太陽のパスタ、豆のスープ (集英社文庫)

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  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087450262

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  • 主人公が婚約破棄されるところから始まる話。
    特に人生の目標とか、やりたいこととか、考えずに結婚を目標になんとなく生きてきた子が、
    この出来事をきっかけにドリフターズリストを作って、自分に向き合っていく。
    意外とへこたれずに、仕事、家族、人生に向き合って着実に成長していく姿が素敵で、元気をもらえる話。この主人公は婚約破棄のお陰で人生がより良いものになったとすら思える。

    恋愛や他人に依存しすぎるとだめだよ、という教訓も著者は伝えようとしたのかな。

  • 私が選んだものが毎日の私の体も、心も、作っていく。
    選んだものは意図的に選んだものだけじゃなくて選ばれたもの、うっかり選んだものも含まれてて、
    ドリフターズリストは毎日を作るための選択の手助けになるもの、きっかけになるものなのかなー。
    あすわとちょっとだけ境遇が似てて、私が何を選んで生きていきたいかを穏やかに考えれた。
    私がやりたいことというより、選びたいものはなんだろう。つい選んでしまうものはなんだろう。
    私はどんな風に毎日の私をつくりたいんだろう。
    何年前かより少しずつ選べるようになってきてる今、この作品に出会えて良かったです。

  • ロッカさん「20代はみんな焦るよ」「焦らなかったら嘘、ってくらい焦るよ」…

  • ちょうど失恋したばかりだったので、主人公に感情移入してしまった。1人になってから気がつくことも学んだことも反省したこともたくさんあり、主人公にように頑張りたいと思えた。

  • つい最近、私も彼氏に振られ、まったく同じような心境の変化を経ていたので、すごく共感しながら読めた。
    付き合ってた時は早く結婚したくって、仕事も腰掛け程度にしかおもえなかった。結婚したら私の人生、成功だ〜!って思ってた。
    振られた瞬間、自分にはやりたいことも好きなことも何もないことに気づいた。
    そこから主人公のように、やりたいこと、したいことを探して、リストにはしなかったけど、片っ端から試した。
    ボクシング、刺繍、読書、まいにち日記を書くこと。どれもピンとは来なかったけど、今日はボクシング行くか〜!とかこの本面白そう!って思えるようになったし、人生楽しい!って思うことも増えた。

    増えたと思いきや、元カレと聞いてた歌が流れてきたり、元彼と同じ香水の匂いを嗅いだりするたびに、涙が出てくることもある。

    忘れるために頑張らなきゃって思ってたけど、
    頑張らなくていいんじゃない???
    今は忘れるのを頑張る時じゃなくて、自分を知る時なんだよ!一緒にこれから過ごしていこうね!何もない自分!!!

  • 結婚式前に婚約を破断された明日羽が、叔母から提案された「ドリフターズ(やりたいこと)リスト」を作成し、少しずつ自分を見つめ直す話。

    読みやすくて読後感も良かった。少しずつ、本当に少しずつだし、時々思い出して泣いたり凹んだり、落ち込んだりもするけど、そんなふうに行ったり来たりしながら、ゆっくり再起していく話。そうだよねえ、人ってそんな何かいいことがあったら以降ずっと前向きとか、そんなんなれないもんねえ。

  • 誰かの答じゃなく、私の答を。

    素敵な言葉がたくさんいるね。打ちのめされる悲しみの中にも、穏やかな気持ちが漂っている。
    毎日のごはんがあなたを助ける。毎日は一日一日の営み。生活、行動の連続。だからひとつずつゆっくりすれば、きっと私が良くなるのかな。
    豆のスープをおいしく食べたい。美味しい料理とその前段階を大事にしたい。ごはんが私を作るから。

  • ぼちぼちでしたね。
    読みやすかったですが、あすわに全く感情移入ができずになかなか盛り上がれないまま終わってしまいました。読み手によっては読みやすいので面白いかもしれませんね。

  • とても後味のよい美味しいランチのような印象。
    砕けた口語体の、漫画のようなコミカルな、良くも悪くもさらっと読めてしまう本でした。
    後半につれて主人公の思考や心持ちの変化が、確りとした文章に表れていくのがとても素敵でした。

  • 全体を通して温かみのあるストーリーで、読んだあとは心がほっこりした。物語の初めは主人公が失意のどん底に陥っているところからのスタートだったが、彼女がドリフターズリストを通して自分を見つめ直しながら少しずつ立ち直っていく姿に勇気づけられた。主人公キャラクターが完璧じゃないのがより親近感が持てたし、急激な変化ではなく彼女なりのスピードで前に進んでいくのがとても良かった。ドリフターズリストを立ててもなかなか行動に移らなかったり、理想とはほど遠かったりなど、このあたりは自分とも似ていて共感して笑ってしまった。また物語の中の”水夫と一切れのパン”のくだりも良かった。「水夫がパンだと信じていたものは一片のパンの木切れだった。外見はたぶん木切れでも、紙片でも。いいのだ。彼は中身が木切れであることを知ったとき、それをくれた僧侶に心から感謝した。」明日羽にとっての一片のパンはドリフターズリストだったように、人にはドリフターズリスト=漂流者の道標となる何かさえあれば、それを支えに生きていくことができる。重要なのはその中身ではなくて、こうありたいと自分が願うほうに一歩ずつ進んで行こうとする気持ちなのだと感じた。

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著者プロフィール

1967年、福井県生まれ。上智大学文学部哲学科卒業。2004年、第3子妊娠中に書いた初めての小説『静かな雨』が、文學界新人賞佳作に入選。07年、長編小説『スコーレNo.4』がロングセラーに。13年4月から1年間、北海道トムラウシに家族で移住し、その体験を『神さまたちの遊ぶ庭』に綴る。16年、『羊と鋼の森』が本屋大賞を受賞。ほかに『太陽のパスタ、豆のスープ』『誰かが足りない』『つぼみ』など。

「2018年 『とりあえずウミガメのスープを仕込もう。   』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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