- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087450330
作品紹介・あらすじ
子供の頃、伯母から聞かされた恐怖譚-。月のない夜、奥多摩の霊山に建つ神官たちの屋敷を男女の客が訪れた。思いつめた二人は、神主の説得の甲斐もなく屋敷内で心中を図ったという。だが女は死に切れず、事切れた男の隣で苦しみながら生き続け…。著者の母方の生家に伝わる話を元にした「赤い絆」「お狐様の話」など、怖ろしくも美しい全7編。短編の名手が紡ぐ、味わい深き幽玄の世界。
感想・レビュー・書評
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時代物のホラーかと思ったのだが、表紙に騙された。これだから表紙買いというのは当てにならない。
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「赤い絆」と「お狐様の話」は奥多摩御岳山の御岳神社を舞台とした怪異譚の趣の小説、「虫篝」「遠別離」は戦争怪談の趣の小説、お化けが出てくる怪談話ではあるが怖くはない。
タイトルどおり、「怪しく」「うらめしく」「哀しい」短編7篇。
私の好みの作風ではないので評価は低め。 -
怪談短編集。どこかままならない切ない余韻を残す。残酷な結末がそのまま魅力になっているよう。頭と終わりの、夜半語りスタイルの神道怪談が特に。
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ほんのりとした不可解さ
恐怖とまで言えない微妙な恐ろしさ -
ちょっと怖くて寂しいノスタルジー。死者や過去は戻らないもの。
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昔伯母に聞いたこわい話を元に書いた、7つの短編小説。
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「お狐様の話」が興味深かった。40、50年前までは、親の世代が「誰それが狐に憑かれた」とか言う話をしていたのを聞いた記憶があるが、最近は全く聞かない。
人が通うのも大変な幽谷の神域で、寝物語として聞いた切なく哀しい恐ろしい物語。
この世界観がたまらなく好き。 -
宮部みゆきの怪異譚を読んでいる時に発見した本書。復讐劇として印象深い「骨の来歴」。ドッペルゲンガーを扱った「虫篝」と、濃霧の中に過去と現代が交差する「遠別離」は、ともに太平洋戦争の兵士を登場させる物語で、特に「遠別離」は衛兵所の二等兵と、夫の戦死を知る彼の妻との邂逅に涙ぐんだ。
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2007年くらい?にハードカバー版で読んだ。
短編集。1話目から呑まれた。
1話目の狐の話が一番凄惨で、一番凄みがあると思う。すごい。