文庫版 書楼弔堂 破暁 (集英社文庫)

著者 : 京極夏彦

• 集英社 (2016年12月16日発売)

感想・レビュー・書評

[uuさんの感想 · 2023年6月18日]

自分にも、自分の1冊があるのかなぁ〜、と、思いをはせてしまいます
歴史と絡めたところも、面白く、自分も、その時代にいて、その場に参加しているような、そんな気持ちにさせてくれる1冊です
無駄な物はないのだな〜と、しみじみ思います

良い本です

[浜柳さんの感想 · 2023年4月8日]

「本に書かれた情報」と「本そのもの」とは別なのだ。というくだりが一番印象的。たしかにそれはそう。
本は墓であり、読むことによって幽霊が立ち上る。
難しいけれど考えさせられる。
虚と実。存在するもの存在しないもの。文章とは、言葉とは何なのか。

[Sanaさんの感想 · 2023年3月25日]

京極夏彦の本を久しぶりに読む。この人の本を読むと、ただ文字をひたすら読むことが楽しいという気持ちを思い出す。本を読むこと、ただそれが楽しいという気持ち。

そして中禅寺さんが出てきたよ。次作も読まねば。

[ロトさんの感想 · 2023年3月21日]

「この世の中の半分は、嘘なのです」

[馬南神空さんの感想 · 2023年2月28日]

カウンセリング小説とでもいうのか、あらゆる本が揃う、異形の書店の店主が、客との対話、本の売り買いを通して、客が陥っている迷妄を祓うと言うような展開の連作集。客たちの多くは後の有名人で、彼らのちょっとしたトリビアが落ちに使われていたりするのも楽しい。

[yoichiokayamaさんの感想 · 2023年2月1日]

明治の半場。
無為に過ごしていた高遠は、異様な書舗と巡りあいます。
主人が営む店の名は書楼弔堂、古今東西の書物が集められた店。
浮世絵師や泉鏡花など、迷える者たちが己のための一冊を求め探書に訪れる。
それぞれの作品の読後感が良いなぁ。

この世に無駄なことなどございません。世を無駄にする愚か者が居るだけでございます ー 161ページ

[とーまさんの感想 · 2021年8月9日]

『鵺』を十余年待っていることについてはさておき、読書案内的な部分の強い連作。関連資料にわりとさっくりアクセスできる。

[Pukasanさんの感想 · 2020年3月8日]

明治、東京を舞台に書店「書楼弔堂」の主人が、時代の変遷と共に翻弄される様々な人達（皆さんご存知、歴史上のあの文豪やあの絵師やあの偉人が登場！）
探し求める「本」と「人」を巡り合わせる物語。

六編目の登場人物が心憎いですなぁｗ

[まほろばさんの感想 · 2020年2月16日]

初めての京極夏彦。色々な本が読みたくなる。次作も文庫ででた。楽しみ。

[jericoさんの感想 · 2020年1月29日]

ゆっくりと味わいながら読みたい作品。


生きていると云うことは、ずっと未完ということ。

なるほどなぁ。

著者プロフィール

1963年、北海道生まれ。小説家、意匠家。94年、『姑獲鳥の夏』でデビュー。96年『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、97年『嗤う伊右衛門』で泉鏡花文学賞、2003年『覘き小平次』で山本周五郎賞、04年『後巷説百物語』で直木賞、11年『西巷説百物語』で柴田錬三郎賞、22年『遠巷説百物語』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『死ねばいいのに』『数えずの井戸』『オジいサン』『ヒトごろし』『書楼弔堂　破暁』『遠野物語Remix』『虚実妖怪百物語 序/破/急』 ほか多数。

「2023年 『遠巷説百物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」