我が家の問題 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087451979

作品紹介・あらすじ

「夫は、仕事ができないらしい」。会社のこと、実家のこと、ご近所づきあい……どんな家庭にもある、ささやかだけれど悩ましい「問題」の数々をリアルかつ温かく描く短編集。(解説/吉田伸子)

感想・レビュー・書評

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  • 色々な夫婦を短編6話!

    色々な夫婦がいて面白い
    個人的に「夫とUFO」が好きだったかな

    夫婦って実際に色んな種類がいますよね…
    基本皆自分が普通と思っちゃいますが

    自分は、仕事終われば直帰だし、給料は全て妻に渡してますが…自分の職場だと
    ●仕事終わりに奥さんに残業と言って、社内の駐車場で2~3時間スマホで映画見てる奴や
    ●仕事終わりにギャンブル、漫画喫茶に行く奴(これも妻に残業と説明)
    ●休みの日に仕事が入ったと嘘をついてワザワザ作業着に着替えギャンブルに行く奴
    ●給料は夫婦別に管理とか、これも自分と違う…
    ●家に直帰するが50~35くらいのが三人いるが、TVゲームしかしないし、ニュースも見ないし、戦争もほぼ知らな…うち2人は独身

    ほんと色々いるが
    逆に俺の生活を不思議そうに聞いてくる
    【ベルゴさん そんなに直帰してなにするの?】
    と言われるが
    ●小遣い20000で
    ●本買って読んで売って(5年ほど前は筋トレしてた)
    ●宝くじ(ナンバーズ)を少し買う
    ●本を売ったお金で日常を過ごし小遣いは貯めてる
    ●紫陽花を育て
    ●メダカ達に【神】と崇めたて祭られ、天空から美味な粉を降らす(餌)
    ●インコと話してる
    ●家族の話は肩に乗ってるインコの お喋りにより良く聞こえない

    やはり価値観が違うと他人の生活は普通じゃなく見えるみたいだ

    俺からしたら、他の社員の生活の方が不思議だが…

    ※だから結局俺が何を言いたいかって言うと…
    【豆腐は木綿派です】って事!!



  • 前回に続けと今回も奧田英朗作品の連読。

    前作の「家日和」の対作品となる、表題作通り我が家の問題を夫目線、妻目線、子供目線それぞれに短編で描かれた作品である。

    兎角、何だかんだ言っても、女性は、母親は、妻は、強し。この印象にまんまと納められた。

    特別な愛情劇やどんでん返しはない。
    そこに描かれていているのは、とある家庭の日常の一コマ。その家庭ごとに起きる問題の一コマ。
    どの作品も【我が家】ごとのドラマがあって、読み心地が良かった。

    かく言う、私の我が家の問題としては、一昨日、家族だったハムスターが天国へと旅立った。
    652日、1年9ヶ月と13日の命だった。

    ハムスターの寿命は平均2年らしく短い。
    この日を迎える覚悟が備わる前に旅立ってしまった故に、どうやらまだわたしは、落ち込んでいるようだ。

    そんな時に、クスりと笑わせてくれて、ホッコリさせてくれたこの作品に感謝。

    さて、次は本作品シリーズ作【我が家のヒミツ】を連読しようと思う。

  • 各家庭にある様々な問題。

    共通して言えるのは、
    家族を想う人が描かれているということ。

    問題が起きても、パートナーや
    家族のことを想って、進んでいこうとする
    気持ちに心が動かされます。

    短編の順番も良かったですね。

  • ブグログでは自分が登録した本を検索できるようになっている。その検索によれば、奥田英朗の本の登録は、これが9冊目であるが、実際にはそれよりも沢山読んでおり、好きな作家だ。
    本書は6編の短編を収めた短編集。いずれも、「家族」をテーマにした小説だ。シリーズとなっており、本書は「家日和」に続く2冊目。もう1冊、「家族のヒミツ」という本が発行されている。
    文章が軽快で読みやすい。ストーリーもシンプルであるが、それでも、時々、じんわりと心に滲みる部分がある。本書で一番好きだったのは「妻とマラソン」。ストーリーの最後の部分は、かなりほろりと来た。

