レディ・マドンナ 東京バンドワゴン (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
4.10
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本棚登録 : 1544
感想 : 115
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087451009

作品紹介・あらすじ

下町で古書店を営む大家族の堀田家に、今日も謎に満ちた客がやってくる。なんと一家の大黒柱・勘一に恋のうわさが舞い込む予感も!? 大人気「東京バンドワゴン」シリーズ第7弾!(解説/若木ひとえ)

感想・レビュー・書評

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  • シリーズ第7弾。
    子どもの成長は早いもので、まだまだ幼いと思っていた鈴花ちゃんとかんなちゃんの片言のおしゃべりがとっても可愛いです。

    我南人が仲間を集めて、カフェでアコースティックライブをやるようになったようで、音楽の話題が加わると、この物語の楽しさがどんどん増してくるようです。
    紺と亜美さんが実はドラムスティックで繋がっていて、亜美さんは我南人の大ファンだったなんていうこともちらっと出てきて、詳しい事実が今後どういう形で明かされるのか、とっても楽しみ。
    〈東京バンドワゴン〉は古本屋さんだけれど、堀田家と音楽は切り離せない間柄のようです。
    今さらながら、本のタイトルにビートルズナンバーが使われていることに納得できます。

    堀田家には毎回諸問題が持ち込まれるけれど、悪い人が一人も出てこないし、一家の団結力がほんとに凄い。
    男性陣と女性陣のバランスもよく、愛に溢れるまさに癒しの一冊です。
    祐円さんの神社での結婚式や、新しい命の誕生。
    この後もずっと、この幸せの連鎖が続いていきますように。

  • ☆4.5

    シリーズ第7弾

    堀田家にお邪魔してきました。(先程帰宅しました!)
    今作では巻頭に堀田家と藤島ハウスの間取り図が載っていたのが嬉しくて、しばらく見入ってしまいました!

    今作でも印象に残った場面がたくさーーんあったのですが、中でも特に亜美さんのカッコ良さに惚れてしまいました♡
    あんなに素敵なお母さんで、研人(かんなちゃんも)が羨ましいです!

    毎度賑やかで楽しそうな堀田家の朝食ですが、勘一さんタバスコはちょっと…。

    これからの堀田家も楽しみです(*´˘`*)

    • やんばるさん
      のんさん、こんばんは。
      毎回話題の尽きない堀田家、楽しいです。
      私は美登里さんの話が印象的でした。
      すずみさんとの友情、堀田家のバックアップ...
      のんさん、こんばんは。
      毎回話題の尽きない堀田家、楽しいです。
      私は美登里さんの話が印象的でした。
      すずみさんとの友情、堀田家のバックアップ最高でした。毎回の事ですが心強いですね。
      2023/02/28
    • のんさん
      やんばるさん、こんばんは。
      美登里さんのお話もとっても良かったです!思わず涙が流れてしまったほどでした…。
      これからも堀田家の皆さんに、たく...
      やんばるさん、こんばんは。
      美登里さんのお話もとっても良かったです!思わず涙が流れてしまったほどでした…。
      これからも堀田家の皆さんに、たくさん楽しませてもらいたいと思います❁⃘*.゚
      2023/03/01
  • 東京・下町の老舗古書店「東京バンドワゴン」。
    大家族の堀田家に持ち込まれる謎を解き明かす、シリーズ第7弾。

    基本的に年1冊、春に文庫化されているそうで、季節の彩りとともに家族やご近所さん、お仲間たちとの冬から秋への1年間が描かれている。
    ちなみにこの巻は、TV化にともなうサービス(?)で夏に出たようですが・・・。

    4つのお話の中では、特に「春」の章で、我南人さんのミュージシャン仲間である中川さんのために、みんなで芝居を打つシーン。真面目に不真面目というか、人を思って真剣に、優しい嘘の芝居をする。
    でも、結局みんなわかっていて・・・。

    他にも、
    研人くんを思うお母さんの亜美さんのかっこいいことといったら!
    おませなかんなちゃんと鈴花ちゃん、藤島さんとのやりとりなど、メインのストーリーの周りを固める小さな出来事の積み重ねに豊かな時間が流れていてうれしい。

    サチさんが、それぞれの季節ごとの章の最後に孫の紺と言葉をかわした後のつぶやき。
    そこだけ強調すると、まるで自己啓発本の一文のようで若干説教くさいと思われるかもしれない。
    けれどいろいろな込み入った出来事が起こり、多くの人々が関わりおおごとになり、堀田家の人たちにより事情が解き明かされ、納得のいく結末に収束していく。
    そんなやり取りのあとで、サチさんが言葉にすると重みを増すんですよ。根っこのない口先だけの言葉ではなく、しみじみと味わいがある。
    もしかして、私自身が小さな経験を重ねてきて、事実や体験からくる(小説の中であっても)言葉の重みを以前より感じるようになっているのかしら?


