命もいらず名もいらず 下 明治篇 (集英社文庫)

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著者 : 山本兼一
  • 集英社 (2013年5月17日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (587ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087450668

命もいらず名もいらず 下 明治篇 (集英社文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 歴史小説を初めておもしろく読めた。上巻の人物描写が魅力的になされている。下巻はややパワーダウン気味だが、最後まで淡々と描こうという筆者の意志が伝わった。明治維新で必ず名は出るが、詳細に描かれない理由がわかった。破天荒すぎて、偉人伝としてはNGだし、歴史的人物としては過激すぎるのだね。

  • 激動の幕末にあり、幕臣として徳川慶喜に忠義を尽くし西へ東へ敵陣へ、幕閣や勝海舟にいいように使われた感もありますが。維新後も旧幕府と新政府の仲立ちに奔走、明治天皇の側仕えとなる。峻厳だけど慈悲深く、常に貧乏だが鐵舟の人柄を慕い幾多の人たちが集う。仁、義、礼、智、真、何事にも命懸け、家名や出世よりも人のため、常に己を研鑽する生き様は、真の武士だった。山岡鐵舟の死は、武士の時代の終わりを告げるものだった。

  • 幕末を生き、三舟の一人と呼ばれる山岡鉄太郎(鉄舟)の話。愚直に剣の腕、禅を磨き、周りに慕われながら幕末の動乱を幕府側の人間として志し強く生きていく。

    生き方を学ばせてもらった一冊。私に最も足りないと思ったこと「本気で生きる」こと。
    【心に残る】
    己に恥じぬように精神を満腹にして生きよ
    自分のためになり、人のためになることをせよ
    変わるべきものと、変えてはならないものがあるはずだ

    【学び】
    徳川の駿府封入。最後の将軍徳川慶喜のあとを継ぐ徳川家達。静岡藩の知事になる。江戸が東京となる。
    清川八郎、新撰組の元となる組織を作るが、京都到着前に呼び戻されて、鉄舟らと共に江戸に返る。そのまま京都に行ったメンバーが新撰組に。

  • 読後に「得も知れぬ清々しさ」が残る小説の主人公…そういう人物と出会うことが叶うから、読書は愉しい!!
    「六尺二寸」というから、殆ど190センチ近いような巨体の武士…「斗酒を辞さず」を地で行くような大酒呑みで、激しい稽古を重ねて腕を磨き、“鬼鉄”と渾名される程の剣豪…何か山岡鉄舟は「時代モノの豪傑」そのものというイメージさえする男であるが…こんな彼が戊辰戦争期の江戸を戦火から護るべく、勝海舟が放つ密使として、これもまた「豪傑」というイメージの西郷隆盛の陣営が据えられた駿府を目指して決死の旅をする辺りはなかなかに勇壮である…そして明治天皇の侍従ということになって宮内省に務める時期は、「妙な慣例?」のようなものに断じて阿ることをせず、「新たな時代の君主」として若い明治天皇が立派になることを只管に願って行動するという“熱血漢”ぶり、“硬骨漢”ぶりを発揮していて、こうした辺りは痛快だ…他方…「これほどの男にして?」とさえ思える程度の“求道者”ぶりで、人生や社会に向き合う姿勢が、本作には詳しく綴られる…

  • 禅問答と剣の道によって己の思想を育て、鍛えた英雄の物語。誠実と素直さが英雄の要件か。

  • 幕末の激動を生き抜いた山岡鉄舟の壮年期~晩年の話。
    世間が激動し、鉄舟も明治という時代に巻き込まれていく。
    その時代の中で、剣術・禅・書を命がけで極めている鉄舟の人格は尋常ではなく、様々な重役から声がかかり、一介の剣客ではなく、明治という時代を作る立役者になっていく。
    特に明治天皇の侍従となり、種々の教えを伝えていたのは驚き。
    晩年になると益々剣術と禅に励み、奥義を得るところもすごい。
    最後は病死となるけど、すごい人だったんだと思いを馳せる。また読み返したい本です。

    心に残った言葉
    ・こころが熟し、高き志を持つ者はついにことを為すことができる。-精神満腹  (山岡鉄舟)
    ・他人をあてにするな (山岡鉄舟)
    ・俺より、もっと腹の減っている人がいるだろう(山岡鉄舟)
    ・日本など背負っていれば、だれでも病気になる(星定和尚)
    ・寒いときは寒い。痛いときは痛い。それでいかんのか(星定和尚)
    ・晴れてよし曇りてもよし富士の山もとの姿はかわざりけり(山岡鉄舟)
    ・なにごともとことん本気で取り組めば胆力が練れます。
    ・儲けたいと欲をかけば狼狽して胸がドキドキしますし、損をしたら身が縮みます。まず自分の気持ちがスッキリしている時に方針を決めて、あとはその時の小さな値の動きにこだわらずどんどん進めました。(平沼大悟)
    ・わが命なんぞには何の関心もない(山岡鉄舟)
    ・敵の実相を見て、その無相を明察すべし。わが無相を敵に知らしめないことに習熟すべし(浅利義明)
    ・いまの日本は落ち着いている。そのかげに、大勢の死があったことを、忘れてはなるまい。

  • 後半はやや間延びしたが、明治天皇は新鮮だった。

  • 山岡鉄舟についての小説の下巻。

    小説というよりは山岡鉄舟がどのような人物であったかを逸話などを挿れながら紹介するというような形式をとっている。

    とにかく真っ直ぐな人柄であり、己に正直に生きる様は格好いいと思う。
    精神満腹という信念は素晴らしい、難しいとは思うが自分もそうありたいと思う。

  • 幕末の時代物はいくつか読んできて、その度に時流のなかで立場は違えどそれぞれが志高く、自分のことも周りのことも全てに懸命に向き合って生きている姿に感動してた。
    そんな生き様に憧れはするものの自分が普段思い描いている格好良さとは全然違っていて、あまり共感は出来なかった。でもこの山岡鉄舟は…!師匠と仰ぎたい程に格好良い!自分もこんな風に力強く真っ直ぐに気概に富んだ人物になりたいと思った。
    あの激動の時代に自分の道を見失わず、徹頭徹尾忠に尽くす。本当にすごい。
    スケールは全然違うけどとても共感する考え方がたくさんあって、自分の物の見方に少し自信を持てた。自信になったといえば特に、自分のためになることが人のためになるという生き方!自分のためって利己的でいけないことかと思っていたけれど、決してそうではないんだなぁ。

    あー、思うところいっぱい!

  • 江戸の町、民を守る為、命を賭して西郷隆盛を説き伏せ、勝海舟との会談を成立させた江戸城無血開城陰の立役者、山岡鉄舟の生涯を描いた筆者渾身の作品。禅、剣、書をこよなく愛し、勝海舟、西郷隆盛、近藤勇、清水次郎長、徳川慶喜そして明治天皇等時代のオールキャストに愛された所以を紐解く作品。「利休にたずねよ」で得た静なる心の動きを丁寧に書き込む筆致力を本作品にて完全に開花させた感がある。明日をも知れぬ時代、人生の岐路の数々を不動心にて切り抜ける様をとくと御覧あれ〜。心静かにジックリ読み解く人生の指南書です。

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命もいらず名もいらず 下 明治篇 (集英社文庫)の作品紹介

攘夷と開国の狭間で混乱を深める日本。鉄舟は最後の将軍・徳川慶喜の意向を受け、命がけで西郷隆盛と直談判、江戸無血開城への道を開いていく。のちに明治天皇に任用された男の清貧で志高い生き方。(解説/縄田一男)

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