- Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087450224
感想・レビュー・書評
-
六十にもなろうという奉行、大邊九右衛門。大食いで我儘、肥え太り巨軀と主人公らしからぬキャラが逆に魅力。
まわりを翻弄するのだけど、皆諦めているようで言うがまま。
序盤は料理を部下に振る舞ったり、勇太郎の母や妹を気にしてたりと前にでていたけど、段々と勇太郎達をサポートする後詰め的存在に。本来の形かな。
もっと前にでて我儘ぶりを出して欲しく感じた。まあ充分にすきにやってるけど。
出てくる料理もやはり時代的に肉肉しいものではなく、素朴さを感じるもの。しかし何故か食欲をそそられる。
歴史的に知らないと分からないものもあるけど、ミステリー要素もあり気軽に楽しめた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
シリーズ一作目。
めちゃめちゃグルメで食い意地がはっている町奉行が江戸から大阪に赴任してきた。真面目に働くよりも美味しいご飯をたらふく食べたい。
このシリーズは、一作目以降を数冊読んでいて鍋奉行のキャラクターはお馴染みだったので、鍋奉行の登場シーンで皆んなが戸惑っているのが新鮮で面白かった。 -
奉行が鍋奉行ってギャグか、とタイトルに惹かれて読んだもの。タイトルセンスに笑ったけど、内容もおもしろかった。ミステリー要素もしっかりあって、読み応えあった。料理もおいしそうで、最後の話の中で登場した太吉の和菓子がかなり気になる。ギャグみたいな名前の頼りない感じの奉行だけど、決めるところはびしっと決める奉行はなかなか憎めない。
-
良かったです☆以前に同じ作者の別作品、こなもん屋うま子を読んであんまり合わなかったのでどうかな…と思ってましたがこれはおもしろかったです☆主人公…になるのかな、鍋奉行がなかなかドギツイキャラで、でもそれも良かった☆勧善懲悪なストーリーも好きです。続編も読んでみたいです☆
-
江戸グルメのお話かなー笑
読みやすいですし、出てくるご飯が美味しそうです。
ドラマになりそうな軽いテンポで進んでいきます。1話読み切りタイプなのではいりやすいです。 -
田中啓文のキャラってなんか好き。
朝ドラみたいなムカつく関西弁じゃない
登場人物の会話も好き。
最後の一話で美味しい和菓子が食べたくなった。 -
『こなもん屋うま子』があまりに楽しかったので、この著者の時代小説ならば、あまり時代小説に慣れていない私でも読めそうだと、シリーズを大人買い。期待を上回る楽しさでした。
大坂西町奉行所に赴任してきたのは巨漢のお奉行様、大邉久右衛門。どケチなくせして、食べるものに関してだけは金に糸目をつけず。しかも、旨いものと見るや自分の分だけではなく、与力や同心たちにも食え食えとうるさい。付いたあだ名は鍋奉行、大鍋食う衛門。食べること以外に興味はないのかと思いきや、事件が起こればぼそっとつぶやいて解決の糸口を示す彼に、まわりはすっかりペースを乱され巻き込まれ。
主人公は久右衛門というよりも、若い同心の村越勇太郎。勇太郎の目線で描かれる事件の過程や久右衛門の言動がものすごく楽しい。シリーズ1作目となる本作では、ふぐ、鰻、鰹節、餅菓子が登場。旨いものを食べれば気持ちが安らぐ。豪快な書きっぷりながら、料理についての描写は子細に渡り、胃袋も刺激されることまちがいなし。辻斬りやら仇討ちやら、穏やかとはいえない事件なので、そこは少しバランス悪し。時代が時代だけに合っているとも言えますけれども。 -
20170226 グルメ小説のようで犯科帳になっているのは、登場人物のキャラクター設定が良いからだとおもう。シリーズものとしても続けやすいのではないだろうか。
-
大阪西町奉行に赴任してきた大邉久右衛門は、とにかく食い気優先でわがままで仕事はいい加減。しかし事件が起こると意外なひらめきを見せて…
型破りな大食漢が主人公の短編集。ふだんは食へのこだわりで周囲を振り回すが、意地汚いのに部下たちにも強引に振る舞ってやる気前のよさもあり、ズボラなようでしっかり事件を解決する奉行はなかなか憎めないキャラである。
フグ、ウナギ、鰹節、生菓子と各話にテーマとなる食べ物があり料理の蘊蓄が楽しい。ストーリーも意外にちゃんとミステリだし、続編も読んでみたい。 -
(収録作品)フグは食ひたし/ウナギとりめせ/カツオと武士/絵に描いた餅