    心の細波が立ってこそ、凪のときのありがたみがわかるってもんですよ。(P117)

    どんなに辛い、忘れたいような過去でも、それを思い出にできるような未来に向かって歩いていく。(P285)

    若い人たちの明日への道筋を作ってあげるのは、あなたのような年寄りの仕事じゃありませんか。<中略>
    そうして、あなたが背中を押せば、誰かがその道を進んで、その誰かがまた道を作ってくれます。(P352)

    辛い出来事や失敗も気づきをもたらし、未来への糧にする。
    いつか、自分がしてもらったことに感謝しながら、次の世代のために小さな足元を照らす光になれるよう、今を丁寧に、明るく楽しく暮らしていく。

    時折立ち止まって自分のあり方を確かめられるように、手元に置いておきたい言葉の数々です。

    • だいさん
      >辛い出来事や失敗も気づきをもたらし、未来への糧にする。

      ポジティブが考え方、とってもいいですね!!
      書いてある、言葉の数々も身にし...
      >辛い出来事や失敗も気づきをもたらし、未来への糧にする。

      ポジティブが考え方、とってもいいですね!!
      書いてある、言葉の数々も身にしみますね。
      2014/06/22
    • nico314さん
      だいさん、こんにちは!

      もっともっとずーっと前に読んだ本にも、素敵な言葉や登場人物がでてきたとおもうんです。
      ただ、今の自分の方がア...
      だいさん、こんにちは!

      もっともっとずーっと前に読んだ本にも、素敵な言葉や登場人物がでてきたとおもうんです。
      ただ、今の自分の方がアンテナが高くなったというか、そういう気づきを求めているということなのかもしれません。
      2014/06/22
  • 大好きなシリーズの第7作。

    【冬:雪やこんこ あなたに会えた】
    何作か前の番外編…「マイ・ブルー・ヘブン」も大好きだったけれど、このシリーズ、ああいう番外編がまだまだいくつも作れそうだなぁと感じた。
    三石さんのエピソード、なんかイイね。自分もちょっくら思い出したなぁ。。。

    中3の夏、片想いの女子の席は、真ん中の列の一番前、左側。自分はその真後ろで…授業中に振り向いて僕のノートにイタズラ書ききしてきたそのノート、家で何度も眺めたっけ。あぁ、今では遠きアオハルなひとコマ(苦笑)。


    【春:鳶がくるりと鷹産んだ】
    朝の電車で泣いた(苦笑)。
    親目線で読んでしまったのが間違いだったか。
    亜美さん、カッケー。
    ナリちゃんの嘘に付き合う面々の温かい心。
    たまらないね。やっぱり大好きだゎ、このシリーズ。

    (四半世紀以上前の)我が実家でも・・・
    6つ違いの妹の、
    前年嫁いだ叔母さんの、
    そして里から持参した我が母の…
    3組の雛人形が全て並べられた日を思い出した。
    (その年だけだったけれど)


    【夏:思い出は風に吹かれて】
    この話での名場面は間違いなく、青が池沢百合枝に語りかける場面だろうと思われる。
    自分が母と呼べるのは堀田秋美ただ一人だ、だけど娘にはあなたをおばあちゃんと呼ばせたい…と言う場面。
    ネットによればシリーズのファンサイト(Twitterだけど)で"神シーン"に挙げている人も多数いたし。

    だけど自分のお気に入りはちょびっと違ったかな。
    様子のおかしい勘一を心配して散歩に連れ出したかずみちゃんとの会話場面。
    縁を切った父親の蔵書を取り戻してサチの墓前に備えてやりたい・・・亡き妻を想う勘一の愛情にグッと来た。
    (これまた今シリーズで一番好きな)「マイ・ブルー・ヘブン」を読んでいたからこそ2倍、涙腺を抉られた。

    【秋:レディ・マドンナ】
    表題作。2日で読み終えた今回の一冊。2日続けて出勤途中に涙を流してしまった。光平の想いにジンときて、勘一の大岡裁きにとどめを刺された(苦笑)。

    文句なしに
    ★5つ、10ポイント。
    2020.01.10.新。

    ※池沢百合枝のモデル(?)は、いわずもがなの吉永小百合さんなのだろうとは、1作目から感じていたところなのだけど・・・

    池沢百合枝(をモデルにしたであろうキャラ)には実は隠し子が居て…という設定のフィクションに出会ったのは、実はこのシリーズで3作品目。
    1つ目は、タイトルもストーリーも忘れてしまったとあるVシネマだったか?
    2つ目は、これまた大好きな、赤石路代の漫画「P.A.」
    そして
    3つ目が本シリーズ、東京バンドワゴン

    こんなに何度もネタにされるだなんて…本物の吉永小百合さんにもそういう(隠し子うんぬん)噂が立ったことがあるのかしら?と思ってしまった(笑)。


    ※東京バンドワゴンの連ドラ版、観てみたくてしょうがなくなっている。(キャストは「すずみ」以外は納得がいかないのだけど…特に「真奈美」さん)
    DVDを借りようとレンタル店をいくつか回るも、いずれも置かれていなかった。人気出なかったのかしら????

