糸車 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 206
感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087454024

作品紹介・あらすじ

蝦夷松前藩家老の夫を亡くし、深川で一人暮らしをするお絹。行商をしながら息子を探すうち、様々な事件に出会い……。息子の行方を追いながら健げに生きる武家女の深川恋物語。(解説/末國善己)

感想・レビュー・書評

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  • 江戸時代 お家騒動で主人は討たれ、息子は失踪。
    大事な息子を探すため、江戸に一人残り 小間物を売り歩く主人公 お絹。

    登場人物がとても人間味があり、読みやすい時代小説でした。

    お絹に思いを寄せている持田様との秘めた恋は・・・
    もう少し 幸せな展開であって欲しかったです。

    難しい文言やしきたりも少ない文章展開なので、イメージしやすいと思います。

  • 松前藩江戸家老の夫を亡くし、行方不明の息子を探すため江戸小間物の行商をしながら暮らすお絹。様々な人と助け合いながら暮らすお絹。ひたすらに息子を思って、自分を思ってくれる同心の持田を時には邪険にしてしまうお絹が切ない。息子が見つかり藩に戻ることが決まったなら、持田と一緒になって幸せになってほしかったなぁ。

  • 亡くなった後に伊佐次も全部読み終えて空虚な気分になるけど、まだ読んでない物を見つける喜び、やっぱりいい、染みる。最後の糸車も題名通りにほつれて先が読めない。誰も知り合いがいない江戸に1人でいる強い人だな、長屋の人の出番が少ないのと大家さんが出てきて世話を焼くのか思ったが、違う展開ですね。梁川町は身近なのでちょっと嬉しいかも

  • 「肝腎なのは何があっても折れない気持ちを持つことだ。そして何事も決めるのは自分である。人に相談しても始まらない。」親友のお君を失った後にお絹は心の中でつぶやく。
     江戸の町を舞台に様々な人生が織りなされていく。

  • 北海道の秋から冬にかけて、そして真冬の時期の描写が、まさに北海道で懐かしくなった。あの秋の寂しくなるような気持ち。

  • 夫の死の真相を探る、妻。
    行方不明の息子。

    糸車、思った方には回らなかったけど、面白かった。
    それもまた、人生。

  • エッセイと伊三次シリーズ途中までと「卵のふわふわ」以来ぶりの宇江佐さん作品。
    久しぶりだからか読んでいて会話から地の文への展開のテンポが合わなくて、前半気まずかった。笑うところだと思ったらマジ話だったり、おせっかいだなと感じた後に理由がしっかりあったり。
    「秋明菊」のお君さんの事件あたりから女の行く末とは、なんてしみじみ読みこまされるところと、まさかの陰間茶屋を扱う心意気。さすが宇江佐さんだなぁと。
    タイトルの「糸車」もさすがです。ラストまでタイトルのことを忘れていたけれど。
    まだ読んでいない作品がたくさんあるし、読み返したい作品もある。
    でもやっぱり寂しいな。

  • 江戸・深川で独り暮らしをするお絹は、3年前までは
    蝦夷松前藩の家老の妻だった。お絹は商いを通じて
    町の人々と親交を深めるうちに、行方不明の
    息子と夫の死にまつわる噂を耳にして…。

  • 2019/02/24
    やっぱりすごいいい。
    江戸情緒も人情も大好き。
    いろいろ翻弄される人間ドラマは今も同じ。
    それと言葉の美しさが好き。

  • 蝦夷松前藩の家臣だった夫が,内紛に巻き込まれ突然の殺された。その折、まだ12歳だった嫡男勇馬が、行方不明となった。その嫡男を探すため、裏店長屋に住むことになったお絹は,長屋の持ち主の小間物屋の行商をして生計を立てている。深川の暮らしもいつの間にかしっくりとして,そこに住む人々も好きになった。

    行商に歩くのは、一つは勇馬を探すため、、、。馴染みの客や、息子探しを手伝ってくれる同心。

    関わりあう人々との絆。

    淡い恋心。

    しっとりとした宇江佐ワールド。

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著者プロフィール

1949年函館生まれ。95年、「幻の声」で第75回オール讀物新人賞を受賞しデビュー。2000年に『深川恋物語』で第21回吉川英治文学新人賞、翌01年には『余寒の雪』で第7回中山義秀文学賞を受賞。江戸の市井人情を細やかに描いて人気を博す。著書に『十日えびす』 『ほら吹き茂平』『高砂』(すべて祥伝社文庫)他多数。15年11月逝去。

「2023年 『おぅねぇすてぃ <新装版>』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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