だいたい四国八十八ヶ所 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087451535

作品紹介・あらすじ

エッセイスト・宮田珠己が、「一周してみたい(四国)」、「全部回ってみたい(八十八ヶ所)」、「いっぱい歩きたい」を理由に四国八十八ヶ所を歩いた、ゆるゆる非本格派歩きへんろ旅の全記録!(解説/森山伸也)

感想・レビュー・書評

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  • 「いっぱい歩きたい」という理由で始まるゆる~い四国遍路。
    とっても面白かった。
    四国は電車で(だいたい)一周したことがあるけれどすごく楽しかった。
    また行きたいところBEST5に入る。
    そしてやはり次も一周したいような気がするから不思議だ。
    別に九州は一周したいなんて思わないから、四国にはそう思わせる何かがあるのかもしれない。
    お遍路さんなんてまさにそれで、歩いて一周するなんて本当にすごい。
    さらに強者は野宿するらしく、もう何故そこまで…。驚愕。

    宮田さんも「だいたい」なんて言いながら素晴らしいお遍路さんぶり。
    しかもただ札所に行くだけではなく、四国の自然を満喫しているから頭が下がる。
    やっぱり人生に必要なのは余裕なのだと改めて確認した思い。
    寄り道する余裕。
    未知なることを楽しむ余裕。
    余裕があるから人生は楽しい。きっと。

    お遍路したい人の力になるのはもちろんのこと、人生をもっと軽やかに楽しみたい人の参考にも大いになる本だと思う。

  • 「歩き遍路」と「区切り打ち」で四国遍路をする著者。
    読みやすい文でおもしろかった。
    四国遍路って、あまり良く知らなかったが、よく知ることもできた。

  • 久し振りに宮田珠己さんの文章を読んだ。やっぱりいいなこの文体。『真面目⇒おふざけ』に変化する流れが絶妙。こんな感じで日頃トークができれば、きっと友達・・・減るだろうな。
    でも好きなんだこの文体。大学生の時に好きな子に薦められて読み始め、それ以来ずっと好きで、好きな子とは早々にお別れしたけど、別れずに付き合ってます。
    ありがとう、タマキングだけを残して去ってしまった人。
    さて、今回は国内、しかも四国だけと宮田さんにしてはフィールドは一見狭いようだけど、タマキングワールドは健在です。文章を書くのが仕事だから表現力が面白いのは当たり前なのかも知れないけど、それ以上にこの人の引きの強さを感じる。あと着眼点。どうしてそんなことに出会えるのか、どうしてそこを見てしまうのか、そしてどうしてそこはどうでもいいと切り捨てられるのか。

  • 面白かった…『日本全国津々うりゃうりゃ仕事逃亡編』を読んでたいへん面白かったので、次にこの作品を読んでみましたが、四国遍路をこんなに面白く書くのは難しいのでは…?と思います。なぜこんなに面白く書けるのか…。
    ここは行きたいぞという寺がいくつか見つかり、マメの話はタメになる。こんなに不真面目風を装っているのに、普通にタメになるってなんだよ!と突っ込みたくなります。解説で森山伸也さんが仰っているように、「四国お遍路ガイドブックでもある」ことは間違いないです。また解説にある実話がとにかく面白い。

  • 四国八十八ヶ所の歩き遍路体験記。きちんと全部のお寺を回って結願しているのだが、さほど信仰心があるわけではなく、お遍路用品にこだわりもなく、寄り道や観光もする「だいたい」四国八十八ヶ所という、ゆるいスタンス。ユーモアのある文章の中にも、たまに鋭い考察があったりして面白かった。
    読んでいて思ったのは、お遍路さんにもいろんな人がいるんだな~ということ。年齢も様々、方法も様々。お遍路に行く動機も、かける時間もお金も人によって様々で、でもそれでいいんだろうな。私もそういうゆるさをもって、いつか四国お遍路してみたい。

  • 著者が色々寄り道をし、色々な人に出会いながら、大体ゆるく時に真面目にお遍路をした記録を記した一冊。
    寄り道や遠回りをするもよし、最短距離を突き進むもよし、人それぞれ色々な道のりがあるのは人生も遍路も同じだと思う。

  • 著者が区切り打ち(数回に分けてお遍路を完歩すること)で、四国八十八か所をお遍路する。すべて歩き切らなくてもいいもんね~、たくさん寄り道しちゃうもんね~という感じで、特に信仰心があるわけでも強い決意があるわけでもなく、興味本位で始まるお遍路。いつもの著者らしく、笑える箇所がたくさんあるけれど、歩き進める中で出会う美しい自然やお遍路仲間とのエピソードで改めて旅の素晴らしさを感じさせてくれる。カフェで一人で読んでいると、時折声を出して笑ってしまう箇所があるので要注意(著者の足が、モクズショイになるところが一番好き)。

  • この本は特に面白い本というわけではないが、星5つである。四国88箇所をめぐるという目的があるので、飽きずに読み進められる。自分も四国をめぐっている気分になってくる。旅行の疑似体験という意味では、非常にお勧めの本。

  • ふむ

  • 2021/01/12
    宮田さんのゆるい四国八十八ヶ所巡礼についての紀行文。
    タイトルにだいたいとあるように、本当にだいたいとなっている。
    四国にある八十八ヶ所の寺を回るのに、一気に回るやり方と分割して何日、何年かに跨いで回る方法があるようである。
    1つ1つの寺についての解説もさることながら、途中で出くわす風景や光景の描写がとても詳しく、なおかつ宮田さんなりの面白い考え方が組み込まれている状態で紹介してくれているのがとても面白い。
    またそんな中でも巡礼で回る際の知恵やアドバイスが宮田さんの実際の経験や感じたことを通してとても分かりやすく紹介されている点も読んでいて面白いところである。
    四国八十八か所巡礼については他の小説でもストーリーのメインテーマになっているものを読んだことがあってなんとなくは知った気になっていたけど、この本を読んだら、実際に自分が検証してみたくなる。

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著者プロフィール

旅と散歩と石ころと変な生きものを愛し、いかに仕事をサボって楽しく過ごすかを追究している作家兼エッセイスト。その作風は、読めば仕事のやる気がゼロになると、働きたくない人たちの間で高く評価されている。主な著書は『いい感じの石ころを拾いに』(中公文庫)、『東京近郊スペクタクル散歩』(新潮社)、『アーサー・マンデヴィルの不合理な冒険』(大福書林)、『明日ロト7が私を救う』(本の雑誌社)など。

「2023年 『路上のセンス・オブ・ワンダーと遥かなるそこらへんの旅』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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