  • 2023.6.11 読了 ☆8.5/10.0

    "新婚なのに、家に帰りたくなかった。"
    "どうやら夫は仕事ができないらしい。"
    "どうやらうちの両親は離婚したがっているらしい。"
    "夫がUFOを見たと言い出した。"

    そんな、1行目から引き込まれる書き出しで始まる、それぞれの家族のささやかだけど悩ましい問題を描いた短編集。


    ここで描かれているどの家にも、それぞれの置かれた事情と抱える問題があるんです。

    第三者から見たら大したことがなさそうに見える事も、当の家族からしたら、ここで踏ん張らないと大変なことになるという局面だったりします。

    家族とは、実は大変で、だけどどの章も読み終えると「家族ってやっぱり良いなぁ」と、「なんだかんだ愛おしいなぁ」と、そう素直に思えます。


    そんな、読後じんわりと温かく幸せな気持ちになれる、"心の湯たんぽ"のような一冊です。

  • 前シリーズ「家日和」は、結構ユーモラスでクスッと笑える感じの内容でしたが、今作の「我が家の問題」ではタイトルの通り家庭の問題に関するお話でそこそこシリアス。けれども最終的には心温まる感じの内容でもあったりして、結局なんか良い感じ。
    特に「ハズバンド」「里帰り」辺りが好き。
    「妻とマラソン」は「家日和」にも登場したあの家庭の後日譚であり、あの家族の話がまた読めたのはなんだか得した気分でした。「我が家の秘密」も読むのが楽しみです。

  • さまざまな家族の問題に、さまざまな立ち位置から直面し、逃げ、でも立ち向かう、あたたかいお話。

  • 短編6作品収録
    それぞれの家庭のお話
    まず、読みやすいなと感じました
    いずれの作品も他人事でもない問題にまつわるお話で
    それぞれにいろんな問題がでてきて人生に波風たたない
    ことなんてないんだなと感じました

  • 奥田英朗さんの短編集。自分の身近なところでも起こりそうな、家庭で起きた問題をとりあげています。全部で6つの物語。

    「甘い生活」の初出は2010年。いまから10年前ですが、もうこの頃から、用事もないのにまっすぐ家に帰らないサラリーマンっていたんですかね。独身生活が長かった主人公とどこからどうみてもいい奥さんしてる嫁。新婚の甘い生活、とはならずに困惑する二人。「ハズバンド」では、普段知ることのない夫の職場での評価を垣間見た妻の戸惑い。”一緒に暮らせば、愛とは別に情が湧いてくるのである。今は情の繋がりが大勢を占めている。” いや~その通りですよね。

    どの短編も、のんびりと何も知らずに生活していたら気付かなかったようなことに気付いて、戸惑って、相手のことを思って悩んで、いろんな人に相談して、乗り越えていくほっとする内容です。登場する人たちもみんなとっても優しい人たち。

    この本がずっとずっと広がっていけば、やさしい家族、やさしい人たちが増えていくんじゃないかな??

  • 再読

    様々な夫婦、家族の問題が描かれていて
    全く同じではないけれど
    自分の家庭も色々あるので
    少しずつ共感できて、ハラハラできて
    ホッとできた。

    特に「妻とマラソン」
    奥さんの行き場のない孤独の向かった先に
    家族からの理解と応援があって
    うるっとした。

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著者プロフィール

おくだ・ひでお
1959年岐阜県生まれ。プランナー、コピーライターなどを経て1997年『ウランバーナの森』でデビュー。2002年『邪魔』で大藪春彦賞受賞。2004年『空中ブランコ』で直木賞、2007年『家日和』で柴田錬三郎賞、2009年『オリンピックの身代金』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『最悪』、『イン・ザ・プール』、『マドンナ』、『ガール』、『サウスバウンド』、『無理』、『噂の女』、『我が家のヒミツ』、『ナオミとカナコ』、『向田理髪店』など。映像化作品も多数あり、コミカルな短篇から社会派長編までさまざまな作風で人気を博している。近著に『罪の轍』。

「2021年 『邪魔(下) 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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