少女は卒業しない (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087452808

感想・レビュー・書評

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  • 読み方が悪いのかもしれないけど、一つ一つの物語の登場人物に関連があるのかどうかと考えつつ読んでしまうけどないのよね。

    青春は今振り返ると眩しいけど、その当時はそれなりに苦しかったり、もがいてたりしたなぁ。

  • 廃校になる学校の学生達の話が複数入っている。
    最後に亡くなった学生の話を持ってくるから、感傷的な感覚で読み終わる。

  • あの頃の忘れたくない気持ち、思い出すにはちょっと時間がかかってしまいそうな小さな感情の揺れ、そういうのをたくさんぎゅっと詰め込んだ作品。
    これを読んだだけで、高校生の頃の自分の気持ちがよみがえる気がする。
    朝井さんの書く高校生像は、まさに私が過ごしていた高校生活と同じで、共感しやすい部分が多いのも好き。
    もっともっとあの頃に写真とか動画を撮って、気持ちを鮮明に思い出せるように記録しておけばよかったな〜とよく後悔するけど、そんな時はこの本を読もうかななんて思う作品。

  • 「屋上は青」「在校生代表」「ふたりの背景」が特に好き

    青春っぽい感じで、読み進めるうちに学校の輪郭が見えてきて面白かった。

    さくっと読めるからまた読みたい

  • 青春の匂いのする本だった
    サラッと読めてよい感じ。

  • 川辺で風に吹かれながら読んだ。ぴったりの本だった。あまりにいいな青春は


  • ある高校を卒業する(または残される)生徒たちの物語。
    桐島部活辞めるってよ、と同じパターンで短編集でした。

    登場人物の心情描写が非常に細かく、
    入り込みやすい物語ばかりでした。

    私の場合は、超平和な高校で部活やって
    受験勉強死ぬほどやってあっという間に卒業式!!
    という感じだったので
    こんなに切なくなるような場面はなく、なんか羨ましかったなあ。(笑)

    浅井さんの、最初は何の話をしているか分からないけど
    読み進めるといつの間にか入り込んでしまっている構成、相変わらず好きだなあと思いました。

  • 比喩表現が好きで最初の作品「エンドロールが始まる」の文体模写をしてみた。以下、そこの感想から抜粋

    ・すっかり乾いてしまった石の表面を少しでも潤すために、水を橋の下を流れているように見える。水面に映った空の雲も、もう過ぎてしまった冬も、私が制服を着た高校生だったということも、春の川に溶けてどこかへ流れていってしまう。そんなふうにして、すぐに私も、若いっていいですね、これから何でもできますね、なんてことを言ってしまうようになるのかもしれない。
    →高校生じゃなくなってしまう悲しさ、大人になることの悲しさ、先生と生徒じゃなくなる悲しさ?

    ・左手の薬指の指輪を確認して、私はまた、心が熱くなった。あの写真も、指輪も、目も、先生の枠からはみ出たところにあるものたちだ。そんなものを三つもいっぺんに見てしまったら、もっともっと見たくなるに決まっている。
    差し出してくれる先生の傘は晴れた日の青空のかけらで作ったみたいだった。
    →恋心が芽生える瞬間の表現

    ・スーツ、という、先生をより先生らしくしているもの。だけど、よく見ると、中に着ているシャツは誰がアイロンをかけたんだろうとか、ネクタイが曲がっていたとして誰が何をしたんだろうかとか、先生という枠からはみ出た部分があぶり出される。
    →先生の先生じゃない部分を見つけてしまうたびに切なくなる気持ち 感情が書かれていないのに切なく感じる

    高校生のあの瞬間でしか味わえないうまく言語化できない感情が、綺麗な表現や言葉の組み合わせで言語化されているところが好きだなと思う。朝井リョウの言葉選びが好きだなと感じる。

  • 高校の廃校が決まり、最後の卒業式を目前に、少女達が過去にあった出来事や過去に校舎に廻る想いを少女達の視点で綴った7つのものがたり。

    卒業式直前なのに、未来に羽ばたくためにはやっておかなくてはならないことを過去に振り返り想う。とても小さな出来事だけど、それらは少女達にとってはとても大きな出来事。

    作品名の「少女は卒業しない」は、読み終えた時に感じた気持ちを’なるほどなぁ’と思ってしまうのは、作者の策略にまんまと嵌っているのでしょうか!?

  • 高校生って儚くて、眩しいなぁ。「学校」といういろいろな人が集う小さな社会で、生徒の数だけ歩んできた軌跡があり、全てがドラマ。決して多くない経験をもとに考えて、もがいて、自分なりにケジメをつける。どの結末も甘酸っぱくて、切なくて、愛おしい。みんなが主人公のキラキラした青春が詰まっています。

    個人的には、
    ・エンドロールが始まる
    ・ふたりの背景
    ・夜明けの中心
    が好きです!

    「わたしたちは18年も生きてしまった。離れたくないって喚くほど子どもじゃない。だけど、まだ18年しか生きていない。離れても愛を誓えるほど大人でもない。」

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著者プロフィール

1989年岐阜県生まれ。2009年『桐島、部活やめるってよ』で、「小説すばる新人賞」を受賞し、デビュー。11年『チア男子!!』で、高校生が選ぶ「天竜文学賞」を受賞。13年『何者』で「直木賞」、14年『世界地図の下書き』で「坪田譲治文学賞」を受賞する。その他著書に、『どうしても生きてる』『死にがいを求めて生きているの』『スター』『正欲』等がある。

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