おいしいコーヒーのいれ方 Second Season 8 地図のない旅 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 63
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087451986

作品紹介・あらすじ

『風見鶏』のマスターがかれんと兄妹であるという秘密をかれんの両親に打ち明け、かれんは新しい道へ歩み出す決意を固める。一方、オーストラリアにいた勝利が帰国。かれんと勝利の未来が動き出す。

感想・レビュー・書評

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  • セカンドシーズン8作目、シリーズ通算18作目。
    いよいよ佳境な感じ。オーストラリアで秀人さんの研究所の手伝いをしていた勝利が、突然あるきっかけから一時帰国することになる。家族の誰にも伝えずにこっそり来てこっそり帰るつもりが、秀人さんにこのことを聞いたかれんが家を訪ねてきて、久しぶりの対面を果たしたところまで。

    今回はマスターや由里子さんや原田先輩など、いろんな人が主語になりながら話が展開していくのが新鮮だった。

    中沢氏の「赦し」についての見解には成程と考えさせられた。恨むべき人や罰してやるべき人にそういったことをしないと、罪を犯した側は自分で自分を責め続けるしかなくなる、それがいちばん逃げ場のない罰になってしまうーーーというようなこと。これを聞いたマスターや由里子さん側は、もうその儀式をし終えたようなので、あとは勝利がどう落とし前をつけるか、次巻が楽しみ。
    秀人さんとダイアンも何か起きそう。

  • 久々すぎて内容危ういところもあったが、
    ストーリー的にはそんなに大したことなかったので助かった。要するに勝利が日本に帰る理由を作る会だった。

  • 2020.6.7

    今月、7年越しに続き…というか最終巻が出るようなので
    復習がてら再読。7年前になるのか
    というか終わり方がショーリとかれんの辛い再会のまま
    7年も置いてけぼりだったのね(作風もだいぶ変わったし
    おいコーは未完で終わると思っていたから)

    なぜショーリがオーストラリアに逃げたのか
    苦しみや辛さだらけで当時は何とも思わなかったが
    「胎児」の大きさがわかるとそれは本当に町に居られなくなるような気持ちなのだろう。みんなが許してくれたから、許してしまったから、余計に。
    この本のMVPは中沢氏。そしてマスター。優しさが人を苦しめることがある。

    ショーリは一時帰国し、かれんとようやく出会う。
    その先がどうなるかは、今は誰にもわからない。

  • 原田先輩がかっこ良く見えてきた(笑)
    あと、星野さんも以前のひどい状態からものすごい立ち直りようですなぁ
    丈はかなりしっかりしてるし
    マスターも花村家にちゃんと言えて良かった
    由里子さんとカレンも素敵な事になりそう

    そんな矢先に・・・ ねぇ?

    ま、同じ立場を経験した人だけが同じ側に立てるというのはわかるんだけど
    物語の展開のためだけにわざと不幸を描いているような気がするなぁ

    とかいいつつも、最後の再会のシーン含めて、新幹線の中で読んでて涙をだらだら流しながら読んださ

  • 誰一人として、勝利くんを罰しようとしなかった。その結果、彼はあそこまで追い詰められたんです----。中沢の言葉を反芻しながら、風見鶏のマスターは、自分がかれんの兄であることを花村家に告げに行く。由里子さん、若菜ちゃんもそれぞれのつらい経験を乗り越えようと、一歩ずつ足を前に進める。あのとき以来、時間がとまったままの勝利だったが、急遽オーストラリアから帰国することとなり・・・・。(背表紙より)

    1時間半で読み終わった・・。あーもうイライラするわー(笑)。もっと話、すすまんかいっ!って感じです(笑)。相変わらずマンガを読んでいるような感覚ですが、これがめっちゃ面白いんですわー。私的には(笑)。
    わかってしまう展開がまたいいんだわー。もっと早く次出ないかなぁ。気になります~。

  • ついに会えたよーーー号泣。
    もう辛くて辛くてずっと泣きながら読んだ。
    最後見届けたいけど終わってほしくない…複雑……!!

  • Secondseason8巻。

    「地図のない旅」というタイトルの意味は人生のことなんだろうな、という読後です。登場人物はみんなそれぞれの人生を歩んでいて、一人ひとりに悩みがあって毎日をすごしています。過去から今日、そして未来へ。その繰り返し。
    手本や指針になるような出会いがあっても、何を選んで進むのかは自分自身が決めなくてはいけない。
    旅の地図を作るのは、自分なのだから。

    マスターも、由里子さんも、若菜ちゃんも、星野りつ子も、みんなそれぞれの悩みに向き合い一歩一歩進み出しています。
    勝利が再び歩み始めるのは、いつのことか。

  • 暗い感じのまま、クライマックスへ続くのか…ラストは明るい未来が待ってることが予感できるものになって欲しい。ショーリとかれん、そしてみんなが。中沢さんも秀人さんも原田先輩もいい人だったな、ショーリとかれんの周りには悪い人はいなかった。

  • 前巻からの続き、風見鶏のマスターが花村家を訪れるくだりには、思わず涙。登場するキャラクター、一人ひとりに対する丁寧な描写が、おいコーの魅力でもあります。そして勝利にも転機が…。いよいよ最終巻へ!

  • いくら必死に自分の中にある思いを押し殺しても、
    例えばその思いに自分自身で気づいていなかったとしても、
    切実な思いからは逃げれない。
    全ての人から見放されても、見限ってくれても、
    自分だけはそばにいて逃げられない。

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著者プロフィール

村山由佳
1964年、東京都生まれ。立教大学卒。93年『天使の卵――エンジェルス・エッグ』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2003年『星々の舟』で直木賞を受賞。09年『ダブル・ファンタジー』で中央公論文芸賞、島清恋愛文学賞、柴田錬三郎賞をトリプル受賞。『風よ あらしよ』で吉川英治文学賞受賞。著書多数。近著に『雪のなまえ』『星屑』がある。Twitter公式アカウント @yukamurayama710

「2022年 『ロマンチック・ポルノグラフィー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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