マスカレード・ホテル (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (520ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087452068

感想・レビュー・書評

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  • これは実に面白かった。東野圭吾の作品は以前読んだことがあったのだが、余り面白くなかったのでそれ以後読んでいなかった。読まない理由に超流行作家ということもあった。私がへそまがりだということと、図書館の棚にほとんどなかったから。さすがに売れるだけのことはある。文章力がある。描写が的確で自然だし、登場人物の描き方もいい。今回の作品では、ホテルのフロントクラークの山岸尚美にぐっと感情移入させられる。もう一人の主人公の新田刑事は、ちょっと危なっかしく描かれていて、はらはらする。
    連続殺人の次の事件がホテルで起こるかもしれないので、刑事たちが客だけでなく、ホテルマンにもなって潜入するという筋だが、ホテルの様子が実に上手に描かれ、事件の仕組みもよく考えられている。御見それしました。

  • 東野圭吾『マスカレード・ホテル』集英社文庫。

    貰い物の文庫本。東野圭吾の作品は面白いのだが、何故か余り自ら進んで読もうとは思わない。恐らく読むのは5作目くらいではなかろうか。

    新シリーズの第1弾。設定が奇抜で、ストーリー展開が何よりも面白い。ホテルに宿泊する様々な人びとが起こすトラブルに、いよいよ犯人かと身構えれば空振りに終わり、その人の人生の一幕が描かれる。それでも捜査は進み、着実に事件の核心に迫るのだが……

    都内で発生した連続殺人事件。犯人も次に狙われる人物も不明のままに、事件現場に残された暗号から次の犯行場所が一流ホテル・コルテシア東京ということだけが判明する。警視庁捜査一課所属の若きエリート刑事・新田浩介はホテルマンに成りすまし、ホテル・コルテシア東京で潜入捜査に就く。新田刑事を新人ホテルマンとして指導するフロントクラーク・山岸尚美は少しずつ新田刑事の捜査に巻き込まれていく。

    そして、見事な結末。

    本体価格760円
    ★★★★★

  • いやー、面白かった!
    映画化もされており木村拓哉さんと長澤まさみさんを思い浮かべながら読みました。
    ストーリーがよく出来てるし、現場の緊張感がひしひしと伝わってきて、ページを捲る手が止まらない。一気読みです。
    読後、たまたま娘が録画していた映画も観たら、小説を忠実に再現していました。
    どちらもダブルで楽しめます。オススメ!

  • 都内で3件の不審な連続殺人が起きる。
    事件現場に残された数字の羅列から、次の犯行現場が「ホテル・コルシア東京」だと予告された。
    警察は事件を未然に防ぐため、捜査員たちをホテルのスタッフになりすました潜入捜査を行う。
    そしてホテルを訪れる不審な宿泊客の監視を命じた。

    —————-

    一流ホテルのフロントスタッフである山岸尚美のもとに、若い警察の新田浩介が配属された。

    ホテルマンには見えない威圧的な態度や、振る舞いに山岸は頭を抱えながら、一流のフロントスタッフに見えるように指導していく。

    新田は慣れない業務に悪戦苦闘しながらも、きちんと仕事をこなしていく。
    警察官ならではの鋭い観察眼を持ち、ホテルに訪れる不審な客への対応は流石の一言だった。


    ————-

    「お客様がルールブック」と言い、完璧な対応をするホテルスタッフには感心するばかりだ。

    良からぬことを考えたり、わざと迷惑をかける客には憤然たる思いだが、新田の鋭い嗅覚で事件性を見抜いたのにはスッキリした。

    最後の犯人が分かるシーンでは、日常に潜む危険がいか恐ろしいかを思い知らされる。
    犯人が、事件現場を視察しに来ていたのにはゾッとした。
    いい話だと思って読み流していたものが、ここにきてこんな展開になるなんて驚きを隠せない。

    最初から最後まで、どの話も興味深かった。
    事件の謎が解けていくのも面白いが、ホテルスタッフの振る舞いをみて学ぶことが多かったなと思う。

  • 映画を先に見て、翌日に小説を書いました!笑

    映画も面白かったけど、小説も面白かった。

    長編だけど、ほとんどムダがなかったかなって思う。
    短編の様な長編ですね。

    ちなみに、コルテシア東京のモデルが
    職場の窓から毎日見ていたホテルとは
    知らなかった!笑

    • よっぴーさん
      キョーさん
      いいねありがとうございます。
      僕は、先に原作を読んで映画を見ました。
      原作を先に読んだ後でも面白かったです。