    だとしても?

    wikiった限りでは、連ドラで消費された原作は初期の3冊らしいし……原作ネタも溜まった今こそ、キャストも原作消費率も変えてリメイク版を作ってくれないかしら……TBSあたりで…とか想う、今日この頃。

    • moboyokohamaさん
      番外編「マイ・ブルー・ヘブン」大好きです。
      あれを読んで本編への思い入れが一層強くなりました。
      番外編「マイ・ブルー・ヘブン」大好きです。
      あれを読んで本編への思い入れが一層強くなりました。
      2020/01/11
  • 相変わらずの賑やかな大家族に加えて新たな仲間も増えてバワーアップの堀田家でした。子供たちの成長ぶりも堀田家と繋がる人々の今後も楽しみです。

  • だんだん人間が増えてきて覚えれない。平和でほっこりします。

  • きゅーちゃんからもらった最後の本!!!

    これ、読み終わってたのかなー?多分読み終わってるとは思うけど?新刊で買ってたはずだし!

    今回も面白かったよー!!!!きゅーちゃん!笑笑

    まだまだ続編が出てそうな感じ。秋美さんが亡くなった理由も知りたいところだしなぁ。ガナトと池沢さんの出会いも知りたいよなぁ。笑笑

    まだまだ気になる堀田家の謎!!!!

    これからも読み続けようと思います!!!!!

    きゅーちゃん一押しだった本。生きてるうちに話したかったなぁ。感想とか、今後の展開とか。

    堀田サチのようにその辺にいられても困るけど、本の感想言い合いたかったなぁとつくづく思う私でした。

    きゅーちゃん、やっと読み終わったょ。

    えみちゃん、本当遅い、もう新しいの出てるからね!!!
    ま、でもえみちゃんには貸さないけど。

    ↑言ってきそうなきゅーちゃんの言葉。

  • 久しぶりに読んだシリーズの7作目。
    相変わらずのベタな人情物語と言えなくもないけれど、読みながら涙を流した。
    今回の目玉は貫一の亡くなった妹さんが残した葉山の別荘に関する、貫一曰く「三方1両損」的な処理。
    みんなが幸せになる。

    • hs19501112さん
      コメントお返事遅れましてm(__)m。
      自分も「マイ・ブルー・ヘブン」がとっても好きです。若き日のサチばあさんと勘一の冒険談…だいぶキナ臭...
      コメントお返事遅れましてm(__)m。
      自分も「マイ・ブルー・ヘブン」がとっても好きです。若き日のサチばあさんと勘一の冒険談…だいぶキナ臭く、でもバンドワゴンらしいほんわかさもあり
      笑いも涙もあり・、な、素敵な物語でした。「あえての白黒撮影」で、誰か映画化でもしてくれないかなぁ、とか思ってます(^-^)v。

      2020/01/15
  •  そうそう、亜美さんもむちゃくちゃ男前なんだった。亜美さんのドラムさばきカッコ良さそう。脳内イメージがシシド・カフカにアップデートされた。勘一に我南人、そして父親の紺はもちろん他の家族からの教えを胸に逞しく成長している研人の今後が楽しみで仕方ない。すずみさんの江戸っ子らしい気っ風の良さも到底真似できない。この人情が魅力だなぁ、としみじみ感じる。
     そしてこの巻の見所といえば堀田家見取り図。藤島ハウスの間取りは意外だった。藍子とマードックが住むこと前提というか1世帯で2部屋使う仕様になっていて、藤島さんの愛が窺える。

  • 堀田家の朝食は豪勢ですね。皆さん朝からよく食べる…。

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著者プロフィール

1961年、北海道生まれ。広告制作会社勤務などを経て、2002年に『空を見上げる古い歌を口ずさむ pulp-town fiction』で、第29回メフィスト賞を受賞して翌年デビュー。温かい筆致と優しい目線で描かれた作品は、ミステリから青春小説、家族小説など多岐にわたる。2013年、代表作である「東京バンドワゴン」シリーズがテレビドラマ化される。おもな著書に、「マイ・ディア・ポリスマン」「花咲小路」「駐在日記」「御挨拶」「国道食堂」「蘆野原偲郷」「すべての神様の十月」シリーズ、『明日は結婚式』(祥伝社)、『素晴らしき国 Great Place』(角川春樹事務所)、『東京カウガール』『ロング・ロング・ホリディ』(以上、PHP文芸文庫)などがある。

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