世界を動かす巨人たち <経済人編> (集英社新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087208894

感想・レビュー・書評

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  • 『世界を動かす巨人たち』の第二弾。

    今回は経済人編で、
    ジャック・マー(アリババ)
    ルパート・マードック(メディア王)
    ウォーレン・バフェット(大投資家)
    ビル・ゲイツ(マイクロソフト)
    ジェフ・ベゾス(アマゾン)
    ドナルド・トランプ(不動産王、米国大統領)
    マーク・ザッカーバーグ(フェイスブック)
    ラリー・ペイジ&セルゲイ・ブリン(グーグル)
    チャールズ・コーク&デビッド・コーク(ティーパーティー運動の黒幕)
    と、ある意味前回以上に世界に影響力のある人たちで、非常に勉強になった。

  • ●ジャックマー 中国一の資産家は実は数学が苦手。1992年、友人と一緒に翻訳の会社を設立。1995年中国版イエローページを開設。1996年、大資本に競争の末敗れる。次に電子商取引のシステムを構築。1999年、アリババを企業。もともと電子掲示板だった。そこに誰もが買いたいものや売りたいものを書き込めることができるようにした。すぐにソフトバンクの孫正義が投資。2016年と上場の時ソフトバンクの含み益は8兆円近くに達した。
    ●ルパート・マードック メディア王
    テレビ朝日はそもそも、東映と旺文社、日本経済新聞社が出資して設立した「日本教育テレビ」1973年に朝日新聞社の傘下に入った。マードックはもともとオーストラリア生まれ。父が地方新聞4社を所有する経営者だった。当時オーストラリアには全国紙が存在しなかったので全国紙の創刊を思いつく。その後イギリスへ進出し、「ニューズオブザワールド」の買収に成功。続けてアメリカへ進出。「ニューヨークポスト」を買収。1981年、イギリスの高級紙として知られる「タイムズ」を買収した。1985年アメリカ国籍を申請し、映画会社20世紀フォックスと所有する6つのテレビ局を合体させた。フォックスニュースの設立でアメリカの政治に影響力。ついにウォールストリートジャーナルを手に入れる。保守派に見えるがビジネスのため常に体制側、有力な側につくことで成功した人物。
    ●ウォーレン・バフェット 史上最強の投資家
    現在87歳、投資会社バークシャーハサウェイの筆頭株主。ネブラスカ州オマハに住んでいて「オマハの賢人」と呼ばれている。2006年約4兆2000億円を慈善団体に寄付すると発表した。大学卒業後、近代投資理論の父と呼ばれるグレアムの古典的な名著「賢明なる投資家」に学ぶ。バフェットの投資の基本は「お買い得」の会社を見つけ多額の資金を投入すること。バフェットが初めて日本を訪問したのは2011年。切削工具メーカー「タンガロイ」の新工場完成式典出席のため。
    ●ビルゲイツ 世界一の億万長者 資産10兆
    父は弁護士母親は教師。敬虔なキリスト教徒で教育熱心。IBMに対してのライセンス販売と言うアイディアが成功の秘訣だった。
    ●ジェフ・ベゾス キューバ人養父のミゲルは仕事熱心な努力家。養子であるジェフの教育にも熱心だった。1994年、投資会社で働いているうちに、これからはインターネットだと思いショッピングサイトのアイデアを思いつく。なぜ最初の書籍から始めたのか?書籍は、どの店でも全く同じものが買えます。客が商品の質を心配しないで注文することができたのです。会社名をアマゾンにしたのは、検索サイトの検索結果がアルファベット順に表示されたからです。画期的なサービス。売れ行きランキング、カスタマーレビュー、1-Click。アマゾンはこの仕組みの特許を取得しています。このためライバル企業は1-Clickは使えません。1998年、アマゾンは書籍以外に手を伸ばす。2013年ワシントン・ポストを買収。
    ●ドナルドトランプ 不動産王から大統領
    池上彰曰く「イデオロギーなきビジネスマン」
    当時のアメリカはベトナム戦争の最中。ドナルドの同世代の若者たちは徴兵され、次々とベトナムに送り込まれていました。ところがドナルドは、「足のかかとの骨が尖っていて軍隊には向いていない」と言う医師の診断書を提出して徴兵を免れています。
    ●マーク・ザッカーバーグ
    フェイクニュースに入れたFacebook。2016年アメリカ人のFacebookユーザのうち、Facebookでニュースを読む人は66%に上ると言っています。ザッカーバーグが大学2年の時に、女子学生たちの顔を比較できるサイトを作りました。「フェイススマッシュ」といいます。そして2004年Facebookを作成。その作りは大学の学生年鑑そのまま。
    ●ラリーペイジとセルゲイブリン
    2人とも両親は科学者であった。ただセルゲイはソ連に生まれ。2人は1995年スタンフォード大学で出会った。Googleの技術。とりわけ「クラスタリング」と「ページランクテクノロジー」画期的でした。クラスタリングとは、大型コンピュータを導入しなくても、通常のパソコンを数千台並べることで1台の仮想コンピュータとして使える技術です。もう一つは、質の高い検察結果を表示できるようにするもので、人気のあるホームページからリンクが貼られているページは良いホームページと言う考え方。また広告のシステムも画期的。「アドワーズ」人気のキーワードであれば、高い広告料を払うと申請した企業の方が、優先順位が高くなると言う仕組み。「アドセンス」これは個人のウェブサイトなどに広告を配信するものです。その広告は、ウェブサイトの内容に応じたものが自動的に掲載されるようになっている。
    2006年には1950億円でYouTubeを買収。
    ●コーク兄弟 チャールズコーク、デビッドコーク
    アメリカの巨大エネルギー複合企業「コークインダストリーズ」を経営する兄弟。世界の長者番付ではどちらも8位。リバタリアン。2人は徹底した自由主義を信奉する政治勢力の育成に努めてきました。共和党の大口献金者としても知られ、オバマ大統領の任期中、オバマ政権つぶしのために全力を尽くしてきました。しかしトランプを支持していない。共和党の勢力躍進につながったのは「ティーパーティー運動」

