きままな娘 わがままな母 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 37
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  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087450149

作品紹介・あらすじ

インテリアデザイナーの沙良、36歳は、母の駒子61歳とふたり暮らし。「あなたが心配だから」という名目のもと、チャンスさえあれば、娘を支配したくてたまらない母。善意がベースとわかってはいるものの、母の言葉に、嫉妬心やライバル心を感じることがある。家賃はなし、家事もすべてお任せという夢のような環境と干渉を天秤にかける娘。結婚のこと、老後のこと、娘と母の思惑は錯綜する。

感想・レビュー・書評

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  • 母と娘。同性で人生の先輩でもある母。娘には娘の世代の主張もあり、時には反発し合う関係。

    母娘と言えど別の人間で許し難い部分も多少はあり、相手を疎ましく感じることもしばしば。
    しかし弟の嫁については姑小姑で値踏みするなど息はさすが、ぴったりだ。

    男運に恵まれない姉に似ず、理想的な嫁を得た一郎くんに焦点を合わせて続編を書いて欲しい。

  • 読みながらこの「女」であり「子供」のような母親は我が母にそっくりだと思いながら読む。

    親として頼りにもなれば子供かよとツッコミたくなる母親。その母親とともに生活するアラファーの沙良の冷静に母を見る目。
    仲良くしても喧嘩してもそこは「血」のなせる業で結局は許し、甘えあえる仲。そんな親子の日常が切り取られた作品。

    ラスト息子夫婦に一緒に住もうと誘われ喜んで行った母・駒子が娘・沙良の元へ戻ってくるところはなんだか微笑ましい。

    この母娘はこれからもこうして馴れ合いぶつかりながらお互いを必要として生活していくんだろうな。

  • めっちゃ分かる…。そうそう、なんで母親ってこうなんだろうと。母娘とは相性、価値観が合えば最高だけど、合わないと憎々しい限りかもしれない。ぶつかりやすいし。それはささいな食べ物の好みから、大きな決断まで。
    いつの間にか私も育ててもらったことを忘れ、家族ゆえ母親ゆえに厳しく接しているかも。だからか、母親は自分と似たような状況の姪と会えばよく愚痴の言いあいしている。娘が聞いてあげないからだけど(笑)。優しくしてあげなきゃ、いつまでも若くないのは分かっているんだけどね…。沙良にすごく共感しながら読みました。

  • タイトルのイメージとはちょっと違った。
    いたって真面目で、“よくある”(今のこの時代的に)母娘の関係なのではないかと思った。
    突飛な話ではないだけに、“他の人たちはどうなの?”という興味でどんどん読んでしまう。
    母娘関係の他に、老いによって考え方や行動が変わって行く女性の姿が気になる。

    結局のところ、母が好き、と言いきれるヒロインは幸せなのだろう。
    自分的にはいまだに疑問だ。
    まだまだ、このテーマの本を探したい。

  • 母子関係の喜怒哀楽物語。
    いがみあったり、蔑んでみたり。
    許せないところがあっても、いつの間にか許し許され、
    そうしてぐるぐる世界はまわってく。

    娘が、過去母親にされたことに長年腹を立てていたことを、時を経て本人に言うと、素直に謝られ、娘は何だか許してしまう。
    積年の想いをそんな一瞬で許しちゃうの?
    と個人的にはびっくりなのだが、母子ってそういうものなのかもね。

  • 結局、母娘でも一人の人間やから相性もあれば価値観の違いもあって当たり前。
    極端に相性が悪かったり価値観が違わなければ、なんとかなるもんでしょ(笑)
    だから、お互いに“きまま”と“わがまま”でいられるのよ。

  • 無責任さと背中あわせのおおらかさ。

  • なかなか奇想天外な話。お母さんも娘も娘の彼氏も一風変わっているけど、おもしろい。

  • 「オフィスはうちに、と母誘う」「なぜ別れるの、と母が泣く」「お墓を買おう、と母はしゃぐ」「孫がほしい、と母の目輝く」「ざまをみろ、と母笑う」「「理想の嫁」に母よろめく」
    全6話で構成された家族小説。

    どのエピソードも身近に起こりそうな事柄で面白く読めました。

    娘・沙良(37歳・独身・インテリアコーディネーター) 母・駒子(62歳・未亡人・パート勤務)七年前に亡くなった父、家を離れて一人暮らししている弟、それぞれの人物描写が丁寧で脳内映像がくっきりと浮かび上がりました。

    ほのぼのとした作品です。

  • 2019.3.6-199

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