  • 橘玲っぽいテイストと思ったら文中に出てきた。
    労働、マーケティング、政治など幅広い分野における感情のハッキングを紹介・批判。
    人間は理性がそんなに強くなく、感情で動きやすいので、それを前提にしたシステムにすべき。
    考えるべきことが多い現在、システムやテクノロジーを利用して、優先度をつけていくことが大事だと思った。

  • ■ダニエル・カーネマンは人間が何かしらの情報を処理する過程は,感情(システム1ファスト),理性(システム2スロー)の二つのシステムからなっており,理性(システム2)は期待されるほどには優れておらず,むしろ感情(システム1)に左右されていることを明らかにしている。
    ■「選択肢が増えすぎると人はむしろ何も選べなくなる」(決定回避の法則)
    ■人間の欲望は社会的,文化的,政治的な様々な理由により影響を受けるし集団の中の人間関係にも左右される。
    ■1920年代のイギリスでは労働者が仲間意識(感情的紐帯)を持つことが生産性を向上させることが明らかになり,既にどうしたら感情的な繋がりが生み出せるかということが考えられるようになっていた。
    ■マイヤーズは物理的な環境を整えるだけでは十分でないと知っていた。彼は,これを「ヒューマン・ファクター」(人間らしい要素)と名付けた。それまで労働者は経営者と同じ人間だと理解されていなかったのに対し,彼は,労働者は動物でも機械でもなく彼らに特有の恐れ,心配,不安といった「心」を持った人間「個人」だと考えた。生産性を上げたければ労働者が仕事をしやすいように精神的な障害や困難を取り除く必要がある。マイヤーズたちはこれを「精神衛生」と呼んだ。
    ■広告の発想はモノからコトへと変化してきた。シェアさせるためには同じカメラの広告でも製品本体をアピールしたものよりもカメラのCMであることさえ分からないような,広告の方が有利。
    ・コンテンツ(中身)よりもコンテクスト(文脈)を重視するようになっただけでなく,更に文脈そのものをコンテンツ化するようになった
    ・製品そのものを説明するのではなく商品の文脈を強調することで媒介者を得,そこから不特定多数に訴えることになる
    ■社会は契約を中心にした集合であり,それが生み出す機能や利益が重視される。それに対し,コミュニティは縁を中心とした集合であり成員であることそれ自体が重視される。
    ■宣伝とは他人の行動に影響を与えるように物事を記述すること。人々は事実を伝えるだけでは動機づけられない。人を動かすにはポップでより人々の感性に刺さるようなものでなければならない。
    ■マーケティングの重要な変化は「何が事あ実か」より「どう認識させるか」だ。
    ・重要なのは事実が「何か」ではなく,事実を「どのように」認識させるかということ。
    ・広告のキャッチ・コピーでは事実よりもメッセージが伝える高揚感が重視される
    ■ハイトによれば私たちの道徳的な傾向には次の六つのチャンネルがある
    ①配慮(ケア)
    ②公正(フェアネス)
    ③忠誠
    ④権威(敬意)
    ⑤神聖(ピュアリティ)
    ⑥自由(リバティ)
    ・リベラル派は前半の三つ,保守派は六つ全てを重視する傾向があり,リベラル派,保守派ともに,それぞれが重視するチャンネルに結び付く感情的な語彙や内容に共感しやすい
    ・教養層,高収入層,クリエイティブ層,比較的年齢の若い層は,配慮,公正,自由に反応しやすい傾向がある
    ・低学歴層,低収入層,ルーチンワーク層,高年齢層は忠誠,権威(敬意),神聖の三要素に共感的な反応をしやすい傾向がある
    ■人間のためのものが逆に仕組みの方に人間を適応させるようになってきた。
    ・システムの人間への「逆適応」
    ・「システムによる生活世界の植民地化」(ユルゲン・ハーバーマス)
    ■「玄関に置いておく小技」アレン

  • 久々に読み応えあった!

    ナッジまみれを前提に。
    理性があるから、「冷静になれば」、というだけではなく、そうなれる条件や環境が何なのかを整理して考えていく。

  • 行動経済学×政治社会学。アダム・スミスからエマニュエル・トッドまで。まるでイギリスEU離脱やトランプ当選後に書かれたような文章があるが、刊行はそれより前。

  • 理性的で「正しい」はずの主張が、単なる感情論に見えるものに勝てない理由が垣間見えた。

  • やるべきことが多すぎる。
    頭でわかっているのに行動できない。

    この本を手に取った人たちは
    その重荷を少しでもどうにかできないかと
    思っている。

    だが理性で理解できる解決策は提示されてはいない。
    寧ろどれだけ感情で動いてしまう時をシステムでコントロールするかである。

    理性的に動いていることがそんなに美化されて称賛されるべきことか?
    (感情派の方を肯定しているわけではない)

    どちらもあって人間なのでわりきって楽しむべきという事だろう。

  • 至極まっとうに思考しているのだけれど。ちょっとした工夫と見直しが答えというのが肩透かし感がある一方強烈に説得力がある。

  • 「ー」

    左翼なんてみんなエリート。
    当時の大学生、労働組合、マスコミ

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感情で釣られる人々 なぜ理性は負け続けるのか (集英社新書)の作品紹介

近年、国家や企業、共同体などが、巧妙に感情的な共感を引き出し、献身や購買といった形で人々を動員している。そこで、感情で釣られないための方策を提示。注目の政治社会学者による革新的論考!

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