      刑事とホテルマン...
      キョーさん
      いいねありがとうございます。
      僕は、先に原作を読んで映画を見ました。
      原作を先に読んだ後でも面白かったです。

      刑事とホテルマンとのバディー感が新しくて面白かったです。
      2022/11/17
    • キョーさん
      takeshiさん

      コメントありがとうございます。

      著者を好きになったきっかけの本でも
      あります。

      私は文庫になってから読む派なので、...
      takeshiさん

      コメントありがとうございます。

      著者を好きになったきっかけの本でも
      あります。

      私は文庫になってから読む派なので、
      まだまだ先の話しですが、
      新作、マスカレードゲームも
      楽しみです。
      2022/11/17
  • 前々から気にはなっていたのですが、
    ちょっとしたきっかけで、手に取ってみました。

    いや、面白くて一気に読んでしまいました。

    舞台は都内のとある一流ホテル「コルテシア東京」、
    そこに刑事が潜入捜査に来るところから物語が始まります。

    捜査の目的は公開されていない“連続殺人事件”。
    主人公は一組のコンビ、妙齢の男と女。

    その一人は若き刑事・新田浩介、
    一人は優秀なフロントクラーク・山岸尚美。

    日頃から人を疑う事を仕事としている刑事が、
    常にお客を優先させるサービス業に携われるのか、、

    最初は何ともバタバタした道行きで、
    時にお客と喧嘩寸前まで行くような流れなのですが、

    業界は異なれど、二人共に仕事に対する想いは真摯、
    そんな姿勢が、お互いの仕事に化学変化をももたらします。

    どちらも“人の仮面”と対峙するのは同じだな、と。
    それを暴くのか守るのかの違いはありますが、、

    ん、個人的には事件の“伏線”に見事にヤラレマシタ。
    なるほど“こう来たか!”と、、ふーむ。

    最初は反目しあいながらも徐々に、というのは王道。
    終盤はニヤニヤしながら、読み進めてしまいました。

    シリーズ化されるとのことですので、
    これからも楽しみですね~、、次はどうなるのでしょうか。

    あと、所轄の能勢さんがいい味だなぁ、と。
    こんな風に伸ばしていける人になりたいな、なんて風にも。

  • 以前に映画を観たのもあって、キムタクと長澤まさみがずっと頭の中で演じてくれていました。
    新田と山岸のやりとりも楽しく、刑事とホテルマンという全く違う職業の二人の名コンビっぷりがたまりません。
    その他のキャラクターも個性的で魅力満載でした。
    このシリーズはずっと見続けたいです。

  • 「マスカレードホテル」
    東野圭吾さん

    読み終えるまで一日とかからなかった小説です。
    映画の公開前に原作をと思い、手にしました。

    スキー場、樹海、原子力発電所、本屋、ホテル。

    東野圭吾さんの小説は、舞台となるシーンが豊富なことも魅力の一つです。

    さて、マスカレードホテル。
    映画ももちろんですが、原作も、
    え、え、え、あと、数十ページで決着、、、どうなるの?? と興奮と戸惑いを抱えながら楽しめる世界です。

    読書の秋。
    ホテルに旅した気分にもなるツーリズムブックとして是非。

    #読書好きな人と繋がりたい

  • 高校時代に読んで長かったので途中で諦めてしまったので、今回再読。
    読んでみると、サスペンス要素だけでなく手柄などの働く事の苦労が伝わってきてとても面白いと思った。それは山岸や新田にも現れており、犯人の動機も完全なる逆恨みではあるものの、それが山岸の次の反省に繋がるところがとても仕事のプロとしての矜持があって格好良かった。新田も自分のすべきことと、やりたいことの板挟みに遭いながらも最後にはその思いが結実していたところがスカッとした。
    前日譚も出ているのでそっちも読んでみたい。

  • 2020/05/15読了
    #東野圭吾作品

    連続殺人の舞台に指名されたホテルで
    ホテルマン扮する刑事と女性フロント
    が共闘する。
    ミステリの細かい伏線回収も見事だが、
    ホテル業務に悪戦苦闘するシーンも
    なかなか面白い。

著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

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