猫の手、貸します 猫の手屋繁盛記 (集英社文庫)

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感想 : 71
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087452433

作品紹介・あらすじ

ある事情で猫の姿になってしまった浪人・宗太郎(通称、猫太郎)。裏長屋で便利屋「猫の手屋」を営む彼の元には、人々の相談が舞い込んで……。奇妙奇天烈な猫のサムライが大活躍するあやかし時代劇!

感想・レビュー・書評

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  • 猫先生の他人(猫又含む)に対する姿勢が気持ち良い。様々な描写も凄く丁寧。
    けど、あと一味足りないと思ってしまった。
    ただ、これはこれで胃に優しいのかもしれない。
    続きは重めのミステリーや、抉られるようなイヤミスのリハビリ用にとっておこう。
    上から目線でスミマセン。

  • とある出来事から、猫の姿に変えられてしまった、武士の近山宗太郎。
    人間の姿に戻るため、今日も人助けをして善行を積もうとするが……。

    連作短編集。

    猫の姿といっても、動物の猫サイズではなく、人間サイズの白猫。
    着物を身に着け、腰に大小を提げ、二本足で歩くシュールな姿。

    まわりからは「人間に化けそこなった猫」だと思われている。

    もふもふの猫姿に寄って来る子供たちや猫好きと、真面目一辺倒の宗太郎のギャップに、おかしみがある。

    同類の猫にもすり寄られるが、本人は猫が苦手というのもおもしろい。

    三日月長屋と猫の手屋稼業を通した、人情味あふれる物語。

  • 主人公が白猫の姿になってしまった侍というトンデモ設定。猫又とか頭に手ぬぐいをのせて踊る猫とか、まるで歌川国芳が描いた猫の世界で、これはこれで楽しい。
    事件を解決するとか悪人を成敗するとかではなく、長屋の住人たちと交流しつつ人間の姿に戻るために善行を積む、という話なので、全体的にのんびりした雰囲気がある。

  • コバルトの作家さん、というイメージしか無いまま読んでみた本。訳あって、時代小説に手を付けることになったのだけど、今まで時代小説だの、歴史小説だの読んだことがないから、読みやすそうなものを、と思って選んだ本でした。

    先述の通り、コバルトの作家さん、てイメージが強かったので、ラノベちっくなものなのか、と構えていたけれど、全然そんなことはなく。面白かったです。これはシリーズで出てるから、是非とも続刊を読まねば・・と新たな楽しみが出来ました。

    描写がすごく丁寧で、江戸の暮らしや町並みが目に浮かぶようでした。何より、猫太郎が可愛い。可愛い仕草や物言いはしてない筈なのに、可愛いのです。自分は猫アレルギーなので、猫は遠目で見ることしか出来ないのですが、猫太郎は可愛い。読んでて何度も悶絶しそうになりました。

  • ナツイチの栞欲しさに購入(^^;)ゞどうせなら妖ものが良いな~♪と思ってこの本を選んで読んだら大満足(^^)v旗本の跡取り息子の宗太郎(猫太郎or猫先生)が猫又の怒りをかって、表紙のような白猫姿に!Σ( ̄□ ̄;)百の善行を積んで人の姿に戻れるように、裏長屋でよろず請け負い「猫の手屋」を営む(^.^)軽~く読めて、笑えて、心も暖まる(*´-`*)あぁ猫先生と握手がしたい!国芳との会話も楽しかった(^o^)♪

  • 旗本の子息がいきなり白猫になったお話。存在が不思議がられることもなく、懐かれ慕われ、猫好きには堪らないちょっと変わったあやかしのお話です。

  • 江戸を舞台にしたありきたりな妖怪物かな、と思いながら手に取ったのですが、パラパラ見た感じ面白そうだったので購入。
    読みやすく、でも軽すぎない内容で面白く読みました。
    気付いたら続編が出ていたのでそちらも読みたい。

    もっともこちらにもこういった世界観の読み物に対する下地があるから読みやすかったようで、家族に貸したら「世界観を理解するのに時間がかかった」という感想も。

  • なんだか、あきらかに化け猫なのに市民生活に溶け込んでいる感が可笑しい感じですね。(^^
    主人公の苦悩感がちょっとビターな感じ。だんだん、人としての自己がなくなっていくような予感とか、ライトノベル的ではないところがあります。
    ただ、内容は時代小説の一般的なところからそう離れていない感じ。
    もういっそうの独自色が必要かな。

  • とある事情で白猫の姿になってしまった
    旗本の跡取りの宗太郎(通称、猫太郎)。
    善行を積んで元の人の姿に戻るため
    家を出て、裏長屋でよろず請け負い家業
    「猫の手屋」を営むことに…

    人間サイズのお侍の格好をした白猫…
    (正しくは猫になっちゃった武士ですが)
    というだけでときめきますが
    長屋の人たちが宗太郎を
    「人に化けようと頑張っている猫」として
    受け入れて仲良くやっているのが
    おおらかで微笑ましいです。

    人情物ですごい事件が起きる、というより
    江戸の町並みや長屋の様子などが
    いきいきと描かれていて読んでいて楽しいですし
    読みやすい文章なので
    時代小説を普段読まない人にもオススメです。
    猫が多く出てくるので猫好きにも〇。
    神社の境内で夜な夜なやってる
    猫たちのお祭りとか
    人間に恩返しするために手ぬぐいを
    かぶって二足歩行の練習しながら
    踊りを踊る姿とか…み、見たい…

  • 迷子地蔵
    江戸っ子の心温まる話。
    いつもは仲の悪いお軽と文字虎。お妙の迷子によりお軽を支える文字虎が良かった。
    現代では隣人との付き合いがないが、江戸時代らしく良い関係性が見えたのも◎。

    思案橋から
    こちらも、心温まる話。
    猫ってぐーたらでらいいなと思ってたが野良猫は生きるのが大変そう。


    シリーズ化されてるので読みたい。

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