幻の翼 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087451672

作品紹介・あらすじ

かつて能登の断崖に消えた“百舌"が工作員として再び日本に潜入した──。病院で起きた大量殺人と突然の捜査打ち切りに政治的陰謀を感じた公安の倉木は、独自の捜査を始める。(解説/北方謙三)

感想・レビュー・書評

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  • 『百舌』シリーズの2作目。一作目の『百舌の叫ぶ夜』での倉木のまるでターミネーターのようなキャラのインパクトが大きくて、倉木の活躍を期待して読み始めたのだけど、今作は大杉に好感度大。
    義理堅くて情に熱くてかっこいいなぁ、って。この世界の嘘と横暴にまみれた警察界は合わないだろうなぁ。ルパン三世のキャラでいうとシリアスな銭形警部のイメージ。

  • 前作「百舌の叫ぶ夜」で語られた、稜徳会事件の捜査を、警視庁が突如打ち切ることにしたという新聞記事の記載に続き、国籍不明船が夜の闇に紛れて、「シンガイ」と名乗る日本人を日本に上陸させるシーンから、本作は始まります。

    このプロローグだけでも、この本を読むために、ただ一つ重要なことはわかりますよね。
    『必ず「百舌の叫ぶ夜」を読んでから読みましょう』ということだけです。
    前作同様、一気読みしてしまうほどの興奮が待ち受けています。

    それにしても、これがテレビドラマ化されたってのが信じられへんなぁ。
    再現度合いにもよるけど、このエグさとエロさを地上波でやったってのが。

    近所のレンタル屋で在庫があるのは確認したんで、いずれゆっくり見てみよう( ´艸`)

  •  逢坂作品は「百舌の叫ぶ夜」に続き2冊目です。
     登場人物もそれぞの魅力があり、ストーリーもしっかりしていますが、今回はやりすぎ感がありました。ハードボイルド枠に収まらない気持ち悪さもありました。それでも次の展開が読みたくてあっという間に読んでしまいました。
     個人的に残念だったのが、「巨悪を倒すためにはどんな犠牲も厭わない」ところでした。主人公を見守っている(と思っていた)人物が、最後まで冷徹な考えだったのにはちょっと残念!
     TVドラマはまだ見てませんが、どうしようかな...

  • 刑事ものの話は本当に悪い刑事がたくさん登場するわ。
    現実の話としてそんなに刑事さんは悪い人ばかりかしら。

    まぁ、たまにいるけどね。

  • 前作から約1年後の話。稜徳会の病院で起きた事件の捜査は打ち切られ、関係者がほとんど死亡、物的証拠も残っていないことから事件は闇の中へ葬り去られようとしていた。しかし、あの事件を現場で目撃していた倉木、明星、大杉の3人に加え津城らが秘密裏に事件の真相を追い続けていた。

    森下に命じられて事件を必死に揉み消そうとする連中らの、辻褄が合っているようで合っていない無茶苦茶な行動が気になる。それでよく今まで隠せていたなぁ…ロボトミー手術で相手を無気力にさせて口封じという発想は面白かったです。



    そして、あらすじから気になっていた“百舌の復活”については、最初はとてもワクワクしたけれど、あまりにもこじつけ感が強くて素直に受け入れられなかった。『百舌の叫ぶ夜』での“百舌”という存在の作用は、敵でも味方でもないがバランスの取れたイレギュラーな存在として事件を掻き回してくれるから、読んでいて不思議な痛快感が感じられた。けれども、今回においては純粋に倉木たちに事件のその後を追ってもらいたかったし、ストーリーの進行的に「百舌の復讐」と名付けて邪魔な登場人物を都合よく片付けてしまいたい。みたいな風にも感じられて少しだけ残念でした。



    明星美希が倉木にゾッコンで「恋は盲目」とはまさにこのことかと言わんばかりに、あの大杉が心配するほどの暴走をしていたのは可愛かった。時々挟まれる皮肉交じりのジョークも、彼女の過去に一体何があったのか、とんでもない口調で恐喝する場面など意外な一面を見られたのは良かったです。

    娘や美希を助けるために、今までは猪突猛進タイプだったのが一旦ブレーキを掛けて冷静に考えてみたり、敵に挑発されても罠だと見破れるようになったり、客観的な視点を持ちながらもいざという時はとことん正面突破で行動を起こしていく。大杉が今作の主人公であり、MVPでした!

  • もはやこの作品は倉木尚武ではなくダークヒーロー百舌 が一番の主役であろう。読みながら、いつ百舌は出てくるんだ?いつ百舌は悪い奴を叩きのめしてくれるのか?と期待してしまう。
    北朝鮮の工作員の話は、この本の発売当時1990年にどのくらい世間で報道されていたのか。当時子供の私は知る術もないが、2002年の日朝首脳会談の12年前にこんな小説があったことに驚きです。

    百舌の叫ぶ夜 ほどの衝撃はありませんが、次の展開が気になり手を止めれなかった。
    明星美希 の人間味が出ている作品でした。また、大杉良太 の娘を守るための行動が良かった。倉木は…

  • さすがに時代を感じるが、面白いのは確か。
    ロボトミーとか、どうよ?って感じだけど。
    それにしても、命張りすぎっす。
    ツキさん、憎めないキャラだけど、ちょっと嫌いになりそう。

  • 11月-10。3.5点。
    百舌シリーズ第二弾。死んだはずの殺し屋が、北朝鮮スパイとして、来日。
    前回事件のあった病院を舞台に、事件が。

    さすがに面白い。一気読みできた。
    津城が冷たい気がするが。。
    次作も期待。

  • 百舌シリーズ第二弾。またもや、読みごたえたっぷり。世界観としては、前作同様、時代を感じさせなかったけど、、ここでロボトミーとは!精神科医料の部分は悪い意味ではなく、さすがに時代を感じました。

  • いやー面白い。
    読み終わるまで眠れなくて寝不足。

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著者プロフィール

逢坂剛
一九四三年、東京生まれ。八〇年「暗殺者グラナダに死す」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。八六年に刊行した『カディスの赤い星』で直木賞、日本推理作家協会賞、日本冒険小説協会大賞をトリプル受賞。二〇一三年に日本ミステリー文学大賞、一五年には『平蔵狩り』で吉川英治文学賞を受賞。「百舌」シリーズや「長谷川平蔵」シリーズなど著作多数。

「2022年 『最果ての決闘者』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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