  • フェイスブックやグーグル、マイクロソフトなどの名だたる企業の創設者の話が簡潔にまとめられていて、読みやすかった。私たちが当たり前のように使っている仕組みを、大学生くらいの若いときに考え出して、さらに事業を大きくしていっている。先を見通す力、チャンスをつかむ行動力、そして同じくその事業を見極める投資家たちの存在も大きいのだろう。自分を振り返ると、ここに出てくるような世界に大きな影響を与える仕事をしているわけではないが、少しでも誰かの役にたっているといいな。

  • 世の中の流れがわかりました。

  • 池上さん、面白いです。
    本書はTVでも放映されていたが、本で読んでもさらに興味深い。
    リアルな成功物語と人間に対する限りない楽観。この内容はそれぞれの成功者の人生のごく一部なのだろうが読後感は心地良い。
    本書には、TVではカットされた生き方が不快な金持ちも紹介されているが、それもまたリアルな現実なのだろう。
    9人の巨人たちは、ひとりが中国人、ひとりがオーストラリア出身のアメリカ人、あとの7人は全てアメリカ人である。ダイナミズムのある社会を実感する。日本もこのような人間が産まれる社会になって欲しいものであると思った。
    本書には「政治家編」もあるそうだ。それも読んでみよう。

    2017年8月読了。

  • さっと読める!

  • 海外というか、殆どアメリカの富豪たちの資産額は日本人のそれとは比べ物にならないですね…

    面白いのは、お金持ちになるまでは守銭奴の様にお金を追いかけているのに、お金持ちになった途端に今度は慈善活動などにシフトしていくってパターンがあるって所ですね。米国は寄付金に対する控除が結構あるので、税金として無記名で持っていかれるよりも、自分の名前が残る寄付活動の方が良いとする考えもあるのでしょう。

    ただ、私的には、大金持ちはそれなりの能力と努力を払って大金持ちになった訳で、大金持ちになる過程で色々な経験を得ていると思います。そしてその経験を積んだ事で、その人の思考とか価値観が変わって、お金持ちになる前には思ってもいなかった形態に変革されていくのかもしれませんね…


  • ジャック・マー、ルパード・マードック、ウォーレン・バフェット、 ビル・ゲイツ、ジェフ・ベゾス、ドナルド・トランプ、マーク・ザッカーバーグ、ラリー・ペイジ、セルゲイ・ミハイロビッチ・ブリン、チャールズ・コーク、デヴィッド・コーク。
    とても読みやすかったです。
    中でもウォーレン・バフェットについて、より知りたくなりました。

著者プロフィール

池上彰(いけがみ・あきら):1950年長野県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、73年にNHK入局。記者やキャスターを歴任する。2005年にNHKを退職して以降、フリージャーナリストとしてテレビ、新聞、雑誌、書籍、YouTubeなど幅広いメディアで活躍中。名城大学教授、東京工業大学特命教授を務め、現在9つの大学で教鞭を執る。著書に『池上彰の憲法入門』『「見えざる手」が経済を動かす』『お金で世界が見えてくる』『池上彰と現代の名著を読む』(以上、筑摩書房)、『世界を変えた10冊の本』『池上彰の「世界そこからですか!?」』(以上、文藝春秋)ほか、多数。

「2023年 『世界を動かした名演説』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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