心がわり 狸穴あいあい坂 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 91
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087453911

作品紹介・あらすじ

道三郎への恋を諦め、旗本・小山田家へ嫁いだ結寿。心優しい家族に恵まれ、平穏に過ごしていたが、居候の老女のもとへ親戚を名乗る男が転がり込んで……。恋と事件の人気連作シリーズ。(解説/八代有子)

感想・レビュー・書評

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  • 何年も前に読んでいたシリーズ。結寿の成長物語…なんでしょうけど。
    言っちゃなんだけど結寿の、道三郎に対する未練がしつこすぎf^_^;
    旦那さんの万之助さん優しいし、子供まで作ってもまーだ元カレをうじうじ思い出してる。最後はようやく自分の気持ちに気付いたけれども、そのまで長いよ!
    一目見ただけで怪しい人を見分けられるかと思いきや、平左衛門についてはスルーだし。迷惑かけられまくっても、憎む気になれないとか…ちょっとイラッとしました。
    残念。

  • かなわぬ恋、結寿と道三郎は、それぞれの道を歩み始める。小山田家の嫁として結寿は…。

    シリーズ三作目。
    悪者など、どこにもいない。

    登場人物は、お互いを思いやり、我を抑えて生きていく。

    この時代の生き方、そして、武家の生き方だと言ってしまえば、
    そうなのだが。

    町方と火盗改め。
    相容れぬ家に生まれた二人が、その思いをかなえることはない。

    結寿は小山田家へ、道三郎は新しい妻を迎え、二人の人生は、
    交わることもなく、それぞれの道へ。

    結寿は小山田家の嫁として励むうち、夫、万之助の優しい人柄に触れ、
    次第に心を寄せていく。

    波風の立たない展開に、多少、歯がゆいところもあるが、
    これはこれでいいのかもしれないと、納得する。

    ただ、新刊、「嫁ぐ日」が出ているのだが、
    その紹介文を読むと、一波乱ありそうで、穏やかではない…。

  • シリーズ第三弾。

    道三郎への思いを秘めたまま、小山田家へ嫁いだ結寿。

    婚家に降りかかった災難を機に、小山田家の嫁として生きていく覚悟を決めたのは、結寿の成長ともいえますが、何とも切ないと思ってしまいます。

  • 結寿は、心を秘めた人と別れて、御手先組の小山田家に嫁いで、1年。
    夫の万之助や、義父母に、少し認知症のお婆様の生活に慣れてきたのだが、人の好い小山田家の人たちに、少し胡散臭い親族という者が、現れて、最後には、小山田家改易になるかもと、、、いう危機に追い込まれる。
    そして、妊娠した結寿にも、悲惨な運命になるかも、、、と。
    しかし、物事、上手く取り計らってくれる溝口幸左衛門の働きが、素晴らしい。

    我が家にも、実家から運んだ山桜桃梅が、新芽を出す季節になった。
    又、赤い実をついばみに鳥たちが、やって来るだろう。
    このゆすら庵にも、立ち止まることのできないものたちが、心安らかに、羽を休ますところかもしれない。

  • ★3.9

  • シリーズ3作目。
    嫁いで1年、小山田家での生活に次第に馴染みつつも、ふとしたときに道三郎への思慕を思い出す結寿。
    そんな毎日のなかでなんと小山田家が事件に巻き込まれる…。
    まさか、まさか…こんな展開になるとは…。ちょっと、いやかなり寂しい。
    1作目から続きを楽しみにしてきたシリーズだけに。
    ネタバレになるけれども、最後は…と願っていただけに、結寿の出した結論に納得できないままだった。
    続編を読んだらこの心境も払拭できるのかもしれないけれども。

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著者プロフィール

諸田玲子
静岡県生まれ。上智大学文学部英文科卒。一九九六年『眩惑』でデビュー。二〇〇三年『其の一日』で吉川英治文学新人賞、〇七年『奸婦にあらず』で新田次郎文学賞、一八年『今ひとたびの、和泉式部』で親鸞賞を受賞。著書に『お鳥見女房』『あくじゃれ瓢六』『きりきり舞い』シリーズのほか、『四十八人目の忠臣』『波止場浪漫』『帰蝶』『女だてら』『尼子姫十勇士』『しのぶ恋』など多数。

「2023年 『其の一日 増補新版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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